最近はフェルスタッペンとノリスのバトルが面白いなあ……と思っていたら、今回はフェルスタッペンが想像以上に乗りに乗っていて手が付けられない感じになっていませんでしょうか。そんなワケで、F1オーストリアGP予選（スプリントも）のお話。
- 予選結果： FORMULA 1 QATAR AIRWAYS AUSTRIAN GRAND PRIX 2024 - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト： 2024 Austrian Grand Prix qualifying report and highlights: Verstappen storms to pole position in Austria as he heads Norris and Russell | Formula 1®
- 予選後各チームコメント： What the teams said – Sprint day and Qualifying at the 2024 Austrian Grand Prix | Formula 1®
- 予選後記者会見： F1 - 2024 Austrian Grand Prix Post-Qualifying Press Conference Transcript | Federation Internationale de l'Automobile
毎年のように「トラックリミットパラダイス」と化していたレッドブルリンクですが、今年は縁石にかなり大掛かりな改修が加えられたんですね。
コースの端を示す白線とグラベルトラップの関係は、4輪と2輪で要求が異なったりするもんだから対策が難しい、なんていう話を見たことがあるような気がしますが、今回レッドブルリンクで行われた改修では、一部のコーナーでは縁石の一部を黒くしてコースの一部としてしまい、白線をよりグラベルに近づけるようにしたんですね。
これにより、白線を完全にはみ出してしまうと、今のF1の車幅だと確実にグラベルにタイヤを落とすことになり、トラックリミットギリギリを狙うリスクが増すと。
それから、特にトラックリミット違反が多かったターン9・10のところにはグラベル自体が新設されているみたいですが、これはちょっと幅が狭めになっているんですね。ただ、トラックリミットを越えようとするマシンに対する抑止力は十分にある感じ。こうすることによって、2輪のレース開催時にはグラベルの無い状態にもできる、というところでしょうか。なかなか上手い落とし所だなと思います。
実際問題として、これまでのところトラックリミットを取られた件数はかなり減っているようですが、ただピアストリがQ3でのベストラップを取り消されてしまうようなケースはまだ発生してますね。これはターン6での違反だったようですが、正直かなりギリギリというか、マクラーレンが文句を言いたくなる理由もちょっとわかる気がします。
それはそれとして、スプリント・予選ともにフェルスタッペンがめちゃ強い、ということに尽きる気がします。スプリントの序盤ではノリスがフェルスタッペンに仕掛けていって面白くなるか、と思ったんですが、ピアストリがノリスの前に出てからはじりじり離されていく形に。
フェルスタッペン陣営はスプリントでの勝利のあと、さらにマシンのセッティングを煮詰めて予選では2番手のノリスに0.4秒の差をつけてのポール獲得。この短いコースでの0.4秒差はちょっとビックリですね。スプリントの様子を見ていると、決勝でもフェルスタッペンがぶっちぎってしまう気がしてしまいますが、また3番手につけているラッセルがなんか面白いことをしてくれるのを期待するしかありません（？）。
今回メルセデスとフェラーリは2列めと3列目を分け合う形になりましたが、この2チームはかなり激しいバトルになりそうな予感ですね。ルクレールはQ3の最後のアタックで失敗こいてしまいましたが、マシンの仕上がり自体は悪く無さそうですし。ラッセルはラッセルで自信アリ気なコメントをしているので、1位と2位はだいたい見えている中で3位表彰台争いが白熱しそうな予感。もちろん、ラップタイム取消により後ろからのスタートになったピアストリも黙っちゃいないでしょうし。
その後ろに目を向けると、ペレスが相変わらずパッとしないなあ……というのもあるんですが、ハースの2台がわりと良さそうですよね。スプリントではマグヌッセンがロングランでも悪くない走りを披露してましたし。ポイント圏内を巡る争いにおいては、ハース・アルピーヌ・RBでのこれまた激しい闘いになるのかも。角田がちょっと今週末噛み合ってないのが気になりますが。オマケに、ピットレーンで周に割り込まれたことに腹を立てて無線で暴言を言った結果、めちゃ高額な罰金を科されてしまったみたいですし。
最近はだいぶアンガーマネジメントができてきてるのかな、と思ったら、ピットレーンでやらかしてしまうとは……。角田のコメントを見る感じ、英語ネイティブが聞いたらギョッとするような言葉をあまり深く意味も知らずに使ってしまった、というコトみたいですが、これ「こういう言葉は使うな」という教育をチームのほうからしたほうが良いんじゃないかって気もします。まあイタリアのチームだからアレかもしれないけど。
リカルドは今回の予選ではかなり奮闘していますが、ヘルムート・マルコの発言に端を発したローソンと交代させられるとの噂が彼のやる気に火を付けている感じでしょうか。角田の立場から見ると、ローソンよりリカルドのほうがチームメイトとしては良いんじゃないかっていう気がする（ローソンは角田に対するライバル意識が強すぎるし、ベテランのリカルドのほうが角田にとって学ぶことは多そう）ので、ここはひとつリカルドにも結果を出してほしいところ。
