大須は萌えているか?

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カメラをEOS R7からR6 markⅡに乗り換えた話

少し前の話になるんですが、手持ちの一眼ミラーレスカメラを新しいのに乗換えてしまいました。具体的には、CanonのEOS R7からR6 markⅡへの乗り換えになります。

乗り換えた理由

まずなんで乗り換えたか、という話なんですが、一言で言ってしまえば「一度はフルサイズのカメラを使ってみたかったから」というコトになります。私の場合、EOS 60D(2013年) → 90D(2019年) → R7(2022年)という感じでCanonのカメラを乗り換えてきており、全部APS-C機でした。なんでAPS-Cで乗り換えてきたかと言えば、まずコスト的にお安い(フルサイズよりは)というのがありますし、そもそも一眼が欲しいと思ったきっかけがサーキットで写真を撮ってみたい、というところだったので、望遠に強いAPS-Cが用途的にもハマっていた、というのもあります。

ただ、どこかで一度はフルサイズ機も使ってみたいなあ、という欲はあったんですよね。しかしまー、私の場合カメラをそこまでヘビーに使う人間でもありませんし、そんな高いカメラ買うのもなあ……と躊躇したりして、結局買わずにきていたんですが。

ただ、昨年にRFマウントでもっとも安いフルサイズ機・R8が発売されたときには興味をそそられまして、かなり欲しくはなったんですが、スペック的にサーキットでの撮影は厳しそう(メカシャッターが無い、バッテリーもちが悪い)というのもあり、かといってR7を残して買い足すというのも、自分のカメラの利用頻度を考えるともったいないのでは……と思い結局スルー。

personal.canon.jp

で、このR8よりさらに半年くらい前に発売されていたのがR6 markⅡであり、当然メカシャッターはあり、バッテリーもちも初代R6よりかなり改善し、さらにR7よりもさらに新しい世代のオートフォーカスを搭載している(これはR8にも引き継がれてますが)というコトでスペック的には文句なしな機種だったんですが、ボディのみでも40万円近くするし、これが発売されたときはまだR7を買ってから1年も経っていなかったので、さすがに買い替えるワケにはいかず見送っておりました。

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じゃあなんで今になって買い替える気になったのかというと、ひとつはちょっと安く手に入るタイミングだったから。Canonがちょいちょいやっているキャッシュバックキャンペーンが開催されていたときに、R6 markⅡだったら実質5万円引きになっていたのと、同時期にマップカメラで中古買取額アップキャンペーンというのが開催されており、R7も買取額アップ対象に含まれていたもんだから……。

ついでにいうと、昨今の円安の加速で、モノの値段がどんどん上がっているじゃないですか。カメラもモロにその影響を受けており、カメラボディもレンズも年々どんどん値上がり傾向が顕著になっている。このままだと、フルサイズカメラなんてとても買えない品物になっちゃうんじゃないか、という危惧もありました。まあ、R6 markⅡに関してはキャッシュバックキャンペーン終了直後にボディの値下げが発表されてコケそうになりましたが(それでも一応、キャンペーン中に買ったほうがお得ではあった)。

あともうひとつ理由があって、R7というのがかなり気難しいカメラなんじゃなかろうか、という気がしていたというのがあります。というのは、サーキットで撮影をしていると、どうも写真がブレている率がかなり高い気がしていたもんですから。

そりゃお前が下手くそだからだろ、と言われると返す言葉が無いんですが、オートフォーカス自体は被写体をうまく追随してくれていて、クルマの動きに合わせてカメラを振れたと思ってもブレている場合が多くて。メカシャッターだとシャッターショックによる微妙なブレが起きやすい、という話を見かけて、電子シャッターや電子先幕シャッターを利用することである程度は改善しましたが、某プロカメラマンのYouTube動画で「R7はAPS-Cサイズのセンサーに3000万以上の高画素を詰め込んでいるから、扱いが難しいカメラだ」みたいなコトを言っているのを見て、これ例えばフルサイズで2400万画素のR6 markⅡとかだったら扱いやすくなるんかな?と思ったりして。

そんな理由があって、R6 markⅡに乗り換えてしまったのでした。R7はRF-S18-150 IS STM レンズキットを購入していたんですが、これを下取りに出してRF24-105L IS USM レンズキットを購入した形です。今回もレンズキットにしたのは、今までRF-S18-150を標準域のズームレンズとして使っていたので、どのみちフルサイズ用の標準ズームが欲しいというのと、安いの買うと結局あとからLレンズが欲しくなりそうな気がしたので、RF24-105Lにした感じです。単品で買うより安いしね。

まあ、結局R7を下取りに出した上にキャッシュバック分も加味して30万円くらいの追い金が必要でしたが……。

実際に使ってみて

R7もAPS-C機としてはまあまあの大きさがある機種だったので、R6のサイズ自体は違和感無かったですね。ただ、グリップ部分はR7のが奥行きがあって握りやすかったように思います。慣れの問題ですけどね。

マップカメラだと、購入商品が送られてきたあとに下取り品を発送する「先取り交換」という仕組みがあるのでこれを利用したんですが、それぞれに標準ズームを装着した状態で比較すると大きさの違いが露骨になります。ていうか、ほぼレンズの大きさの違いなんですが。

スイッチ類はR7からの乗り換えだと、ほぼ違和感無いですね。電源スイッチの回す方向が逆(R7だと左が電源ONなのに、R6 markⅡは右)なのが気になったくらい。

GWに出かけた九州にはR6 markⅡを持っていったんですが、レンズのデカさを見ると若干旅行に持って行くには躊躇する大きさではあります(小さい単焦点レンズを使え、という説もある)。慣れの問題かな、とも思いますが。旅行用にはもっとコンパクトなカメラを持っておくべきでは……と思ったりもしますが、ボディを複数使い分けるほど写真を撮りまくっているワケではないので、大は小を兼ねるという考えで行きたいと思います。まあそれにカメラ取り出すのがめんどいときはiPhoneで撮れば良いわけですしね。

んで、旅行先で使ってみた印象としては、昼間明るいところで撮るぶんにはAPS-Cだろうがフルサイズだろうがそこまで大きな違いは無いんじゃないかなあ……という感じ。ましてや、自分の場合はほぼブログに貼ったりしておしまいなので、余計に違いを感じにくいのかもしれませんが。

ただ、明暗差がはっきりしているシーンや、色調の表現という意味では確かにフルサイズのがキレイかな、と思います。ただ、それもよくよく見れば、という話。白飛び・黒つぶれしにくいというのは確かにある気がします。

フルサイズのほうがボケやすいというのは間違いなくて、RF24-105LはF4通しのレンズですが、それでも今までAPS-Cだけ使ってきた身からすると十分過ぎるほどボケてくれます。これF1.8とかのレンズで全開放とかしたら、逆にピント合わせづらくて困りそう。まあオートフォーカスが優秀だから大丈夫なのかな。

フルサイズ、というかR6 markⅡにして一番の恩恵が暗所性能なのかな、と思います。フルサイズセンサーで高画素過ぎないR6は暗所に強い、というのはよく言われますが、確かにR7に比べるとISOを上げてもノイズが出づらく、最近だとLightroomなんかにもAIノイズ除去機能が搭載されており、これと組み合わせるとびっくりするくらいノイズが消せてしまうので、躊躇なくISOを上げられるのは大きなメリット。

以下の写真はISO20000超えで撮ったものにノイズ除去をかけたものですが、ノイズ感ほぼ無いですよね。

APS-Cだと、どうしても暗い環境下だと困ることがありましたからね。どんな環境でも安定して撮れそう、というR6 markⅡの安心感は素晴らしい。

鈴鹿サーキットでも使ってみて

そして鈴鹿サーキットスーパーGTの撮影にも使ってみたんですが、これが自分にとっては一番の驚きでした。というのは、R7よりも明らかにブレ写真が減ったから。

いやもちろん、シャッタースピードを低速にしていくにつれブレ写真の量産率は高まっていくんですが、しかしR7だと全滅だろ、という撮り方しても、ある程度撮れてたりするんですよね。私自身の腕前は下手くそなまま変化は無いので、これは明らかにカメラのおかげ。これがオートフォーカス性能の向上のおかげなのか、センサーサイズや画素ピッチが変わったことによるものなのかわかりませんが、この時点でR6 markⅡが大好きになりました。突然スピンするクルマもちゃんと追いかけてくれるのはステキ。

モータースポーツなどの流し撮りをしようと思うと、オートフォーカス性能と同じくらい重要なのが連射速度。下手な鉄砲数打ちゃ当たる理論で、枚数が多いほうがどれか当たっている可能性が高まりますからね。メカシャッター(電子先幕も)の連射速度は、実のところR6 markⅡが秒間12コマなのに対して、R7だと秒間15コマと、R7のが勝っているんですよね。ただまあ12コマでも十分速いとは言えますし、電子シャッターなら秒間40コマとR7を上回ります(R7の電子シャッターは秒間30コマまで)。

流し撮りに電子シャッターを使うとローリングシャッター歪みが出る(R3みたいな積層型CMOSセンサー積んでる機種は別)ので嫌う人も多いようですが、これはまあどこまで妥協できるかの問題ともいえます。プロカメラマンなら歪みが出ている写真なんて絶対NGでしょうけど、趣味の写真なので。あと、R6 markⅡはR7に比べるとだいぶローリングシャッター歪みがマシになっている感じはします。

以下の写真は過去にR7でスーパーフォーミュラをヘアピン立ち上がりで撮影したものですが、そこまで大きくカメラを振っているワケでもないんですが後ろのスポンジバリアが大きくぐにゃっと歪んでます。これはさすがに気になる。

以下は同じくヘアピンの立ち上がりでスーパーGTを撮影したもの。画角とかぜんぜん違うので直接の比較は難しいんですが、背景のフェンスの支柱など、歪んでいるのは歪んでいるんですが、個人的にはこれくらいなら許容範囲かなと思います。どうせブラしている背景だし。許せない人もいるかもしれませんが……。

以下は2コーナーの立ち上がり。これもそんなに歪みは気になりません(個人の感想です)。

写っているもの次第かなと思うところもあって、例えば以下はS字で撮影したものなんですが、場内スピーカー用の支柱がナナメに歪んでいるのがわかります。これはさすがに気になる(そもそもクルマの手前に支柱が映り込んじゃってる時点で失敗なんですがそれはさておき)。

なので、まずは撮影場所でカメラのセッティングをしたあと、電子シャッターで撮ってみて写り方をチェックし、許せるようならそのまま、許せないのなら電子先幕なりメカシャッターなりに切り替える、という感じで良いんじゃないかなと思っています。とか言いつつ、先日のスーパーGTは全部電子シャッターで撮っちゃったんですけど。正直電子シャッターのが撮りやすいし、メカシャッターみたいに物理的な耐久性を気にしなくて良いというのもメリットですよね。気兼ねなく連射できるのは正義。

焦点距離の話

フルサイズカメラを鈴鹿サーキットで使用するに当たり、手持ちのレンズで焦点距離が足りるかどうかというのは気になっていたんですが、私の持っている望遠レンズ(RF100-500mm F4.5-7.1 L IS USM)でだいたいは事足りるかな、という感じ。ヘアピンやS字、逆バンクあたりは問題なくて、スプーンも進入のあたりを撮る分には余裕。足りないとしたら2コーナースタンドからホームストレート方面を狙いたいとかそういう場合かなと思いますが、その場合はテレコン使うなり考える、という感じになるでしょうか。ただ、RF100-500mmの場合テレコン付けると広角側が300mmからしか使えなくなるという難点があるので、あまり使いたくない……。

今だとRF200-800というとんでもない望遠レンズもありますが、これも主に電車に乗って鈴鹿へ行っている身としては、あまり持っていきたくないレンズではある(ていうかカメラリュックを新調しないとたぶん入らない)。そもそもRF200-800の値段よりR7のボディの値段のが安いので、このレンズ買うくらいだったらR7のボディをテレコン代わりにもう一度買い直したほうが良いという説まである(?)。ただ、R6 markⅡの使いやすさを知ってしまうと、R7には戻りにくいかなー。R7 markⅡっていつ頃出るんでしょうか。

あと問題はF1日本GPを見に行くときで、F1のときって土日はカメラマンシート以外は大型の望遠レンズ持ち込み不可(全長26cm以内)なので、RF100-500mmは使えないんですよね(守ってない人も結構目につくので、もっと周知したほうが良いと思う)。フードを外したRF70-200 F4だとギリセーフなんですが、フルサイズとの組み合わせだとさすがに焦点距離厳しそう。意地でもカメラマンシートを確保する、という考え方もありますが、悩ましいところです。今だと、LightroomなどにのAIノイズ除去と同列の機能としてスーパー解像度(AIを使ってRAWデータの解像度を2倍にする)なんていう機能もあるので、これを活用することも考えても良いのかもしれません。

逆に広角側に強いのはフルサイズの強みなので、小三元の広角ズームもいずれ欲しいな、なんて思ったりもします。去年RF70-200 F4は購入済みで、今回レンズキット買ったことでRF24-105 F4も手に入ったので、あとRF14-35 F4が手に入れば小三元が揃いますし。大三元が欲しいと思ったことは無いです、今のところ(高いし重いので)。RF14-35は来年あたりキャッシュバックキャンペーンが開催されているタイミングで買えればなあ、なんて思っていますが、もしさらなるレンズの値上げが発表されてしまったら値上げ前に慌てて買うかも。わりとCanonさんって為替などの影響による値上げに躊躇しないイメージがあるので。

逆に、なぜかR6 markⅡのボディが不意に値下げされたもんだから、これはR6 markⅢ発売フラグではないか、という声も耳にしますが、さすがにちょっと早すぎるのでは……という気がします。R5はまだこれからmarkⅡが発表されるというところなのに。

そんなこんなで

結果的にR7を丸2年経たないうちに乗り換えてしまったのは少々もったいなかったかな、という気もしますが、R6 markⅡの満足度が高いので結果オーライかな、という気もします。正直、昼間に風景写真を撮るくらいの用途だったらフルサイズのカメラって要らないんじゃないかな、と思いますが、暗いところや動いているものなどを含めて「何でも撮れる」という万能性がこのカメラの最大のウリなのかな、と。バッテリーもちもR7よりやや劣る程度なので、風景撮るくらいだったら予備バッテリーなしでも十分いけます(サーキット撮影はさすがに予備1本は欲しい)。

非常にバランスの取れた性能を持つカメラなので、これは長く使えそうだなと思います。

結果的に、このカメラに30万円をぶち込んでしまったので、以前から興味津々だったApple Vision Proの購入は見送ろうかな、という感じです。ていうか、Apple Care+の加入や視力矯正のレンズ代も考えると70万円以上するコトになってしまい、興味半分で買うにはさすがに躊躇する値段ですし……。カメラについては、なんやかんやサーキット行くときや遠出するときには欠かさず持っていくようになっており、アイテムとして定着しているのである程度高い値段を払っても良いかな、と思えたところはあります。Vision Proはねー、生活に定着するかどうかわかんないからねー……(定着するのは、長時間の装着が苦にならないようになってからだと思っている)。