大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

プロブロガー(量産型)

「Hagex-day info」さんの「プロブロガー」記事を読んで、巷にはびこる「プロブロガー」についてなんとなく思ったコトなど。

私は「プロブロガー」を自称する(あるいは志向する)人のブログで定期的に読んでいるところは無いんですけど、はてなブックマーク経由でたまに覗いたりするコトはあります。ただ、そうして目にするブログってイマイチ興味が持てないというか当たり障りが無いというか毒にも薬にもならないというか、まぁなんかそんな感じのが多いなぁとは思っておりまして。Hagexさんの記事はまさに「あるあるネタ」ですね。

でも、「プロブロガー」を名乗っている以上はブログでそれなりの収入があるんだろうし、というコトはそれなりにたくさんの人に読まれているハズで、アクセス数で言うならばプロブロガーさんから見た私のブログなど「戦闘力たったの5か……ゴミめ……」という感じのハズです。

でもなーんか読んでて残念な感じがするのはなんでかなぁ、と考えてみると、すごく「量産型」臭がするんですよね。いやね、私としては個人ブログの面白さってそのブログ主の個性にあると思ってて、ブログ主の知見だとか価値観だとか感性だとか性癖みたいなモノが垣間見える記事って面白いなぁと思うんですよね。

ところが、「プロブロガー」な人が運営しているブログって、なんか似たり寄ったり感が強い。ブログのデザイン、構成、話題のチョイス……etc。んで、記事の内容も多少ブログ主の好みに応じた味付けがされていたりはするものの、概ね当たり障りの無い言葉でまとめられている気がしてて。

なんでそうなるかって考えてみると、そうした「プロブロガー」界隈では「プロブロガーになるためのノウハウ」みたいなのが確立していて、そのノウハウをそのままトレースしている人が多いから、似たり寄ったりになっちゃうんじゃないのかなぁと。

今「プロブロガー」っていうと、某北○鮮の如く挑発的な言動で周囲に波風を立て注目を集めてるイケダハヤトさんが思い浮かびますが、その他多くの「プロブロガー」はネタフルさんの系譜になるんじゃないかと思うんですよ。主な話題はIT・ガジェット(Appleメイン)/食べ物/旅行記/ときどき芸能ネタ、更新頻度を重視し1つ1つの記事の分量はぼちぼち程度。

イケダハヤトさんは「自分自身がコンテンツ」と言い切り、炎上上等の体を張ったネタを繰り返しPVを稼いでいますが、凡人がこんなのをマネてしまったら精神的に持ちません。対して、ネタフル方式はそのノウハウが比較的わかりやすく、体系化されており、マネしやすい。本まで出てるし(私は読んだコトないけど)。

必ず結果が出るブログ運営テクニック100 プロ・ブロガーが教える“俺メディア
リエーター情報なし
インプレスジャパン

実際、この手のブログは結果を出しやすいと思います。日常的にネットユーザーが読みたがるネタをパッケージングして、検索に引っかかりやすくするためにタイトルやサイトの構成を工夫して、文字ばかりにならないようスタイルシートや画像や見出しを適宜付けて……みたいな部分を抜かりなくやっていければ、アクセス数は伸びていくと思うし。そこには文才やディープな知識は必要ない(マメさは必要だけど)。

つまり、独自の面白いコンテンツを作成する能力が無い人でも、ある程度稼げるブログを作れる(可能性がある)。ただ、元になっているノウハウが同じであるため、当然ながら似たり寄ったりのブログが増えていくコトになります。

あと恐らく必要になってくるのは「WEB上の人脈」で、つまり既にそれなりの規模となっているブログ主さんと懇意になり、ソーシャルメディアやブログ上で自分のブログも紹介してもらえるようにするコト。2chまとめブログなんかも運営者同士の寄り合い所帯があるとか、相互RSSに入れて貰えるかが勝負みたいな話がありましたが、そうやって同じ界隈でアクセスを融通し合うというのは一番確実にアクセス増やす方法なんじゃないかと。

このネタフル方式プロブロガー界隈でも「○○さんのブログのこの記事がスゴイ!」とか「オフ会やりました」的な記事をちょいちょい見るんですが、それは単に仲が良いとか以上に、実利的なモノが含まれているよーに見えてなりません(ゲスの勘ぐり)。で、そうなるとお互いのやり方をマネし合ったり、「□□さんに影響されて、僕もこのアプリ使い始めてみました!」みたいな記事が書かれてますます似たり寄ったりになるワケです。

そうやってアクセスの流入経路を確保できれば、記事の中身は当たり障りの無いモノで十分なはず。ITやガジェットのニュースを商業ニュースサイトから引っ張ってきてちょいと「これは期待!」程度のコメント付けたり、あとはMacやガジェット、スマホアプリのレビューや使い方紹介してみる程度で。

旅行記や食べ物ネタも「楽しかった!」とか「美味かった!」程度で十分。どうせgoogleも「その記事は読み応えがあるか」なんてところまで判定してないだろうし(でもそのうちできるようになるのかも)、読者が知りたいのも「ニュースの概要」「便利なアプリやその使い方」「美味しいお店のメニューと場所」程度でしょうし。

要はアレなんですよね、PC・ガジェット・グルメなんかの情報誌の上澄みをすくって再パッケージしている感じ。それを、決められたノウハウに従ってブログに落としている。「プロブロガー」のブログが「量産型」っぽくなっちゃうのは、そういうコトなんじゃないかなーと。なので、コレって「個人ブログ」というよりは「雑誌や商業サイトの縮小再生産」とでも言うべきモノになっちゃってる気がするんですよね。

いち早くそのスタイルを確立し、ノウハウを体系化してみせた「ネタフル」なり「和洋風KAI」といったサイトは確かにスゴイんですが、ノウハウが確立されたがゆえにそのフォロワーがたくさん生まれ、似たようなブログがジムかボールの如くWEB上を彷徨っているのが今の状況なんじゃないかと。

別にそういうブログがあっても良いし、それでメシが食えるなら大いに結構とは思うんですが、そういうブログ主ばかりが「プロブロガー」を名乗るのはなんか寒いなぁ……と思うのでした。かといって、イケダハヤトさんが「日本のプロブロガー代表」みたいになっちゃうのもアレなんですが。

蛇足ですが、こういうのって先行者が一番有利なのは言うまでもなく、後発になればなるほど稼げなくなっていくかと思います。既存のノウハウを取り入れながらも独自性を出して「いずれ『ネタフル』超えてやる」くらいの気概が無いと、遠からぬウチに淘汰されていくんじゃないかなぁ。

「サラリーマンやるのイヤになっちゃったから、プロブロガー本でも読んでブログで生活したーい」程度のノリの人はマジで止めといたほうが良いと思います、きっと。