大須は萌えているか?

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小野寺浩二・石黒正数の『ソレミテ』シリーズがステキ

それでも町は廻っている』が終わってしまいました。

それでも町は廻っている 16巻 (ヤングキングコミックス)
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少年画報社

基本的にマンガ雑誌は全然読まず、好きなマンガは単行本でのみ読んでいるため、この16巻の発売ちょっと前にこれが最終巻と知り「な、なんだってーーー!」状態になっておりました。オチのつけようが無いマンガだと思っていたため、もう作者が倒れるまでずーっと続くものだとばかり。しかし、それを逆手に取ったかのような最終回はお見事でありました。

……と、それはさておき、今回はちょっと別の作品の話を。『それ町』16巻と同時に発売された、『おばけ道』ってコミックがありまして。

おばけ道 (ヤングキングコミックス)
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少年画報社

こちら、『それ町』の石黒正数が企画・原案を担当し、オカルトとメガネっ娘が大好きなマンガ家・小野寺浩二が執筆を担当しているルポマンガ。この作品に先んじて、同じコンビによる『ソレミテ~それでも霊が見てみたい~ 』というコミックが全3巻で出ており、『おばけ道』は実質その続編に当たります。

ソレミテ~それでも霊が見てみたい~ (1) (ヤングキングコミックス)
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少年画報社

この『ソレミテ』がどういう内容のマンガかというと、小野寺浩二石黒正数、それに少年画報社の編集者何名かが「出る」と評判の心霊スポットに実際に出掛けるなどして、幽霊と遭遇しようと奮闘する(?)様を描いたもの。小野寺浩二石黒正数の2人とも、オカルトは好きなんだけどオカルト的な現象に遭遇したコトが無く、かといって巷に溢れるいかにも作り話っぽい怪談話を無批判に信じるコトもできないもんだから、信じるコトができるように自分たちから幽霊に会いに行こう(会った時点で連載終了)というアグレッシブさが光る作品であります。

この作品における2人のスタンスは個人的に大いに共感できるところでして。私もオカルトは結構好きで、かつて『MMR』で登場したスポットを訪れるために青森県まで行ったりもしてる(⇒ 夏の青函連絡ツアー その2:青森・秋田でMMR聖地巡り)んですが、残念ながらキバヤシもぶったまげるようなオカルト現象には遭遇したコトがありません。かといって、テレビに出てくるようなオカルト信奉者の荒唐無稽な与太話を信じるコトもできず、日々悶々としておるわけです。

そしてこの『ソレミテ』という作品、マンガの演出上多少「盛ってる」ところはあるかもしれませんが、大部分は実際に取材した内容をそのままマンガにしているものと思われます。なにせ、評判の心霊スポットと聞いて出掛けてみたら思いのほか明るくて幽霊なんて出そうにない雰囲気だったとか、同行した人が「なにか」を見たと主張していても小野寺・石黒コンビは何も見ていなかったとか、そんな調子の話が続いてとうとう幽霊見れないまま終わっちゃうんですから。

ぶっちゃけ、マンガのストーリーとしては甚だ盛り上がりに欠ける内容の嵐なんですが、「だからこそ」面白かった……というか、共感できたんですね。ああ、この2人は真面目に幽霊に会いたいのに会えないのだと。わかる。超わかる。

そんな調子で『ソレミテ』が終わってしまったので、さすがに続編は無いんだろうなぁ……と思っていたら、『おばけ道』なんてのがひょこり発売されていたので嬉しくなって買ってしまったのですよ(なお、いずれもKindle版も出ているものの、この作品のコンセプトのステキさ加減に敬意を表し書籍版を購入)。

ただですね、『おばけ道』は『ソレミテ』とちょっと毛色が違うと申しますか、心霊スポットに行きまくるワケではなく、幽霊を見るコトができるように2人が第六感を磨くトレーニングをする(ESPとかダウジングとか)のがメインの内容となっております。そういうのもアリっちゃアリなんですが、なんか企画的に行き当たりばったり感が強く、『ソレミテ』のスピンアウトと言いますか、オマケという感じがしなくもないです。

しかしながら、『ソレミテ』のコンセプトがまだ死んではいなかったコトは素直に喜ばしく、できればさらに何らかの形でこのネタを引っ張っていって頂けたらと願ってやみません。

ちなみに、私が人生で遭遇した最大の恐怖体験は、愛知県内では有名な心霊スポットである真夜中の旧伊勢神トンネル(⇒ 旧国道153号線 伊勢神隧道)に知人の運転するクルマで出掛けた際、旧道のカーブでクルマのブレーキが効かずに崖から転落しそうになった(ギリギリのところで止まった)コトかな。3月初旬くらいだったから、路面が少し凍結していたっぽい。……こういうのを素直に霊の仕業だ!なんて信じられないから、もっとハッキリしたヤツに遭遇したいんですよ、ええ。