大須は萌えているか?

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F1[17] アゼルバイジャンGP 決勝

昨年は思いのほか決勝の波乱が無かったので油断してました、F1アゼルバイジャンGP決勝。

予想外すぎる表彰台

1位リカルド、2位ボタス、3位ストロールってなんですかこの表彰台。レース前に予想できたとしたら2位のボタスくらいでしょう。しかもそのボタスもスタート直後にライコネン接触、順位を大きく失って周回遅れにすらなっているワケで、そこから2位まで盛り返してくるなんて誰も思わなかったでしょうに。

優勝したリカルドも、デブリを拾って早すぎるピットインを強いられて17番手まで転落してますしね。ストレートラインスピードがモノを言うこのコースで、17番手まで落ちたレッドブルが優勝するってね。リカルドはレース中盤のセーフティカー3連発のタイミングを上手く使って2度目のピットストップをこなしつつ、リスタート後に順位をポンポン上げ、赤旗中断時に5位までジャンプアップ。

これだけでも十分スゴイんですが、優勝を決定づけたのは赤旗リスタート直後の1コーナーブレーキングでウイリアムズ2台とヒュルケンベルグをまとめて出し抜いたコトでしょうね。他のドライバーがレイトブレーキングを躊躇うタイミングでのあの勝負の出方、さすがリカルドでした。リカルド自身もあのブレーキングが勝負の決め手だったとコメント。

The last re-start was the most important and I think it was Stroll, Hulkenberg, Massa and me, all nearly four wide but I managed to get third and I think that was, in a way, the winning move.

via: Daniel Ricciardo : What the teams said - race day in Azerbaijan

もちろん運に恵まれた部分も大きいんですが、その運を活かして勝利を得られるポジションに付けていたのはリカルドがレース巧者であるが故でしょうね。

そして表彰台の面子で一番意外だったのは間違い無くストロール。地元カナダで初入賞を果たし、ここからが真価の問われるところかな、と思っていたらいきなり表彰台に上るとは。もちろん彼も運に恵まれていたのは間違いないですが、それでもレースペースは一貫性があったし、終盤表彰台を意識して思わぬミスを犯したりしないだろうな、とハラハラしていましたがそつなくまとめ上げましたし。堂々たる走りでした。

トロールはドライバーオブザデイにも選ばれていましたが、アレってぶっちゃけ「お前がそこまでやるとは思っていなかった、見直したぜ!」ってファンの声が大きかったんじゃないかと思ってます。こちらも単なるラッキーだけじゃない感じがしたのは良かったですね。ストロールパパも感無量でしょう。

ベッテルの悪いクセが出た

そしてある意味表彰台以上に印象的だったのは、ハミルトンとベッテルどつき漫才(?)。いやハミルトンは一方的にベッテルにどつかれた立場ですが。

Hamilton: Vettel disgraced himself with clash(動画有)

ヘルメット脱いでるときのベッテルは気さくな兄ちゃんといった感じのベッテルですが、タイトル争いに色気が出てくるとエキサイトしすぎるクセが出てしまうのは治ってませんでしたね。しばらく彼がタイトル争いからは離れていたので忘れかけてましたが。ウェバー相手にやらかしてた頃からそこら辺は変わってない……。

ハミルトンが「ブレーキテスト」をしたと言いがかりを付けるのもアレですが、さらに横に並んでタイヤをぶつけるのは明らかにやりすぎ。レーシングドライバーとしてはあるまじき行為だし、過去そんなコトをやったワールドチャンピオンなんて……いや鈴鹿の1コーナーで意図的にぶつけてタイトルを決めた人とか、ヘレスでタイトルを争っている相手に抜かれそうになった瞬間相手の土手っ腹目がけてタイヤぶつけた人とか居るな……。

しかしまー、こういうドライバーのダークな感情の発露も、観てる側としてはある種見物だったりはするんですけどね。あまりに危険な行為はやめてくれって思うけど。こういうの見てると、やっぱりレースってマシンだけじゃなくて、人間の争いなんだなーって思います。やっぱりね、この世界一の座を争う人間のエゴっていうかね、そういうのは見ててゾクゾクします。悪趣味かもしれないけど。

どつかれたハミルトンはベッテルを批判しながらも紳士的な態度を取っていますが、彼も勝利のためならかなりエグいコトやりますしね。近代のF1で「良い奴」は何度も何度もワールドチャンピオンになるコトはできないんですよ、だからロズベルグもバトンも1回タイトル獲ったらもう満足して辞めちゃった。

しかしこれ、タイトル争いがシーズン終盤までもつれていったりしたら、どんな状況になるのやら……いやー楽しみ、いやさ心配ですねぇ。

そのほか

あと接触といえばフォースインディアがまたチームメイト同士で遺恨の残るようなコトやっちまいましたね。

Crash cost Force India potential victory - Perez(動画有)

まーたしかに、赤旗時点のフォースインディアの2台が、マッサの後ろ4番手5番手に居たコトを考えると、勝つチャンスあったんですよね。いやーもったいない。クラッシュのシーン見ると、オコンが余分に右に寄せているようにも見えますけどねぇ……。これも2人のドライバーの腕が高いレベルで拮抗しているが故のトラブル、チームにとっては嬉しいのと頭痛いのが半々くらいといった感じでしょうか。

そういや、ザウバーもウェーレインとエリクソンがあわや同士討ち、というシーンもありましたが……。後ろからバンドーンが迫っていたコトもあり、結局チームオーダーでペースの良いウェーレインを先に行かせて彼が10位でポイントゲット。このレース前にモニシャ・カルテンボーンが突如解任されてしまいましたが、その理由として噂されたのがドライバーの処遇を巡って意見の対立があったというもの。

情報筋によると、カルテンボーン退任の背景には、ウェーレインよりエリクソンを優遇するというプランに反対したことが問題となった可能性があるという。エリクソンを強力にバックアップするスタンスがあったという意見をザウバーは否定しており、エリクソン自身も同意見である。

via: ザウバーF1ドライバー、突然のチーム代表退任に驚き。理由については「ノーコメント」とウェーレイン

このレース結果は、チーム側の見解を補強する格好となりましたが……さて今後はどうなる?

最後に、マクラーレン・ホンダアロンソがこの高速コースでまさかの今季初入賞。それは良かったんですが、レースの終盤アロンソがマシンの不調を訴えてペースが落ちるシーンもあったりして、ちょっとヒヤヒヤ。ただ、それでもアロンソやブーリエのコメントは冷ややかですねぇ。

アロンソ「本当なら勝つべきレース」。望外の入賞もペース不足を嘆く/F1アゼルバイジャンGP

うーん。なお、長谷川さんのコメントによると終盤のアロンソのペースダウンはトラブルというワケではないそうで。

確かにここはデプロイが足りなくなるので、直線でバッテリーが切れますが、それはトラブルがあったわけではありません。それはほかのマシンも同じで、トロロッソのマシンに対して、われわれが早くバッテリーが切れていたとは思っていません。

via: マクラーレン・ホンダ密着:サバイバルレースを生き残ったアロンソが待望の初入賞も課題を残す- F1速報公式サイト -

なんかマクラーレンとホンダの温度差がロコツにコメントに現れてきている気がするんですが。