大須は萌えているか?

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個人的な『マクロス』の思い出

NHKでやってた『歴史秘話 マクロスヒストリア』を観ながら、なんとなく思い出していたコトをつらつらと。あ、予めお断りしますが、単なるおっさんの思い出話です。

私は初めてリアルタイムで観たガンダムZガンダムで、初代は再放送で観た世代なんですが、そもそもマクロスを初めて知ったのがいつ頃だったのかよく覚えていません。初代マクロスをリアルタイムで観ていた記憶は無いし、『愛・おぼえていますか』も当然ながら劇場公開当時は観ていません。

ただ、ファミコンでリリースされたゲームをやっていたのはハッキリ覚えており、ひょっとしたらコレが初めて触れたマクロスだった可能性も否定はできません。なお、ゲームは自分のモノではなく、当時入り浸っていた知り合いの家にあったものです。それと前後してアニメ版もちらっと観たような気がするんですが、なんかあんまし印象に残ってないんですよね。

(……おかげで、初代マクロスで一番記憶に残っている歌は『小白龍』だったりします。ファミコン版のBGMだったので)

当時は『Zガンダム』、『ガンダムZZ』、『逆襲のシャア』と毎年のように新しいガンダム作品がリリースされ、それと前後してSDガンダムもブームになって、当時小学生だった自分の身の回りではとにかくガンダムが強かったように思います。

一方でマクロスは、子供から見るとピンと来ない部分が多かったような。バルキリーのデザインはとてもカッコ良く見えたんですが、歌・アイドル・三角関係といった要素は子供心にまったく響かず、なんかよくわからないもの、としか思ってなかったような。今思えば、初代ガンダムZガンダムの内容もロクに理解できていなかったよなーとは思うんですが、新しいコンテンツ(モビルスーツ)が絶えず供給されていく、加えてSDガンダムのように子供向けにわかりやすいバリエーションも存在していたコトが大きかったかもしれません。マクロスは、初代以降しばらく新作アニメの供給がありませんでしたしね。

そして90年代に入ると、『マクロスⅡ -LOVERS AGAIN-』や『マクロスプラス』といった新作OVA作品が登場するワケですが、これまた全然興味ありませんでした……っていうか、当時の自分、コアなアニメオタクってワケでも無かったので(いや今もそんなにアニメ詳しくは無いんですが)、OVAシリーズなんて全然チェックしてませんでしたし、初代マクロスにピンと来なかったもんだからアンテナも張ってませんでした。

それでも、10代の中頃にレンタルビデオかなんかで『愛・おぼえていますか』は観たと思うんですが、この時もあんましピンときませんでした。そもそも、リン・ミンメイがあんまり魅力的に映らなかったんですよね(直球)。ああいうちょっと気まぐれなタイプの女の子、というのの魅力が良く分かんなかったというのもあるし、美樹本晴彦の絵柄が好みではなかったりと、まあホントにめちゃくちゃ個人的な好みの問題なんですけど。あとやっぱり、歌が戦争終結のカギになるという設定が飲み込めなかったかな。「んなアホな」って思っちゃって。

マクロスって、ヤマトやガンダムを視聴者として観てきた世代が作り手に回って出来た作品、なんていう言われ方をされますが、それゆえに「オタクが、オタクのために作った最初期の作品」という言い方もできると思うんですね。んで、マクロスの内容ってヤマトやガンダムといったそれまでのSFアニメ作品群が辿り培ってきた文脈や、当時のアイドルブームといったオタク世相を踏まえて観るととても面白い、つまりオタクが大好きな「ハイコンテクストな作品」だったんじゃないか、という気もしてまして。

当時の自分、そういったオタク素養は皆無に等しい状態だったので、マクロスがピンと来なかったというのはその辺が大きかったのかな、という気がしたりもします。その後、知り合いが『マクロス7』にめっちゃハマってしまい、そいつの家で昼夜を徹した視聴大会が開催されたりもしていたんですが、このマクロスのコンセプトをさらに悪ノリさせたかのような戦闘シーンには当時の自分、唖然としておりました。なんやねんこの歌の押し売りは。

なお、その知り合いは『機動武闘伝Gガンダム』にもハマっており、こっちも一気見させられたんですが、自分のしっている富野ガンダムの世界からはあまりにかけ離れた展開にこれまた唖然としてしまいました。なんやねんこの師匠は。今ではむしろGガンダムは好きな作品のひとつなんですが、当時の自分はこういう「一周回って面白い」という感覚は頭のどこにもなかったワケですね。

マクロスという作品を改めて意識して観てみようと思ったのは、2000年以降になってからじゃないかなあ。確か、当時プレイしてた『スーパーロボット大戦α』だかにマクロスが参戦してて、それで改めて気になったような。んで、ロボットアニメの歴史におけるマクロスの立ち位置みたいなものを考えながら観てみたら面白くなった、という感じ。

自分の中ではそんな経緯があるので、マクロスってある程度の「オタク的教養」が問われる作品である、というイメージが強いです。まあこれはあくまで個人的な経験談なので、特になんの予備知識も無しにマクロスシリーズ観て楽しめる人も数多くいらっしゃるコトとは思います(むしろそっちのが多数派?)。

なお、マクロスシリーズで唯一BDを購入したのが『マクロスF』のテレビシリーズなんですが、これ確か『マクロスF』ってテレビアニメとしては初めてDVDとBDを同時発売したんですよね。加えて、このシリーズがテレビ作品としては当時かなりハイクオリティな映像表現が用いられていたので、そこに魅せられたっていうのが大きかったかな。まあ『キラッ☆』が良かったのも否定はできない。