大須は萌えているか?

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F1[23] アブダビGP 決勝

長かった2023年シーズンもこれにて終了……ですが、来月には翌年分の日本GPのチケットが発売されるわ、そして3月の頭には来季の開幕戦が開催されると考えると、シーズンオフというものがほとんど存在しないような気分にもなります。そんなワケで、F1最終戦アブダビGP決勝のお話。

レッドブルにとっては記録的なシーズンに

今年の強さを象徴するかのように、最終戦もフェルスタッペンが危なげない走りでポールtoウィン。オープニングラップでルクレールが食らいついて見せましたが、バトルがあるとしたらそこくらいでしたね。同一サーキットでの4年連続ポールtoウィンという記録はセナとシューマッハがそれぞれスパとカタロニアで達成しているだけとのことで、また新たな記録を打ち立てた格好に。

今シーズンを振り返ってみてもフェルスタッペンの強さは圧倒的で、

Verstappen ends the year with records for the most single-season wins (19), most consecutive race wins (10), most podium finishes (21), highest points total (575) and largest championship-winning margin (290).

via: FACTS AND STATS: Verstappen becomes first driver in history to lead 1,000 laps in a season | Formula 1®

年間19勝に表彰台21回なんていう記録はさすがに今後塗り替えられることはないんじゃないかという気がします。これチームじゃなくて個人の記録だし。ペレスも決して悪いドライバーじゃないと考えると、フェルスタッペンがいかに突出しているかというコトがわかるワケですが、それだけにフェルスタッペンのチームメイトにワールドチャンピオンクラスのドライバーを据えたら面白いんじゃないか、という妄想が膨らむというのはありますね。ハミルトンがレッドブル入りするのでは、なんていう噂も出ていましたが、それもそういう妄想の一環なのでは。

シーズン後半に見せたマクラーレンの速さなどを見ると、来季はさすがにここまでレッドブル(というかフェルスタッペン)がシーズンを制圧することは無いんじゃないかと思いたいんですが、さてどうなりますか。

角田にとってもキャリアベストのレースだったのでは

今回のレースは、アルファタウリのフランツ・トストが一線を退く一戦でもあったワケですが、それだけに予選で6番手を獲得した角田への注目度はより一層高かった気がします。結果として角田は8位フィニッシュに終わり、チームも残念ながらコンストラクターズランキングでウィリアムズの上に出ることは叶わなったワケですが、しかしレースの内容としては角田のF1キャリアの中でもベストと言って良いレースだったんじゃないかと思います。

トストは角田が1ストップではなく2ストップを選択していれば6〜7位になれたはずだ、みたいなコメントをしていますが、しかし周りの上位チームと同じ戦略で戦うよりも、多少ギャンブル味がありつつも違う作戦をトライしてみるというのはアルファタウリとしては間違った方法では無かったと思いますし、その中で角田は可能な限りの最大限のパフォーマンスを絞り出していたように思います。ロングランのデータも不足していたんでしょうし。

それに、1ストップ作戦だったおかげで角田がリードラップを取るシーンを見られたのは、それはそれで良かったかなと。しかし、日本人ドライバーがリードラップを記録するのって佐藤琢磨以来19年ぶりのことになるんですねえ。あのときの琢磨は日本人ドライバーとして初めてフロントロウからのスタートをしたりもして、「日本人ドライバーがF1で優勝する日はそんなに遠くないのかも」なんて期待を抱かせるものでしたが、それが19年前ですか……。

角田が優勝を狙える立場になろうと思ったら、なんとかしてレッドブルのシートを勝ち取るしかないんじゃないかと思いますが、どうなんですかね、2024年シーズンを通してコンスタントにリカルドを凌ぐ走りを見せればお声がかかることはあるんでしょうか。2026年からホンダがレッドブルとはライバル関係になるので、角田の立場もどうなるのか心配ではありますが、ただ来季も角田を起用するということになったというコトは、25〜6年についてもホンダの意向よりもレッドブルの意向が優先される、みたいな取り決めができている、というコトだったりもするんでしょうか。

今回のレースで角田はDRIVER OF THE DAYにも選出されましたが、来季もこのような活躍を見せれば、レッドブルが角田を起用する……なんていうコトになるのか?まあそうなった場合、「世界最強ドライバーの同僚」というそれはそれで難儀なポジションをこなさなければならんのですが……。

DRIVER OF THE DAY: Tsunoda gets your Abu Dhabi vote after superb strategic drive to P8 | Formula 1®

忘れられていたハミルトン

あと今回印象的だったのは、ルクレールが終盤になってペレスを手助けしようとしていたシーンですかね。ルクレールが2位、ラッセルが3位になったのではコンストラクターズランキングでメルセデスを逆転できない(2位と3位のポイント差は3点、メルセデスとのコンストラクターズポイントが4点差)というコトで、5秒ペナルティを食らっていたペレスをなんとか3位にするべくDRSを使わせてタイムを稼がせようとしていたという話ですが、この時点でハミルトンの存在がすっかり忘れ去られていた感があります(実はハミルトンの順位も確認していたのかもしれませんが)。

結果的にハミルトンが9位入賞という形に終わったので、もしラッセルが4位に終わっていた場合ハミルトン2ポイント+ラッセル12ポイントで14ポイント、ルクレールは18ポイントでちょうど4ポイント差を埋めて同点という格好になり、そうなると今季優勝を記録しているフェラーリのほうがランキングとしては上、というコトにはなります。

ただ、ファイナルラップでハミルトンは一度角田をオーバーテイクしており、もしそのままチェッカーを迎えていた場合、ルクレールの作戦が上手く行っていた場合でもメルセデスの勝ち、というオチになっていたというコトでもあります。ちょっとそのシーンを見てみたかった気もする。まあ、ハミルトンは角田を一瞬オーバーテイクしたものの、オーバースピードでコーナーに入ってしまい角田に再度抜き返されるワケですが。あのシーンは角田も冷静に見てましたよねえ。

まあハミルトンも自身の順位をひとつでも上げることがコンストラクターズ2位の防衛に繋がるとわかってて必死にプッシュしていたのかなと思うんですが、このハミルトンの悪戦苦闘ぶりも今シーズンを象徴するかのようなシーンとなってしまいました。

メルセデス常勝時代が終わったかと思ったら今度はレッドブル常勝時代となり、なかなか複数のチームがガチでタイトル争いを繰り広げる群雄割拠の時代にならないなあ……と思ったりはするのですが、まあ過去のF1を振り返ってみてもなかなか群雄割拠状態のシーズンって少ないですよね。なんとか来年はメルセデスが再びポディウムの頂点に戻ってくるシーンも見たいものですが、今季の状態を見ると果たしてどこまでやれるのかは少々不安ではあります。ハミルトンのモチベーションがプッツンしないといいけど。