大須は萌えているか?

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愛知県からぐるっと一周乗り鉄ツアー その2 終点まで約7時間掛かる列車を乗り通してみる

前回の記事の続きです。

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武田神社

甲府に一泊した翌日、5時すぎくらいに起きてそそくさとチェックアウトし、甲府駅のコインロッカーに荷物をぶち込んで身軽になったところで、駅の北口から一直線に続いている道を歩いて武田神社へ。元々は武田氏の館跡だった場所ですね。

前日に新府城に行った際、ふと「そういえば甲府の武田氏館跡も行った記憶が無いような……?」と思い、朝イチで寄ってみることにしたのです。なんでこんな早朝なのかというと、このあとの予定的にのんびりできなさそうだったからなんですが、早朝となるとバスも無く、駅から30分くらいかけて歩く必要があったためますます出発する時間が早くなったという。

にしてもここ、駅からひたすら真っ直ぐな道(しかも駅からだと緩やかな登り坂が続く)を歩いていくことになるので、妙に遠く感じました。朝から湿度も高かったし。下の写真は、武田神社前から甲府駅方面を見たもの。

ここは武田氏の本拠であったものの、「城」ではなく「館」と呼ばれており、確かに城とは雰囲気が違いますね。周囲に堀を築いたりしてある程度防御を固めていたようですが、新府城に比べると防御が手薄な感じにも見えます。平城だしね。

ただ、ここのすぐ北側は山になっており、そっちに詰城を築いたりもしていたんですね。なので、この館単体ではなく、そうした周囲の城も含めての防衛ラインを構築していたということなんでしょう。さすがにその詰城のほうまで足を運ぶ余裕はありませんでしたが。

この館は東曲輪と西曲輪に分かれていますが、東曲輪のほうは神社の境内として整備されており、昔の面影というのはあまり無い感じ。西曲輪の北側にある桝形虎口や土橋なんかは当時の雰囲気が感じられていいですね。

館の東にある大手には三日月堀もあったようですが、これはちょっと分かりづらいかな……。

適当に見物しているうちに、神社前のバス停に駅へ向かう始発バスが来ていたので、それに乗車して駅に戻ります。空はずっとどんよりしていましたが、なんとか雨が降らずにすみました。

飯田線を乗り倒す

ここからの行程なんですが、まず中央本線で来たルートをしばし戻り、上諏訪まで行きます。そしてそこから乗るのが、飯田線直通の普通・豊橋行き。

飯田線といえば、愛知県の豊橋から長野県の辰野までを結ぶ偉大なるローカル線ですが、なぜか1日に上下線各1本ずつ、上諏訪豊橋を1本で走り切る列車が運行されているんですよね。乗り鉄の皆さんの間ではかなり有名な列車のようで、私はネットでその存在を知り、なんか興味をそそられて乗ってみることにしたのでした。ていうか、新宿まで行く特急「あずさ」が停車するこの駅に、豊橋行きの普通列車が居るのってなんか不思議な感じ。

上諏訪を発車するのが9時22分、豊橋に到着するのが16時16分。乗車時間が7時間近くに及ぶという、近年ではちょっと珍しいくらいの長時間運行列車ですね。ただこれ移動距離的にはたぶん200kmそこそこくらいで、飯田線の駅の多さゆえに時間が掛かるという。途中、数分間停車する駅はあるものの、さすがに列車を離れてご飯を食べに行く余裕はないため、予めコンビニなどで食料と飲み物を調達しておく必要があります。

さすがにトイレは備え付けられていますが、私と同じ目的で長時間乗り通す人もそれなりの人数おり、トイレが使用される頻度も高くなっているため、トイレと同じ車両に乗っておいたほうが良いかもしれません。まあ18きっぷシーズンだからこそかもしれませんが。

飯田線豊橋から飯田までは乗ったことあったんですが、飯田以降の部分は初めて。ましてや普通列車で乗り通すのも初めて。7時間も時間潰せるだろうか、と少々不安ではありましたが、車窓を眺めているだけでも飽きずに過ごせましたね。飯田線って駅ごとに色があるというか、駅や周辺の街の規模も様々だし、住宅街もあれば緑もあり、雄大天竜川の流れもありと、車窓のバリエーションが豊富なのが素晴らしい。

『究極超人あ~る』とのからみで知っている人も結構いるのかな、とは思いますが、飯田線自体が魅力的な路線ですね。あとは秘境駅が多いことで乗り鉄の皆さんからも全国的な人気があるんでしょう。

ただ、さすがにずっと座っていると尻と背中がバキバキになってくるので、数分間停車する駅があったらすかさず降りて、ホームでちょっとストレッチなどするのが良いかと思われます。プロの乗り鉄(?)と思われる方々は、ちょっと停車時間のある駅ではホームに降りて写真撮りまくったりしてましたね。

ずっと列車に乗っていただけではあるんですが、豊橋駅に着いた頃にはなんとも言えぬ達成感がありました。自分もなんか乗り鉄の楽しさがわかってきたのかもしれない……。

カレーうどんを食べて、豊橋鉄道を乗り倒す

豊橋に到着したワケですが、個人的には豊橋に来たら豊橋カレーうどんが食べたくなるワケです。今まで駅ビル内にあるお店で2回ほど豊橋カレーうどんを食べたことがあるのですが、今回はちょっと店を変えてみようと思い、駅の西口を出てすぐのところにある「勢川 西駅店」というお店に行ってみることに。夕方の開店時間が17時からだったので、ちょっとの間駅のベンチで時間を潰してましたが。

ここのカレーうどんはトッピングの具材がいろいろあるようで、とりあえず一番ボリュームがありそうな組み合わせのヤツを頼んだら、なかなかのモノが出てきました。

豊橋カレーうどんって、麺を食べ終わると器の底からとろろとご飯が出てくるという仕掛けになっているので、見た目以上にボリュームがあります。結果、めちゃくちゃ満腹になりました。ひたすら列車に乗っているだけの1日だったのに、ちょっとカロリー取り過ぎかもしれん。

腹を満たしたあとは、再び移動……なんですが、ここからはJRではなく豊橋鉄道 渥美線に乗ります。なぜならこの日の宿は渥美線の終点となる、三河田原駅のすぐ眼の前にあるところを取っていたから。そもそも愛知県在住の身としては、愛知県内でホテルに宿泊するってかなりレアだったりします。

学生は夏休み中でもあるし、電車は空いているんじゃないか……と思ったら意外と高校生や大学生ぽい人らで混んでましたね。部活とかだろうか。

この日の移動経路をGoogle Mapで示そうと思ったものの、Google Mapって鉄道の経路は経由地指定とかできないんですよね。なので、クルマの経路でだいたい同じようなルートを表示してみました。だいたいの雰囲気が伝われば。

伊勢湾を横断する

三河田原のホテルは思いの外宿泊客が多そうだったんですが、ここ仕事で利用する人もかなり多そうな感じですね。ていうか、観光目的で泊まっている人のほうが少数かもしれない。この辺って、トヨタを始めとして工場の集積地帯でもあるしね……。

で、一泊したあとは駅前のバス停から路線バスに乗ります。意外と乗客が多くてビックリしたんですが、途中の停留所でパラパラと降りていき、最終的に私一人の貸切状態になりました。

バスでたどり着いたのは伊良湖岬

当然ここまで来たとなると、そこからはフェリーに乗り込みます。伊勢湾を横断する形で、三重県の鳥羽までだいたい1時間くらいで行くことが可能。

伊良湖からだと、直線距離で考えれば自宅もそんなに遠くないはずなんですけど、ホテルで二泊したあとということもあってか、遠くに来ている感じが半端ない。でも実際は地元の愛知県内にいるというのは不思議な感覚。なんで伊勢湾フェリーに乗ろうと思ったかというと、地元ゆえに逆になかなか乗る機会が無いので、あえて乗ってみようかなと。先に飯田線を乗り通してみたいというのがあって、それで豊橋まで行くならついでに伊勢湾フェリー乗ったら面白いかも、という感じです。

乗船後、船内でさらに400円余分に払うと、通常の客室の上の階にある特別室が利用できるとのことだったので、せっかくなので400円払ってみました。上の階だけあって見晴らしが良いのと、席数も少なめで空間に余裕がありますね。

ただこれ、なにが一番素晴らしいかって客室の外をぐるっと一周する展望デッキがあって、屋外から船の前方の景色を堪能できるところ。眺めは抜群に良いし、海風が気持ちいいしでテンション爆上がりでした。下の写真の前方に見えているのは、三島由紀夫の『潮騒』の舞台になったという神島。

そして鳥羽が近づいてくると、沖合に日本最大のクルーズ船「飛鳥Ⅱ」が停泊してました。陸地にあるマンションよりデカい。

たまにこうして船に乗るとなんか凄く楽しい……。昔敦賀舞鶴から北海道へ船旅したこともありますが、改めて長距離の船旅にも出かけてみたくなりましたねえ。

鳥羽のフェリーターミナルは鳥羽水族館と直結しており、水族館目当ての人は手間いらずで良いですね。そして、外に出てみると水族館の入場待ちでしょうか、とんでもない渋滞ができていてビビりました。

……正直、人気の観光スポットに行く場合は公共交通機関を利用するのが一番良い気がします。そのほうがCO2も削減できますし。

次の記事でラスト(の予定)。