結局レインコンディションでのレースとなり、波乱というかなんというか、という感じだったF1韓国GP決勝。
決勝結果:
2010 FORMULA 1 KOREAN GRAND PRIX - The Official F1 Website
決勝後ドライバーコメント:
Korean Grand Prix - selected team & driver quotes - The Official F1 Website
決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Korea - The Official F1 Website
トリッキーなコンディション
フロントロウを独占したレッドブルにとっては最悪のレース、追うフェラーリにとっては最高のレース、でしたね。それにしても最初は雨で視界が無いままセーフティーカースタート、すぐに赤旗中断。その後再開され、セーフティーカーが外れた後もクラッシュによりたびたびセーフティーカーが入り、最後には日没の時刻となり照明の無いナイトレース状態になるという有様でした。
アロンソは「今までの中で最もトリッキーなコンディションにおける勝利のひとつだろうね」とコメントしてます。ゴール間際はテレビで見ている限りではそれなりの明るさがあるようにも見えたんですが、ドライバーのコメントを見てると皆口を揃えて「暗くて見えなかった」とのこと。マッサは記者会見でステアリングのライト(スイッチやインジケータのものでしょうね)が眩しくてヤバかった、てなコメントをしてます。
It means a good race in very difficult conditions as at the end it definitely was very, very dark. Even though we have a very strong light in the steering wheel, which was very, very strong, it was difficult to see in front as it was coming very strong on your face.
via: FIA post-race press conference - Korea - The Official F1 Website
リウッツィも同様のコメントしてますね。市販車だとヘッドライト付けるのと同時にメーターの明かりを暗くする機能がありますが、F1には当然ヘッドライトも無ければステアリングの明かるさを調整する機能もありゃしません。たぶんこういうアピールはレース中にも無線で伝えていたんじゃないかと思うんですが、レースの打ち切りは検討されなかったんですかねぇ。
テレビで見る限り、コース自体の水はけもかなり悪そうですし、コースサイドに大量の砂(というか泥)があるためにコースオフしたクルマがさらにコース上に汚れをまき散らし、そしてさらに・・・みたいな悪循環。レース走り終わったあとのマシンがダート路走ってきたような有様だったのが印象的。サーキットが未完成であるが故の問題点がモロに出てしまいました。
心なしか、テレビ解説の森脇さんもそのコースの有様に憤っていたようにも見えましたが・・・。未完成なサーキットでレースをやる、と決めちゃったんだから仕方無いコトなんですが、こうした「ふつーあり得ない状況」に於けるFIAのジャッジにはいろいろ疑問が残ります。大人の事情もありそうですが。
もちろん大本の原因である韓国の主催者団体は、来年までに万全の状態にサーキットを整備(スタッフも含め)するのは当然。さすがに1年あればできますよネ?面白いコースレイアウトだけに、この状況はホントもったいない。
どんでん返しのタイトル争い
肝心のチャンピオン争いでは、ウェバーがスピン&ロズベルグを巻き込んでクラッシュでノーポイント、そしてベッテルはエンジンブロウによりこれまたノーポイントで終わり、アロンソがまさかのポイントリーダーに。シーズン中盤あたりではもうダメかと思ってましたが、ドイツGP以降7戦で優勝4回、2位と3位が一回ずつという凄まじい戦績。
ただアロンソはここまでで8基のエンジンを目一杯使ってしまっているとのコトで、もしトラブルで新品に載せ替えなんてコトがあると10グリッド降格ペナを食らうコトになります。そういう意味ではアロンソは信頼性との戦いになるのかも。ウェバーやベッテルがレース後意外とサバサバしてたのも、フェラーリにだってトラブルが起きる可能性はいくらでもあると思っているからなのかも。
レース後のドライバーズポイントはアロンソが231、ウェバーが220、ハミルトンが210、ベッテルが206、バトンが189。バトンのタイトルはもうまずあり得ないと考えて良いレベルですね。
メルセデスが速かったり、ザウバーが頑丈だったり
トップ3チーム以外で、今日最も輝いていたのがメルセデスGP。ロズベルグはウェバーの巻き添えになってしまいましたが、ミハエルは今期自己ベストタイの4位フィニッシュ。鈴鹿で悟りを開いたりしたんでしょうか。
ザウバーはまたもダブル入賞。ていうか、ハイドフェルドが復帰早々ここまでのパフォーマンスを見せちゃうと、デ・ラ・ロサは立場がないというか・・・。可夢偉はこのコンディションでも攻めてたし、それでいてちゃんとマシンをコースに留めていたのは見事ですね。スーティルにぶつけられたのはヒヤっとしましたが、きっちり8位フィニッシュ。ザウバーのマシン頑丈ですねぇ。
可夢偉にぶつけたスーティルは次戦5グリッド降格ペナ。ブレーキトラブルを抱えていたみたいなんですが、それを認識しながらも無茶なバトルを仕掛けたとして罰金まで食らったそうで。ていうかスーティル、コースから飛び出しすぎでしたね。あと、グロックを巻き込んでクラッシュしたブエミも5グリッド降格。
Sutil and Buemi to drop five places on Brazil grid - The Official F1 Website
雨の名手と言われたバトンやスーティルが散々な目に遭う、ちょっと珍しい展開でした。クビサ、バリチェロなんかはきっちり結果出してますけどね。しかしクビサはホント安定感ありますね・・・すごい。
そんなこんなで
今シーズンもこれであと残り2戦。ブラジルではマッサの意地もみたいところです。
今回は韓国の「これはひどい」ネタというコトで、普段F1を見ない層にも注目されてた感じですが・・・こんなコトでF1に注目集まってもなぁ。普段F1を見ていない方にとっては余計にヒドいレースに見えたかもしれませんが、まぁレインコンディションのヒドいレース自体は珍しいってワケでもないですよ。日本でだって何度かありましたし。
記者会見で「経験してきた中で一番ヒドいレースコンディションだった?」と尋ねられたハミルトンも、「もっとヒドいコンディションのレースもあるよ」とコメントしてますよ。「たぶん一番暗かったけど」とも言ってますけどね?