大須は萌えているか?

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『プラナス・ガール』に見る「男の娘」の魅力

ガンガンJOKERで連載されている『プラナス・ガール』というマンガを読んでみました。最近になって最新刊(3巻)が発売されたらしくて、それを紹介しているレビューサイトの記事読んでたらちょっと興味が湧いたので。

プラナス・ガール 1 (ガンガンコミックスJOKER)
松本 トモキ
スクウェア・エニックス

ガンガンJOKERのサイト上で1話分を試し読みできるんですけど、これが割と面白くて、気がついたらそのままコミックス3冊まとめて買ってました。なにやってんでしょうか私。

このマンガ、ヒロイン(?)が女装している男子、いわゆる「男の娘」だったりするワケですが、私は今までこういう「男の娘」モノのマンガを読んだことはありませんでした(『ストップ!! ひばりくん!』すらちゃんと読んだことない)。今や専門誌も存在するみたいですが。

正直「男の娘」モノを気に入るほど自分は倒錯しちゃいないと思ってたんでんすけど、このマンガは良いですねぇ。現実的にはこんなのありえねーと思うんですが、ファンタジーとしての男の娘をうまく描けている作品ではないかと。いいんですよマンガなんだから。

このマンガに登場する「男の娘」、藍川絆が魅力的に見えるポイントとしては、

  • 男だけど外見は完全に女の子
  • 男なので当然男の心理を知り尽くしている
  • 「女の子」と「男友達」の良いとこ取り
あたりかなぁと思います。

外見については完全に女で、しかも男女問わず「可愛い」と言われるレベル。でも男。この作品の舞台は高校なんで、変声期とかも過ぎてそうなモンなんですけど。この時点でもうファンタジーだろって話なんですが、こまけぇこたぁいいんだよ。

ただ、1話の冒頭で絆本人が「こう見えても男です」とカミングアウトしているものの、作中でハッキリと男であるコトを明らかにする描写が無いんですよね。胸が無いという話はありますが、それだけじゃ男の証明にはなりませんし。それにより、実は「女のフリした男のフリした女」なんじゃないか、という妄想をするコトも可能なのであり、私みたく「男の娘が気に入る程倒錯しちゃいない」と思いたい読者には良いエクスキューズになっているよーな気がします(?)。

でも自称男なだけあって、男が喜ぶツボを大変良く理解しているワケです。それを最大限に活用した小悪魔的な振る舞いなんかはもうたまらん感じなワケです。でもそういう振る舞いも行き過ぎると鬱陶しいだけなワケで、その辺のさじ加減まで理解できるのはやはり男だからなのでしょう。たぶん。

そして、このキャラの一番の魅力はココにあるんじゃないかなー、と思ったのが3巻収録の12話、水鉄砲を使ったフラッグファイト(旗を使った陣取り合戦)に絆が参加するシーン。自分からフラッグファイトへの参加表明をする絆を見て、男子生徒が「やっぱ藍川いいよなぁ」「女子だとこういう遊び付き合ってくんねーもんな」と言うんですが、つまりコレって「見た目女なんだけど、男同士としても気安く遊べる」ってコトだよなぁと。

男にしてみれば、女の子と遊ぶのも楽しいですが、その一方で同じくらい「男同士だからこそできる遊び」ってのも楽しみたいワケで。いくら大好きな彼女が居たとしても、男同士で遊びたい時だってあるワケです。その点に於いて、「男の娘」である絆はその両方を満たしてくれるキャラクターなんだなぁと。なるほどそれは最強かもしれん。

今まで「男の娘」というと、つい現実世界のオカマさんなどを連想してしまい、「それはないわ」と思ったりしてたんですけど、フィクションの存在として割り切った上で「男の娘」を見てみると「これはこれでアリ」と思えてしまいました。でもこのままだと、自分の性癖がどんどん現実と乖離しそうで怖いのですが。いやまぁ別にいいんですけど。