大須は萌えているか?

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F1[13] 中国GP予選

まーたなんか予選のあり方が問われそうな展開になりましたね、F1中国GP予選。

予選結果;
2013 FORMULA 1 UBS CHINESE GRAND PRIX - The Official F1 Website

予選後ドライバーコメント;
Qualifying - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

予選後記者会見:
FIA post-qualifying press conference - China - The Official F1 Website

とにかくみんな走らない

ピレリがプライムとしてミディアム、オプションとしてソフト(今季初登場)を持ち込んだ今回の中国GP。しかし、この2つのタイヤのパフォーマンスがかなり極端に違ってしまっていたようで。ソフトは一発のタイムは速い(ミディアムに比べ1秒前後くらい?)ものの、グリップの落ち込みも激しく、予選でまともにタイム出せるのは1アタックのみ、決勝でも8周程度が限界という話。中国GPの決勝は56周で争われるので、そんなタイヤでは話になりません。

そうなると、決勝で重視されるのはミディアムの方。なるべくなら、決勝に向けて新品のミディアムを温存しておきたい。かといって、ソフトもまともにアタックできるのは1回のみ。そうなるとどうなるかといえば、皆セッション最後の方に一発アタックだけ行うという話になるワケです。Q1なんて20分のセッションが開始されてから8分くらい誰も走らない(マルシャやケーターハムすらも)というあまりにヒドイ状態でした。

Q2はQ1で使用したユーズドソフトを使ってまず保険のタイムを出すドライバーが居たのでそれなりには見えましたが、Q3ではベッテルがユーズドソフトを使って走った(アタックはせず)以外はまたしばらくの沈黙。また、ベッテルとバトンは敢えて決勝をにらんでミディアムで走行。最初からポールを狙うことをやめたワケです。また、ベッテルはミディアムでもタイムを出すことはせずに予選を終了。これはまた予選の意義が問われそうな展開になっちまいましたねぇ。

ベッテルの戦略

ベッテルは「(Q3を)ミディアムで行ったのはあなたとジェンソンだけですが、これはなにを期待してのことですか?」との質問に、「5周目にピットインしなくても済むようにだよ」とコメント。5周目はジョークと言いつつも、ソフトでは長い周回数をこなせないコトは明らかで、明日のレースをより良いものにするためにこのタイヤ選択を決断した、と。しかしベッテルはタイヤの性格に従来より大きな差がある今年の状況を受け入れ、順応しようとしてみせているコトがコメントからも窺えますね。

All I know is that the tyres, more than in any other year, will make a difference. It will be an interesting race, especially for me, as we took a completely different approach than we normally do. Indeed it is rather unusual to start a race from row five; it hasn’t happened in quite a while.

via: Sebastian Vettel Q&A: Qualifying strategy taken with race in mind - The Official F1 Website

また「ポイントを獲得できるのは土曜日ではない、日曜日だけなんだ」とも。先のウェバーとの諍い等、ベッテルの態度には子供じみた言動も目に付きますが、このレースに対するクレバーさ、順応性の高さはスゴいですねベッテルは。「このルールはおかしい!」とか言う前に、そのルールから最大限のアドバンテージを引きだそうとしているところがね。

また、バトンはベッテル同様ミディアムを履いて走ったものの、ゆっくりと1周だけタイムを出し、計時ラップを行わずにノータイムで終わったベッテルの前に出るという策士ぶり。タイヤマネージメントには定評のあるバトンなので、こちらも決勝は楽しみです。

第1スティントで上位のソフトタイヤ勢は何周までタイヤがもつのか、そしてタイヤ交換終了後のミディアム勢との位置関係はどうなるのか。これが決勝の見所になるでしょうね。……こうした決勝を睨んだ作戦を諸々考えると今日の予選は実に興味深かったのですが、しかし予選単体で見たときにひどく退屈なセッションになってしまっているのも間違いありません。

予選でのみ使用するタイヤセットを用意するだとか、何らかの対策は必要になるでしょうね。でないと、今回の予選のようにマニアック過ぎてエンターテインメント性の欠片も無い予選セッションが今後もぽこぽこ出てきそう。

「正攻法」のメルセデスフェラーリ

フリー走行から好調だったメルセデスフェラーリの作戦は、Q1~Q3をソフトタイヤ一発勝負で乗り切るという、ある意味今回の予選の正攻法。んで、ハミルトンがポールを獲得したのは流れ的に順当なところかなと思うんですが、2番手にはライコネンが飛び込んできました。意外。ていうか、スタンドでもずいぶんフィンランド国旗を振っているファンが目に付きましたが、なんなの今中国でライコネンブームなの?

しかしこうなると、「タイヤに優しい」とされるロータスのキャラクターがどう活きてくるか、という点が気になります。他の上位陣に比べ最初のピットインを引っ張るコトができるのか。その状況次第では、また優勝が見えてくるのかも。

フェラーリアロンソがようやくマッサの前に立ち3番手、マッサ5番手。フェラーリはミディアムを履いたときのロングランのペースがどこまでのものなのか、がポイントになるんでしょうね。フリー走行でもソフト履いた一発の速さはありましたが、ミディアムではメルセデスに一歩劣る状況だったので。

番狂わせな方々

一番の番狂わせはウェバーさんですよねぇ。Q2でまさかのガス欠、しかもセッション終了後の燃料サンプルが規定量取れないってコトで最後尾スタート決定。以前ベッテルも食らったヤツね。

Fuel sample penalty sends Webber to the back of the grid - The Official F1 Website

前回のレースでベッテルが大暴れして遺恨を残した状況下だっただけになにか陰謀めいた噂も出てきそうな気配ですが、正直チャンピオンシップを考えたときにチーム内でウェバーを陥れて得をするとも思えないし、チームが去年のアブダビ予選というここ一番の状況でベッテルの給油量を間違えるというポカをやらかしている前歴を考えると、まーまた間違えちまったんだろなという気がします。

にしても、前回のレース後平謝りだったベッテルがここに来て開き直りともとれる発言をしていたりと、レッドブル問題はどうにもならなさそうですね。さすがにウェバーはもう来年チームには居ないんだろなぁ。

それからマクラーレンのペレスは12番手とQ3進出もならず。ちなみに、去年はザウバーで予選8番手タイムね。まだ移籍3戦目ではあるんですが、うーん。その古巣のザウバーヒュルケンベルグが10番手と気を吐いたものの、グティエレスは18番手と低迷。こちらもちと印象弱いですねぇ。ルーキードライバーでは今のとこやっぱビアンキがピカイチっぽい。

あとはトロロッソのリカルドがなぜか7番手。なんでだろう。

しかしタイヤの性能差が大きいというコトは、予選一発のタイムと決勝のレースペースで全然戦闘力が変わっちゃうマシンも出てくるかもしれないってコトです。決勝ではどのような順位変動が起きるのか注目。