大須は萌えているか?

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栄枯盛衰の風景、鳳来寺

前回の記事で「四谷の千枚田」に行ったついでに、わりと近くにある鳳来寺山に行ってみました。よく考えたら今まで行ったコト無かったし。

鳳来寺山 - Wikipedia

鳳来寺山というからには鳳来寺という寺があるワケですが、麓からその寺まで徒歩で登っていこうと思うと1400段の石段を登らなければいけないというコトで、迷わずクルマで登っていきます。この車道は元々鳳来寺パークウェイという名前の有料道路だったんですが、2005年に無料化され愛知県道になった道。でも、終点にある駐車場は有料です(普通車500円)。

ちなみに中途半端に遅い時間に出かけてしまったため、駐車場にたどり着いたのが夕方16時半頃。駐車場のおじさんに「鳳来寺の本堂、もう閉まっちゃってるけど良い?」と聞かれる有様。ていうか本堂閉まるの早いなオイ。駐車場自体は18時まで開いているとのコトで、せっかく来たので見物だけしていくコトにしました。

駐車場から寺までは徒歩15分くらい。鳳来寺山というと愛知県では結構有名な紅葉スポットなんですが、当然この時期はまだ葉が青々としております。

お寺へと続く歩道からの風景もなかなかのモノで、こうして見るとなんかエラく山奥に来てしまった感があります。

岩肌が剥き出しになった断崖など見ると中国の奥地にでも来てしまったかの様な気すらします。でも、こういう場所が信仰の対象になるのはなんかわかるよーな。

しばらく進むと「宿坊」の看板があり、なにやらそれっぽい建物もあるんですけど、よく見るとなんか朽ちかけてる。どういうことなの。

その奥にはなにやら石段があり、頂上には鳥居が。

こちらは鳳来山東照宮徳川家光が造営を命じ、家綱の代で完成したという神社。もちろん主祭神徳川家康

なんでも於大の方鳳来寺で祈願したところ家康を懐妊した、という話が日光東照宮にある「東照社縁起」に記されているそうで、それを読んだ家光がここにも東照宮を建てようと思い立っちゃったらしいです。とはいえ、日光に比べるとすごくこぢんまりしてますが。

でも、鳥居や屋根はずいぶん苔むしてるものの、拝殿自体はかなりキレイ。結構こまめに手入れされてる感じがします。

東照宮に参拝したあとは石段を降り、再び鳳来寺の本堂方面へ。途中、あんまり見かけないような姿形をした狛犬っぽいのが居たんですけどなんなんですかねコレ。

そしてたどり着きました鳳来寺……ってなんかやけに新しいな!

この本堂は1974年に再建されたものだそうな。しかしなんかこう、造形がシンプルすぎて拍子抜けというか肩すかしというか。

本堂の左手奥にはさらに山を登っていく階段があり、すこし登ってみるとなんかずいぶん古そうなお堂が。

完全に放置されちゃってるっぽい雰囲気ですが、これは一体なんなんだろ。

そこからさらにも一つ階段を上ると、またお堂が。これも放置されてるっぽい。

お堂の前にある看板を見ると「鳳来寺」って書いてあるんですけど、これ旧本堂ってコト??

その割には、こちらも完全に放置されちゃってる感じだけど……。屋根を見ると葵の紋が入った瓦が使われていたり意匠も凝ってたりして、それなりに価値のありそうな建物なんですけど。これもすっかり屋根から草が生えとる。

さらに山を登っていくと奥の院などもあるみたいなんですが、そこまで行くと駐車場が閉まっちゃいそうだったのでパス。最初のお堂の隣には崖崩れが起きたまま放置されてるっぽいところもありました。

ここって愛知県内ではそれなりに名の知れたとこだと思うんですが、この辺りの放置プレイっぷりはなんなんだろう。鳳来寺自体、家光の時代からしばらくは幕府の庇護により大いに栄えたらしいんですが、明治以降どんどん衰退していったみたいで。

鳳来寺 - Wikipedia

そういう歴史を考えると、この朽ちかけた建物の数々もなんかわかるよーな気もします。これはこれで独特の雰囲気ありますけどね。しかし長い歴史を持ち、家康との縁もあるという場所だけに、このままで良いのかなぁという疑問も。

長い歴史の中でかつて隆盛を誇り、その後衰退し建物は朽ち、そこに草木が生い茂る……まさに「栄枯盛衰」という言葉をそのまま表しているような場所だなぁ、ここは。