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ライコネン起用に見るフェラーリの「弱気」

前回書いたF1イタリアGPの記事で、「ライコネンフェラーリ入りは正直どうかなぁ」的なコトを書いたんですが、まんまとライコネンフェラーリ入りが発表されてしまいました。ううむ。

Raikkonen to partner Alonso at Ferrari in 2014 - The Official F1 Website

いやだってさ、フェラーリが自分とこのマシンに自信を持っているならさ、2人のワールドチャンピオンを組ませるのは得策じゃないと思うワケですよ。「両雄並び立たず」じゃないですけど、ワールドチャンピオン経験者同士を組ませるというのはそれ相応のリスクもあるワケで。ドライバーが「チームは自分を優遇していない」と不信感を持ちやすいという意味でね。

ついでに言うと、アロンソって基本的に自分が確固たるナンバーワンで、チームメイトは格下という状況に慣れているワケじゃないですか。チャンピオン獲得前にルノーで組んでたトゥルーリは「格下」扱いしちゃうと気の毒ではありますが、結果的に獲得ポイントでは上回っているし。そのあとはフィジケラと組みましたが、このときにはアロンソ自身連続チャンピオンを獲得し押しも押されもせぬトップドライバーに上り詰めた時期であり、フィジケラは完全にナンバー2扱い。

そしてマクラーレンに移籍したらルーキー・ハミルトンの思わぬ活躍により「チームがハミルトンを依怙贔屓している」と不信感を持ち、3年契約をブッチしてチームを離脱。またルノーに舞い戻り、ピケJrグロージャンというぺーぺーをチームメイトに迎え完全にチームの主に。そしてフェラーリのマッサ……も残念ながらどうみてもナンバー2です……。

と、こんなアロンソのキャリアを見ていると、この人ワールドチャンピオンクラスのチームメイトと組ませて大丈夫なのかしらん、と不安になってくるワケです。ライコネンはたぶん淡々と自分の仕事をこなしてアロンソのコトをどうこう言ったりはしないんでしょうけど、アロンソは気にしちゃうんじゃないですかね。場合によっては、マクラーレンの時みたいにチームに対する不信感が増大するコトだってあるのかもしれない。そうでなくとも最近は不穏なムードがあったワケだし。

たぶんチーム側もそんなコトはわかっているんでしょうけど、しかしフェラーリとしても2008年のコンストラクターズタイトルを最後に、ドライバーズ/コンストラクターズの両タイトルから遠ざかっているという現実があるワケで。そして今年もレッドブルベッテルがダブルタイトルを獲得するコトはほぼ決まりでしょう。これで丸5年の無冠。シューマッハ時代の栄光はどこへやら。

そんなワケでなんとかタイトルを奪還しなくてはならない。ただ、レッドブルベッテルのパッケージは極めて強力。そこに何か弱点を見いだすとしたら、それはセカンドドライバーでしょう。実力はあるんでしょうけど、まだ十分な経験値を積めておらず、しかもチーム移籍1年目となるリカルド。彼がウェバーほどコンスタントにポイントを積み上げられる保証は無いワケです。思いの外活躍する可能性だってあるだろうけど。

アロンソNo1体制でベッテルに打ち勝てる見込みは正直薄いかもしれない(3年連続で負けてるワケだし)けど、もう一人チャンピオンクラスのドライバーを引っ張ってくれば、アロンソはブーブー言うかも知れないけど、コンストラクターズタイトルを奪える可能性はグッと増す。しかもF1復帰以降、抜群の安定感でポイントを積み重ねているライコネンなら。

……と、そんなふうにチームの思惑を邪推してしまうんだけどどうなんでしょ。あと、今年ハミルトンとロズベルグという実力の拮抗した2人を起用したメルセデスが、コンストラクターズでフェラーリを追い落とす勢いを見せているコトもライコネン起用を決断させた一因なんじゃないかな。

なんか正直、アロンソのF1キャリアも巡り合わせが悪いというかなんというか。かつてのシューマッハ、そして今のベッテルアロンソの違いは何か。実力は見劣りしてないハズなのに(なにせ彼はシューマッハを打ち負かした男だ)。F1ってば難しいですね。