うちのかーちゃんはなぜかテレ東の経済系の番組が好きなようで、『カンブリア宮殿』なんかも好んで観ております。んで、その『カンブリア宮殿』で紹介されていた日本酒が美味しそうなので飲んでみたい、と宣いまして。「獺祭(だっさい)」っていう山口のお酒。
この40年間で、市場規模が3分の1にまで縮小している日本酒。そんな中、破竹の勢いで売り上げを伸ばしているのが、山口県の旭酒造が造る、純米大吟醸酒「獺祭」だ。
社長の桜井博志は、1984年、父の急逝により34歳で酒蔵を継ぐ。当時の旭酒造は山奥の小さな酒蔵で、販売不振にあえぎ「県内でも“負け組”だった」という。ところが2012年、旭酒造は純米大吟醸酒のトップメーカーに躍り出た。売り上げもこの1年で56%アップの39億円。注文に対して生産が追いつかないほどの人気の日本酒になった。地方の小さな酒蔵に、いったい何が起きたのか?ピンチに挑み続けた大逆転経営が明らかに!
あー、まー確かに「経営危機に陥っていた酒蔵が一発大逆転した奇跡の日本酒」みたいな紹介のされ方したら、ちょっと気になりますわな。
んで、試しにAmazonで検索してみると、精米歩合50%の純米大吟醸が四合(720ml)瓶で5500円くらいで売られてました(当然マーケットプレイス)。酒造会社のWEBサイトで確認すると1570円となっているので、結構良い感じで値上がりしてます。
とりあえずお試しで飲んでみたいだけなので、値上がりした状態で買うのもちょっと。あんまり使いたくは無いんですが、楽天で検索してみても一升瓶やセットで売られているモノが目に付く状態。そうでなくても人気のお酒らしいし、ましてやテレビで紹介された直後だと当分品切れもしくは値上がり状態が続いちゃうかもね、なんて話をしたりして。(その後調べてみたら、2011年にかの『ほこ×たて』に酒元の社長が出演して、その後超品薄状態に陥ったみたいですね)
するとうちのかーちゃん、翌日近所の酒屋を数軒ハシゴして聞き込みを行い、個人経営の小さな酒屋さんにストックがあるコトを突き止め、購入してきてしまいました。無論プレミア抜きの価格で。……やはり情報は足で稼ぐコトも重要なんだな……。
で、晩にさっそく飲んでみたんですが、とても「飲みやすい」お酒。良い香りがして口当たりもよく、すいっと飲めます。つまりはこれ、日本酒に慣れてない人でもイケる味です。日本酒を飲み慣れてて、口が曲がるような辛口が好きだって人には物足りない味かと思いますが、逆にそれが奏功しているんじゃないかなぁ。
ウチみたいにテレビで紹介されたから気になって飲んでみる、っていう非常によくありがちな消費行動を取る一見客は、日本酒を飲み慣れていない人も多いでしょう。で、実際飲んでみたら「こりゃ美味い!」と。そうなると、さらに口コミで広まっていき……という好循環になったんじゃないかと想像。間口の広い味だったからこそ、マスメディアで紹介されるコトによるブーストが強く効いたというか。
この酒造会社は一度倒産しかけて杜氏にも逃げられたという過去があるそうですが、だからこそ「日本酒かくあるべし」みたいな既存の概念に捕らわれない酒造りができ、結果として広く受け入れられる味の酒が出来上がった……というコトなんでしょうか。こういうストーリーも、結果的に口コミを広める良いエッセンスになってそう。
ともあれ、結構美味しかったので、一番精米歩合の高い「磨き二割三分」も飲んでみたいところではありますが……近所の酒屋さんで売ってるのかな?
……ていうか、「獺祭」って名前なんか微妙に聞き覚えがあるような気も……と思ったら、ヱヴァンゲリヲン新劇場版でミサトの家に転がってたお酒だったのね。庵野監督の出身地繋がり?