大須は萌えているか?

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F1[14]日本GP 決勝

大変なアクシデントが発生してしまいました。F1日本GP決勝。

決勝結果:
The Official F1 Website - 2014 FORMULA 1 JAPANESE GRAND PRIX

決勝後ドライバーコメント:
The Official F1 Website - Headlines - Race - selected team and driver quotes

決勝後記者会見:
The Official F1 Website - Headlines - FIA post-race press conference - Japan

天候に翻弄されたレース

事前の予報通り、台風の影響で荒れたコンディションとなった鈴鹿サーキット。スタートはセーフティカー先導となり、さらにセーフティカーランで2周する間にコンディションがますます悪化したため、赤旗中断。こりゃひょっとしてまともに走れないままレース終了となっちゃうんじゃ……と心配になったりもしました。

その後なんとか再びセーフティカー先導によりレース再開、今度は次第にコンディションは良くなってきて、10周目にセーフティーカーがピットに入り、ようやくレースができる状態に。この時点でバトンは早々にタイヤをインターミディエイトに換え、その後各車これに追従しタイヤ交換。

その後状況は落ち着いたかに見えたんですが、40周目くらいから再び雨脚が強まり、DRSが使用不可に。そして42周目、ダンロップコーナーでザウバースーティルがコースオフ、タイヤバリアにクラッシュ。その時点ではダンロップコーナーでイエローフラッグが出たものの、レースは続行。

しかし、44周目になってからセーフティカーが出動。メディカルカーも一緒に出動していたんですが、クラッシュしたスーティル自身は自力でマシンから出ており、特に問題無さそうだったので「?」状態でした。

そして46周目、2度目の赤旗中断。日没時間が近づいていることもあって、そのままレースは終了。この時点で、どうやらスーティルがクラッシュした場所でマルシャのビアンキもクラッシュしたようだ、という話は出ていたんですが、なにせクラッシュの映像がまったく流れないので、テレビ観ている身としては状況がわからないまま。ていうか、テレビ解説陣も詳しい状況が不明な状態。

ただ、クラッシュしたビアンキの容態が非常に深刻なものであると伝えられ、非常に重い雰囲気のままレースが終わる格好となってしまいました。

ビアンキの事故

このビアンキの事故について、映像が流れない(流されない?)ので状況が掴みづらいのですが、FIAが事故の状況について公式に声明を出しています。

On lap 42, Adrian Sutil lost control of his car, spun and hit the tyre barrier on the outside of Turn 7. The marshals displayed double waved yellow flags before the corner to warn drivers of the incident. A recovery vehicle was dispatched in order to lift the car and take it to a place of safety behind the guard rail. While this was being done the driver of car 17, Jules Bianchi, lost control of his car, travelled across the run-off area and hit the back of the tractor.

via: The Official F1 Website - Headlines - Bianchi undergoes surgery after Suzuka crash

状況としては、スーティルのマシンを撤去しているところに、スーティル同様コントロールを失ったビアンキのマシンが突っ込んで、マシン撤去中のトラクターに激突した、ということ。

Webで拡散している画像を見ると、どうやらビアンキのマシンは重機に側面から半ば潜り込むような格好で激突し、大破。ぱっと見コクピット周りは原型を留めているようですが、恐らく激突した際に頭部を強打したものと思われます。これにより、ビアンキは意識不明の重体となり、病院へ搬送。

この記事を書いている段階では、三重の病院で緊急手術を受けているようです。

Twitterで流れていたビアンキのマシンの画像を見てショックだったのは、ドライバーのすぐ後ろにあるハズのロールバーまでもが無くなってしまっていたこと。あのエンジンの吸気口の部分ね。

本来は、マシンが横転した際あそことコクピット前方の部分がマシンの荷重を支えて、ドライバーを保護する役割を果たすワケです。なので、これらはFIAが定める荷重テストにも合格する必要があり、かなり頑丈にできているハズなんですよ。これが丸ごと無くなってしまっているようなF1マシンを、今まで見たコトがありません。

これを見る限り、トラクターとの激突というイレギュラーによって、マシンに対し想定外の角度から・想定外の力が加わったのかなぁ……という気がしてしまいます。

F1マシンにはドライバーの頭部を保護するサイドプロテクターもありますが、それもドライバーの頭部すべてを包み込んでいるワケでは無い以上、ドライバーの頭部に何かが直撃してしまうリスクは避けられません。ましてや、何かに潜り込んでしまうような激突の仕方をした場合は特に。

今回の事故は、たまたまマシン撤去作業中だった重機に激突してしまうという非常に不運なものでしたが、今後再びドライバーの頭部保護に関する議論が活発になるのかもしれません。

あとは、コンディションが悪化する中でスーティルがクラッシュした際、すぐにセーフティカーを出さなかった判断は妥当だったのか、という点も議論になりそう。ニキ・ラウダは「FIAの判断は間違っていない」とのコメントを出していますが。

Jules Bianchi crash: Lauda says FIA did nothing wrong in Japan - F1 news - AUTOSPORT.com

すべてが終わったあとに、「あの時こうしておくべきだった」と指摘するのはいくらでもできるんですが、刻一刻とコンディションが変わる状況下で、セーフティカーを出す、赤旗を出すといった判断を下すのは難しいものです。ビアンキの事故を抜きにすれば、おそらくあと数十秒で重機はスーティルのマシンの撤去を完了して奥に引っ込んでいたでしょうし。

そういった意味でも、非常に不運な事故でした。とにかく今は、ビアンキが回復してくれることを祈ります。彼はいずれフェラーリのシートに座るときが来るのだろうと思っていたし、こんなところで終わっていいはずがありません。どうか回復して、再びレースカーのシートに座って欲しい(写真は鈴鹿の金曜FP1で撮影したビアンキ)。