大須は萌えているか?

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「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」を見物してきた(後編)

※この記事は、「SUZUKA Sound of ENGINE 2015」を見物してきた(前編)の続きです。

ピットガレージ見物の続き

ピットガレージにはレーシングカーだけではなく市販車も。こちらは日本初登場というケーニグセグ One:1。最大馬力が1360PS = 1MWが車名の由来だそうで。ちょっと意味不明な馬力ですね。

よく見ると、ホイールまでカーボン製。これ一本おいくらなんでしょうか……。擦っただけで大騒ぎだなこれは。

このクルマ、このあと行われたピットウォークの時にホームストレートを疾走していましたが、レーシングカーほどうるさくないのにわけのわからん加速して「しゅぱーん」と走り去っていってしまいました。

それから、この日は走行しなかったんですがパガーニ ゾンダRevolutionも展示されてました。これも十分変態的なマシンですね。

隣にはゾンダの後継となるウアイラも居たんですが、なんか内装がスケベ椅子めいていて実際エロい。別の意味で変態。

あと、スーパーカーと見比べちゃうとアレなんですが、ホンダS660が3台展示されており、うち2台は自由に座るコトもできるようになってました。すげー人気で混み合っていたので、私は座ってませんけど。しかしコレ、無限仕様だとなかなかカッコいいじゃないですか。

ピットガレージを一通り見たあとは、ホスピタリティラウンジに戻り昼食にしました(ラウンジの食事は11時半から14時までの間の好きなタイミングで食べるコトが可能)。ボリュームもあって美味しゅうございました。

ピットウォーク

お昼からはピットウォーク。こちらも通常のチケットを持っていれば自由に参加できるので、非常に賑わっておりました。写真撮るの結構大変。

まずはマツダ787B。91年のルマンを制覇したマシンとして余りにも有名ですが、これはルマン仕様ではなく国内のJSPC(全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権)仕様。

あとで787Bと一緒にデモ走行するコトになる、日産R91CP。このクルマ、マツダ787Bがルマンを制した91年にJSPCでタイトルを獲得しているんですが、日産がモータースポーツ活動の規模を縮小した煽りでルマンは参戦してないんですよね。

85年のルマンに参戦したTOM’S 85C。シャシーを開発したのは国産コンストラクター童夢であり、それにトヨタエンジンを載せたマシン。そしてモータースポーツのスポンサーを始めて間もない頃のレイトンハウスロゴが注目ポイントですね。

も一つルマン参戦車両、サードMC8R。トヨタワークスではなく、紆余曲折の末サードが独自にSW20(MR2)をベースとしたシャシーセルシオの1UZ-FEを載せて開発したマシン。

さらにこんな珍車が……なんて言うとアレですが、こちらは1972年のGCカー、マナ09というマシン。ググってみると、2008年にアサダレーシングの手によりレストアされた個体っぽいですね。

マナというのは三村建治というレーシングカーデザイナーが立ち上げたコストラクターであり、この後程なくしてかの「マキF1」を立ち上げるコトになる人物。このマシンのすぐ横にはレイトンハウスロゴを纏った85Cが居り、F1ファンとしてはマキとレイトンハウスというジャパンパワー(胡散臭い意味で)の源流の共演に胸が熱く……なるかなぁ……?

マキF1はさておき、もちろん真っ当な(?)F1マシンも展示されておりました。ベネトンB189のサイドポンツーンにはMOETのマグナムボトルが置かれており、このマシンで日本GPを制したアレッサンドロ・ナニーニを思い起こさせます。

ベネトンB190はピットウォーク中にエンジン始動するファンサービス。大勢の観客の注目を浴び、オーナーさんご満悦でした。

ベネトンB193、よーく見るとタイヤの「GOOD YEAR」ロゴがすごく手書き感溢れるモノであるコトに気付きます。これは色が落ちちゃったから塗り直したのか、そもそもメーカーが違うものをグッドイヤーに見せかけているのか……?(他のF1マシンはAVONタイヤを履いてました)

トールマンTG184はよく見ると溝付きのタイヤ履いてますね。あと、実は輸送中にフロントウイングを破損してしまったそうで、よく見ると右側のノーズの付け根の部分にテーピングで補修している形跡がありますね。

そしてピットウォーク終了間際、そろそろラウンジに戻ろうとパドックを歩いていたら、ちょうどフェラーリF187がガレージに搬入されるところでした。間近で見られてラッキー。

各マシンの走行

午後は各マシンが最高速を競ったり、デモラン・デモレースを行うという流れ。しかしなんだ、今回走っていたF1マシンのうち、フェラーリを除くとベネトン3台にトールマン(ベネトンの前身)1台と、ベネトンワンメイクであるかのような光景でした。

「Sound of ENGINE」というくらいのイベントなので、マシンの走行中はずっとラウンジの屋外席からホームストレートのエキゾーストノートを聴いていたんですが、今のF1の音に比べると当時しょぼいと言われていたフォードV8でもすっげえF1の音って感じがしてしまいます。TG184のハート直4ターボは音的にはイマイチでしたけれども。

B193もトラブルがあったようで、周回はスローめ。その分、B189とB190はかなり勢いよく踏んでくれてました。

今回の「フィーチャリングマシン」でもあるフェラーリF189は、中野信治がドライブ。デモレースでは積極的にオーバーテイクを仕掛ける見せ場を作ってくれており、さすが元F1ドライバー

2輪のフィーチャリングマシンとして登場したスズキRGV-Γはケビン・シュワンツが乗ってました。2輪ではケニー・ロバーツエディ・ローソンもゲストとして招かれており、F1ドライバーはもうちょっと居ないのかなー?と思っちゃったりはしましたが。

しかし、F1マシンで一番良い音させてたのは、これまた中野信治がドライブしたホンダRA301ですね。やっぱホンダV12サウンドの迫力は違う。

そしてピットウォークでも見かけたグループCカー、マツダ787Bと日産R91CPも登場。787Bはミスタールマンこと寺田陽次郎によるドライブだったんですが、このロータリーサウンドはめちゃくちゃカッコいい。この音聴くとロータリーマシン欲しくなる。買わないけど。

そんなこんなで

一日の最後にはタイムトラベルパーキングで展示されていた旧車軍団がパレードランを行い、何台ものホンダの軽トラ(T360)が鈴鹿サーキットを走り回る絵面はなかなかに新鮮でした。

帰りがけに再度GPスクエアの展示車両を見ていたら、ラ・フェラーリがエンジン始動する場面も。ホントにいろんなエンジンサウンドを聴けた一日となりました。

このイベント、当初はもっとたくさんのF1マシンが参加する予定だったんですが(マクラーレンM23とかアルファロメオ179Cとか)、マシントラブル等によりだいぶ台数が減ってしまったのは残念でした。古いレーシングマシンでは仕方の無いコトではありますけどね。

一方で、トラブルに見舞われながらも走行状態まで持ち込んでくれたTG184やB193の関係者の方々にはひたすらに感謝ですね。TG184が居なくなってたら、さすがにテンションだだ下がりだったかも知れません。

初開催のイベントというコトでお客さんの入りもボチボチくらいな感じで、実走した車両もべらぼうに多いというワケでは無かったんですが、ぜひこのイベントが根付いて、より大きな規模に育っていくコトを願っています。

イベントのパンフレットには、「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」のような世界的に有名なモータースポーツイベントと並び称されることを目指していると書かれておりますが、いやホントにそれくらいの勢いで行って欲しいものです。そんな大規模なレーシングカー・ヒストリックカーのイベントって、今の日本には無いですからね。

日本ではなかなかモータースポーツが文化として根付きませんし、それどころかクルマ自体がどんどん売れない時代になってきてますが、そんな中でもこうしたイベントを育てていこうとする鈴鹿サーキットはステキ。是非来年も、より沢山の、適度にマニアックなクルマを集めてくれるコトを期待しております。