去年に引き続き、今年も行ってきましたSUZUKA Sound of ENGINE。去年書いた記事は以下↓。
今年が2回目となる本イベントですが、去年はモナコGPと同じ5月に行われていたのに対し、今年は11月下旬の開催となりました。たぶん、ゲストとかのスケジュールがシーズンオフの方が都合付けやすかったからでしょうね、きっと。
チケットは昨年と同様、前もってホスピタリティラウンジを買いました。イベントは土日開催されるんですが、ラウンジのチケットは土曜日のものを購入(日曜日も一般入場は可能)。そしてここんとこ良い天気が続いていたのに、肝心の土曜日だけ雨が降るという呪われっぷり(日曜は晴れ)。私なにか悪いコトしたでしょうか。
ヒストリックカーが走るというイベントの性格上、雨だと走行できないマシンも結構ありそうです。ちなみに、ゲートオープンの時点でイベントは成立……つまり払い戻しは効かないので、そういう意味では天気予報もわからない時点で前売り買うのは結構チャレンジングだよね……。
とはいえ買っちゃったものは仕方ないので、土曜日の朝鈴鹿サーキットへ。昨年と同様、グランドスタンド近くの交通安全センターの駐車券付きなのでクルマで行きました。朝の天気は、路面はウェットなんだけど雨は小康状態といった感じ。
GPスクエアの展示
昨年のGPスクエアではクラシックカーから現代のスーパーカーまでを露天に並べて「コンクール・デレガンス」という催しをしていましたが、今年は屋根付きのスペースに4輪と2輪のヒストリック・レーシングカーを並べるという割と普通な感じの雰囲気でした。中でも注目を集めていたのはマツダのプロトタイプ。
加えて、昨年走行したJSPC仕様の787Bと、WSPCでロータリーが禁止された92年にジャッドエンジン載せて製作されたMX-R01が展示されてました。なんかこのクルマ、マツダのモータースポーツ史上とても微妙な位置づけのマシンな気もしますが。
そしてマツダの隣には、日産とプリンスの合併50周年というコトで日産・プリンスの車両が展示されてました。こちら↓はR381、1960年代の日本グランプリ(F1に非ず)用に開発されたマシンですね。
このマシン、特徴的なのはリヤタイヤの後ろでスパッと切り落とされたテールと、真ん中で分割されたリヤウイングでしょうか。しかもコレ、油圧シリンダーを介してロールを検知し、走行中に左右独立して動くという凝ったメカニズムが採用されているっていう。手がけたのはスカイラインの開発責任者として知られる桜井眞一郎。
2輪もいろいろ展示されていたんですが、すいません2輪には疎いのでとりあえず端折ります。
あ、ただこのスズキRK67ってマシン、燃料タンクがすげー細長いのが気になりました。どういう意図でこうなったんだ。
ラウンジ席へ
GPスクエアをざっと眺めたあとは、パドック行きのトンネルをくぐってホスピタリティラウンジへ。なんか昨年よりも結構人が増えていたように見えました。初回だった去年に比べて、イベントが認知されて来る人が増えたんでしょうか。
一息ついたあと、外の観戦席に出てみるとやはり国際レーシングコースもウェットコンディション。
そういや今年はRICHARD MILLE(リシャール・ミル)が冠スポンサーになったとかで、至る所にロゴが掲出されてました。F1のスポンサードも行っている時計メーカーですが、そういやここの時計ってどんなモノなのかよく知らないなぁ、とググってみると、モノはさておき単価が常軌を逸してました。
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それでもこういうスポンサーをバンバンやるってコトは、世界でバンバン売れてるんだよねぇ、これ……。タグ・ホイヤーやロレックスが安く見えてくる不思議。
そして朝のグループC練習走行の時間、なんとかそれなりに走ってくれていて一安心。しかし予選ブーストで軽く1000馬力を超えていたという日産R92CPなんて、この路面じゃ直線でも怖くて踏めないよね……(R92CPのドライバーは星野一義御大)。
そして一度現物を見てみたかったこのクルマ、スカイライン・スーパーシルエット!(グループCじゃないけど)
うーん、この「ぼくのかんがえたさいきょうのスカイライン」感がたまらない……。いやしかし、レーシングカーって素人目にも「いかにも只者では無い」感が漂ってた方が良いと思うのです。これがどういうクルマか知らなくなって、なんか見てるだけで変な笑いがこみ上げてきません?
ピット見物
練習走行を見終えたあとは、ラウンジの下のピットガレージ見物へ。去年に引き続き今年も展示されてましたパガーニ・ウアイラ。しかも今年は間近で見られた。
しかしまー、相変わらず変態ですねこのクルマ(たぶん褒め言葉)。AMG V12が鎮座するエンジンルームはカーボン&金ぴかだし。
コクピットこんなだし。いやここまでやられるとなんかカッコ良く見えてくるから困るんだけどさ。
世界限定5台というゾンダ Revolutionも隣に。
別のガレージには、昨年「フィーチャリングマシン」として実走していたフェラーリF187が。
このフェラーリとかパガーニは名古屋に本社があるビンゴスポーツという稀少車を扱う販売会社が所有している車両みたいですね。パガーニは正規輸入代理店をやっているみたいですが、1品もののレーシングカーなんかは価格が「For the absolute best offer」となっているので、カネさえ出せば売るよ、というモノでは無いのでしょうきっと。
それからF1マシンではミナルディM190も。ミナルディ史上最も輝いたマシン・M189(Bスペックでピエルルイジ・マルティニがフロントロウ取ったヤツ)の後継として期待されたものの、すったもんだの挙げ句ノーポイントで終わっちゃったなんともミナルディなマシン(?)。
あと、ちょっと気になったのがフェラーリ365GTB/4(デイトナ)のレース仕様車。
ボンネットに、固定用(?)のピンとベルトがあるんですよね、しかも根元の方に……。
ただ普通ボンネットを固定する目的だったらフロント側の方に付けるだろうし、わざわざベルトなんて付いてるのはなんでなんだろう……と。理由をご存じの方いらっしゃいましたら、ご教示いただけますと幸いです。
さらに別のガレージには、フェラーリ248F1が。2006年、引退(1回目)を表明したミハエルがアロンソを追い詰めるも、日本GPまさかのリタイヤで世代交代を印象づけたマシン。ただコレ、カーナンバー6なんでマッサ車なのか。
今回は248F1以外にF2003-GAとF310も来ていたんですよね。フェラーリってオフィシャルでF1マシンを個人オーナーに販売してメンテナンスを引き受けるサービスを行っている(⇒ フェラーリ、F1マシンのオーナーになれる「F1 Clienti」プログラム - Car Watch)くらいなので、良好なコンディションを保っている個体が多いのかな。
GPスクエア見物
ピットガレージをざざっと見た後は、再びGPスクエアへ。ステージでトークショーが開催されていたので。今年は4輪ドライバーのゲストが多く、興味深いトークショーが多かったのは嬉しかったですね。到着したときには、ちょうどグループCトークショーとして星野一義・寺田陽次郎・長谷見昌弘・片山右京の4名が話をされていました(↓の写真では一番左に居るはずの右京が見切れてますが……)。
しかし星野御大のトークショーは初めて聞きましたけど、なんかキレキレのトークしてましたね。バブル時代は給料貰いすぎて札束で焚き火してたとか、当時のグループCなんてパワーありすぎてル・マンでは直線(シケイン無い時代のユノディエール)が一番怖かった、あんなキ○ガイなカテゴリー無くなって良かった、等々。さっきの練習走行でも全然踏んでなかったとか。
星野さん、前に菅生のスーパーフォーミュラで関口が勝ったときにテレビで「こいつキチ○イだな」と発言して怒られてたのに、どうも「キチガ○」って言葉が口癖みたいでつい出てしまうようです。ベッテルのFワードみたいなもんでしょうか。てか、この場合差別的な意図で使ってるワケじゃないですしねぇ、別に目くじら立てんでも良いじゃ無いとは思います。なお、このあとのトークショーでさらにもう一回キチガイ発言してました。
そしてこのトークショーで寺田さんが「787Bね、レインタイヤが無くて今日は走れないの」と言っててちょっと、いや結構ガッカリ。昨年聴いたJSPC仕様の音が良かっただけにね……。
そして引き続き、中野信治・片山右京・中嶋悟の3名が登場してのF1トークショー。レースの話では無くてF1参戦当時のヨーロッパでの生活の話がメインでしたが、とりあえず「イギリス人が昔からやってるイギリス料理の店は結構美味い、イギリス人がよその国の料理マネするとダメになる」という中嶋悟のコメントが印象的でした。フィッシュアンドチップス、割と美味いのか……。
トークショー終了後、今度はGPスクエアに並んでいたフェラーリだのランボルギーニだのが一斉にエンジン始動して、順番に空ぶかししたりしてました。ディーノ含めたフェラーリサウンドの聞き比べ、なかなか贅沢な話であります。
しかし一番良いなぁ、と思ったのはフォードGTのV8サウンドでした。やっぱり一番レーシングカーに近いクルマだからかな……。
……長くなってきたので続く。