早いもので、2015年のF1ヨーロッパラウンドもこれにて終了。イタリアGP予選。
- 予選結果: Qualifying
- 予選後ドライバーコメント: In quotes - Saturday in Italy
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Italy
おや?フェラーリの様子が……
F1が開催されるサーキットの中でも随一の超高速サーキット・モンツァだけに、パワーで優れるメルセデスが圧倒的優位かと思われたのですが……ポールは順当にハミルトンが獲得したものの、2番手にはライコネン、3番手にベッテルが飛び込むというちょっとした番狂わせが。ティフォシ大喜びでしょうね。
フェラーリがロズベルグを上回れた理由として、ロズベルグが新型PUの不調を訴え、5戦使用しているお古のPUに載せ替えたというのがひとつありそうです。なにせピークパワーが物を言うサーキットなだけに、いかなメルセデスPUといえどもそれなりのタイムロスにはなったでしょう。Q3のライコネンとロズベルグの差は100分の7秒、ロズベルグにしてみれば「新型PUに問題が無ければ……」という恨み言はありそう。
しかしそれを差し引いても、ウイリアムズも差し置いての2・3番手獲得はなかなかに驚き。同じくフェラーリPUを搭載しているザウバーも、エリクソンがQ3進出を果たすなど悪く無いパフォーマンスを見せているところを見ると、フェラーリPU自体の性能もかなりのところまで来ていると言えるのかもしれません。
F1速報のWEBサイトに出ていた情報によると、メルセデスの新型PUは7トークンを使用、対するフェラーリは3トークン使用したPUを投入しているとのこと。しかし、確実に性能差は縮まっているように見えますね。
GP直送:フェラーリは地元に向けて3トークン投入 - F1ニュース ・ F1速報公式サイト
過去を振り返ってみるとフェラーリがモンツァでフロントロウを獲得したのは2010年にアロンソがポールを獲得して以来。それと、ライコネンはフェラーリドライバーとしてモンツァでフロントロウに並ぶのは初めて。予選後珍しくかなり機嫌が良さそうだったライコネンですが、やはりフェラーリドライバーとしてモンツァで良いところを見せる、というのは特別な感覚なんでしょうね。
決勝はハミルトン有利な状況ではありますが、スタートでフェラーリが前に出ると俄然盛り上がりそうですね。
トップ10はメルセデスPUユーザーだらけ
元よりメルセデスPUユーザーが全員予選トップ10に食い込むんじゃないか……とまで言われていたワケですが、予選セッションではフェラーリPUユーザーのザウバーが意地を見せ、エリクソンがマルドナド師匠を蹴落としQ3進出を果たしました……が、予選中ロズベルグの走路妨害があったとして3グリッド降格ペナルティが科され、結果マルドナドがトップ10に繰り上がるコトに。
結果、メルセデスユーザー以外で予選トップ10スタートを切るのはフェラーリの2人だけ、というコトに。ドイツの科学力半端ねぇ。それだけに、余計にフェラーリの2人にはティフォシの熱い視線が注がれるコトでしょう。私もここばかりはフェラーリを応援したくなっちゃいますね。
ペナルティを喰らったエリクソンは、後ろからアタックラップのクルマが近づいているコトをチームが教えてくれなかった、とコメントしているようで。
エリクソン「ニコが来るとチームは教えてくれるべき」:ザウバー土曜コメント - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)
この辺、チームのコミュニケーションに問題があったっぽいですね。ただ、後ろからスゲー勢いで銀色のクルマが接近してきていたらとりあえず道譲っといた方が良いと思うよ?
好対照なメカニック
メルセデスユーザーが猛威を振るう一方、ルノーユーザーであるレッドブル勢は「ここじゃ勝負になんね」とばかりにPU交換をしたりして、最初から上位を狙う気は無さそう。しかも、リカルドに至っては土曜朝に新しいPUを載せたと思ったらそれがすぐ壊れ、再び載せ替えをするというドタバタぶり。
その後メカニックの懸命の作業によりQ1出走を果たしたリカルドは「エンジン交換の所要時間の今までのベストは2時間だったところを、1時間40分でやってくれた。この予選の1周は勝利に匹敵するよ。チームスタッフたちはまさに伝説だ」と激賞。
I think the boys in the garage did the world’s quickest engine change to get the car out for Q1. The previous best was about two hours and I think the boys have just done it in 1 hour and 40 minutes. To do one lap was already a victory - the boys are absolute legends.
しかし一方、トロロッソのメカニックはフェルスタッペンを急いでコースに送りだそうとしてエンジンカウルをちゃんと留めておらず、走行中にカウルが吹き飛ぶという結構危ないシーンがあったりして。これによりフェルスタッペンは決勝3周以内でドライブスルーペナルティを受けなければならなくなったようで。
Toro Rosso’s Max Verstappen will have to serve a drive-through penalty in the first three laps of Sunday’s Formula 1 Gran Premio d’Italia 2015 after the stewards concluded that his car had been released from the pits in an unsafe condition during qualifying.
via: Verstappen handed drive-through penalty for bodywork issue
最速で最高の仕事をするのは難しいモノではありますが、レッドブルとトロロッソで好対照な結果となってしまいました。
ホンダは
ホンダ、激しい追及に答える「弱点は理解している。来年は改善したい」 - AUTOSPORT web(オートスポーツweb)
とうとう「来年は」になっちゃいました……。
新井さんはエンジンパワー自体はルノーを上回っていると主張してますが、だとしたらERSが相当ヘボいってコトになるんですけど。ICEのノウハウはまだしも、MGU-H/Kの回生と放出のエネルギーマネジメントは、ホンダとしても完全な手探り状態なんでしょうね。ブーリエが外部からスタッフ連れてこいと言ってるのも、そこら辺のスペシャリストが欠けているってコトを言いたいんだろな、と。
いっそWECでレーシングハイブリッド作ってるトヨ……いえなんでもないです。