大須は萌えているか?

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春の新潟方面ツアー その3:佐渡島のお寺編

※この記事は、春の新潟方面ツアー その2:イタリアン編の続きです。

佐渡

太宰治の『佐渡』という小説があるんですが、そこにはこんなコトが書かれています。

何しに佐渡へなど行くのだろう。自分にも、わからなかった。十六日に、新潟の高等学校で下手な講演をした。その翌日、この船に乗った。佐渡は、淋しいところだと聞いている。死ぬほど淋しいところだと聞いている。前から、気がかりになっていたのである。私には天国よりも、地獄のほうが気にかかる。

(中略)

新潟まで行くのならば、佐渡へも立ち寄ろう。立ち寄らなければならぬ。謂わば死に神の手招きに吸い寄せられるように、私は何の理由もなく、佐渡にひかれた。私は、たいへんおセンチなのかも知れない。死ぬほど淋しいところ。それが、よかった。お恥ずかしい事である。

via: 太宰治 佐渡青空文庫

……ヒドい言われようだな佐渡

しかしながら、私も男一人で新潟まで来てしまった以上は、佐渡へも立ち寄らねばなりません。何の理由もありませんが。

佐渡へ行くには船に乗る必要があるワケですが、カーフェリーでクルマを運ぶとなると費用が馬鹿になりません。そこでやむを得ず、クルマはホテルに置きっ放しにして、現地でレンタカー借りるコトにしました。そっちの方がまだ安上がりだし。

本州と佐渡島を連絡する船には、カーフェリーの他にジェットフォイルという水中翼船があり、カーフェリーだと新潟~両津港が2時間~2時間半掛かるところを1時間ちょいで行けるというコトで、このジェットフォイルを予約しておきました。

宿泊したホテルオークラから新潟港のフェリーターミナルまでは徒歩だと20分ちょいくらい。朝から信濃川沿いを散歩がてら歩くのは悪く無かったんですが、ホテル日航がフェリーターミナルのすぐ近くかつとても見晴らしの良さそうなビルだったのでこっちに泊まれば良かったと思ったり思わなかったり。日航のが高いけど。

佐渡は淋しいところのハズなんですが、ジェットフォイルは予約分で満席、しかもレンタカーは数週間前に予約を入れようとした時点でトヨタレンタカーやタイムズカーレンタルは空車無しという有様でした。大人気じゃねーか佐渡

なお、ジェットフォイルは視界の良さを期待して1階の先頭列の席を予約していたんですが、そこからの眺めはこんな感じ。

……何か、何か期待していたのと違う……。

ちょっとアンニュイな気分に包まれている間に、船は両津港に到着。両津といえば『こち亀』の両さんの名字の由来となった街、ひょっとしたらどこかに両さんのイラストとかあったりして……などと思ったりもしたんですが、あったのは佐渡おけさの像でした。

道路をまたぐ連絡橋の名前も「おけさばし」。佐渡おけさ全力プッシュ。

クルマはフェリーターミナルから少し歩いたところにあるニッポンレンタカーで借りたんですが、コンパクトカーの空きが無かったのでもう一つ上のクラスを車種お任せで予約しといたらインプレッサでした。分かってるじゃないかニッポンレンタカー

そういや島内でレガシィのパトカーを見かけたりもしたんですが、新潟って隣が群馬(スバルの工場がある)だし雪国でもあるし、スバルのシェアが高いんでしょうか。

清水寺

そしてまず足を運んでみたのが清水寺

……「きよみずでら」ではなく「せいすいじ」と読むそうなんですが。しかしお寺のWEBページによると桓武天皇の時代に清水寺を模して作られたというんだから驚きです。なので当然清水の舞台があります。

ただ、なんかお堂の中はボロボロで朽ちる寸前といった趣。歴史があるお寺という割には、全然手入れされてないようですが……。

鐘楼にも肝心の鐘がありません。

境内には複数の蔵や、集会所なんかに使われていたっぽいお堂もあり、昔はそれなりに人が集まっていたお寺だったようにも見えるんですが、どういう経緯でここまで人の気配が無くボロボロになってしまったのか気になるところです。京都の清水寺を想像して来るとめちゃくちゃガッカリする場所ですが、別の意味で印象に残るお寺だなぁ……。

長谷寺

続いて来てみたのが長谷寺

なお、「はせでら」ではなく「ちょうこくじ」と読む模様。清水寺といいここといい、なんかの引っかけ問題でしょうか。こちらはお寺の説明によると807年に弘法大師が開いたとされるこれまたかなりの歴史があるお寺。奈良の長谷寺を模したんだそうな。

石段を登った一番奥が本堂かと思いきや、石段途中を右手に入ったところだった模様。

本堂から石段奥の観音堂まで回廊で繋がっており、その途中に鐘楼があるという。こういうの、あんまり他で見た記憶が無いです。

境内の奥の方には竹村九郎右エ門という人の五輪塔があったんですが、説明書きによるとこの人江戸時代初期に佐渡奉行を務めた人物で、33年に一度だけ開帳されるという本尊を無理矢理見ようとしたところ目が見えなくなってしまったんだとか。ムスカみたいなヤツですね。

妙宣寺

長谷寺の後に訪れたのが妙宣寺。寺ばっかですいませんこれでラストです。

こちらは新潟で唯一の五重塔があるという、日蓮宗のお寺。五重塔は江戸時代のもので、国重文。佐渡島にこんな立派な五重塔があるというのはちょっと驚き。

境内もずいぶんとキレイで、庭園も見栄えがします。清水寺とはなんだったのか。

佐渡島日蓮が配流された場所でもありますが、こんだけ立派な日蓮宗のお寺があるのもその辺となんか関係あるんでしょうか。

ここの境内には戦国期に雑太(さわた)城という城があったそうで、上杉景勝佐渡を支配するようになった際に廃城とされ、直江兼続が城の土地を妙宣寺に与えたんだそうな。今でもちょっとだけ堀と土塁の痕跡が残されてます。

あと、境内にある番神堂には加藤清正が祀られてました。そういや清正は日蓮宗の信徒でしたか。

佐渡島でも上杉景勝直江兼続、そして加藤清正の名前が出てくるとは。結構いろいろあるじゃないですか、佐渡島

……続く。