大須は萌えているか?

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F1[16] モナコGP 決勝

あまりに音楽業界に疎いもんだから、表彰台近くに居たジャスティン・ビーバーを見て「この人誰?」と思っていたのが私です。F1モナコGP決勝。

リカルドがブチ切れた

ウェットスタートとなった今年のモナコGPセーフティーカー先導によるローリングスタートとなったため、こりゃあリカルド有利になったかな?と思いつつ、ここから乾いていくならば路面状況の見極めがキモになりそうだなぁ、という感じもしたりして。

で、実際レースが進むに連れ晴れ間が覗くようになり、路面の水は少なくなっていき、10周ちょいあたりからフルウェット⇒インターミディエイトに交換するチームが出始めたりして。そんな中、2番手を走っていたロズベルグはまったくペースが伸びず、とうとうチームの指示ですぐ後ろを走っていたハミルトンに順位を譲るハメに。ロズベルグ曰く、マシンのブレーキかなんかに違和感があり、自信を持って攻められる状況ではなかった、というコトのようで。

トト・ウォルフはロズベルグのペースが上がらないのはタイヤの温度の問題だと見てしばらく様子を見たものの、ロズベルグのペースが上がらないままだったのでマシンに問題があると判断、譲るよう指示を出したとのこと。「ルイスに譲るよう指示したときに、ニコから質問されなかった?」という質問には「ひとつの質問も無かった!」んだそうな。

Moving aside tough pill to swallow for Rosberg - Toto Wolff Q&A

その後ハミルトンがリカルドを猛追する格好になるワケですが、ハミルトン2番手浮上時点でのリカルドとの差は14秒。一気に詰め寄れる差ではありません。1周ごとにじりじり差を詰め、23周目時点で10秒台にまで差を縮めるコトに成功。このタイミングでリカルドはピットイン、インターミディエイトに交換。一方のハミルトンは、ウェットタイヤのまま引っ張るというギャンブルに。これでトラックポジションはハミルトンが前に。

この作戦はハミルトンの方から提案したようで、それをチームが了承したみたいですね。フルウェットでもまだタイムが出ていたし、感触も良かったんでしょう。そして32周目までウェットのまま引っ張ったハミルトン、レコードラインが乾いてきたとみてウルトラソフトに交換。このあと路面が乾ききってフルディスタンス走るとなるとウルトラソフトで走りきれるかどうか際どいラインですが、イケると踏んでいたんでしょうね。

この時点で再びトップに立ったリカルドも、次の周にすぐさま反応しピットへ。しかしここで、ピットにタイヤが用意されていなかったというレッドブル痛恨のミス。この有様を見て、最初リカルドがピットインの判断をしてピットに飛びこんだのかと思ったんですが、リカルドは「チームにピットインを指示されたから入った」とコメント。なんということでしょう。

これが致命傷となり、もう一度前に出たハミルトンがトップを堅持、優勝を飾ったと。最後まで持つのか不安視されたウルトラソフトも、最後まで持たせてみせちゃいましたね。ちなみにハミルトンがファステストラップをマークしたのはチェッカー6周前の72周目。実に巧みなタイヤマネージメントでした。

しかし、昨年はハミルトンがチームとのコミュニケーションミスで優勝を逃してしまったワケですが、今度はリカルドがコミュニケーションミスの罠にハマってしまうとは。ていうか、リカルドにしてみれば「チームの指示に従ってピットに入っただけ」なワケで、彼に非がある話では無いんですけどね。

記者会見でリカルドは「2戦続けて、2戦続けてだ。僕が言えるのはそれが全てだ」とガチ切れ風味のコメントしてますね。

Two races in a row, two races in a row. That’s all I can say.

via: FIA post-race press conference - Monaco

もうリカルドの中ではチームへの不信感が有頂天に違いありません。表彰台で一切笑顔が無いリカルドなんて初めて見ましたよ。今回はフェルスタッペンが後方を走っていた(その後クラッシュ)のでわざとそうしたなんてコトは無いでしょうが、かつての常勝チームとしては有り得ないミス。それでスペインに続いての数少ない勝機、しかもモナコでの勝利を逃したんだから、そりゃリカルドぶち切れても責められませんわ……。

レッドブルのヘルムート・マルコは「これは人為的なミスだ」とチームの非を認め、平謝りモードになっている模様。

Red Bull’s motorsport advisor Helmut Marko agreed the pit stop issue handed victory to Mercedes, adding: “We presented it to Mercedes. Unfortunately, a lot of misunderstanding and not the right communication.

“We will investigate and find out [what happened], but it was a human mistake.

“I feel really sorry [for Ricciardo]. All we can do is apologise to him.”

via: Ricciardo ‘feels like he has been run over’ after Red Bull error

謝るだけでリカルドの怒りが解ければ良いんですが、2戦連続ですからね、こりゃ大変かも。ライバルチームの皆さん、リカルドを引き抜くなら今ですよ(?)。

一方でようやく今季初優勝を達成したハミルトン、ロズベルグが下位に沈んだレースで優勝できたというのも大きいですね。これで一気に風向きが変わる可能性も。これでカナダでもハミルトンが連勝したりしたら、今度はロズベルグが慌てる番かもね。しかしながら、まだポイント差はあるので、優勝を逃してもきっちり2位をキープするのが肝要かと思われます。

そのほか

リカルドの件で長くなりすぎた。

フェルスタッペンはどうもモナコ駄目ですねぇ。そこはやはり、彼の若さ故の「荒さ」が出ちゃってる部分なのかもしれません。ここは今後の成長課題でしょうね。しかし、ドライタイヤに履き替えたあとのオーバーテイクショー(モナコなのに)はキレてましたし、やはりタダモノではありません。

マクラーレンはダブル入賞&アロンソは5位とマクラーレン・ホンダとしては昨年のハンガリーに並ぶベストリザルト。こういう荒れたコンディションのモナコ、やはりアロンソ&バトンのベテランドライバーは良い仕事します。マシンと言うよりはドライバーを賞賛したい感じですが、チーム自体ももうちょっと上昇気流に乗ってくれれば……。

当然のようにクラッシュシーンも多かったですが、クビアトとマグヌッセンの接触はいかんですね。クビアト的に。ロシアでやらかして降格した挙げ句、トロロッソでもこういうクラッシュをしてしまうのはまずいです。サインツは手堅く入賞しているので尚更。

ザウバーの同士討ちもまー最悪ですね。お金のないチームでこんなコトやってる場合じゃありません。どちらかといえば、エリクソンの動きが楽観的過ぎましたね。エリクソンはクビアトと共に、カナダでグリッドダウンペナルティを科せられるようで。

クビアト&エリクソン、カナダでグリッド降格ペナルティ - F1 NEWS【STINGER】

フロントウイングを引きずって走ってたライコネンはお咎めなしのようですが、アレでとばっちり食ったグロージャンはちょっと気の毒なのでは……。

あ、あと3位に入ったペレスは力強いレースしてましたねぇ。ストリートコース得意なのに加え、いろんな要素がガッチリ噛み合ってた感じありましたね。ザウバーで表彰台をぽんぽーんと獲得していた時の彼を思い出しました。ていうかフェラーリはもっと頑張ろう。いやホントに。