大須は萌えているか?

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F1[16] 日本GP 決勝

なんかもう1コーナーがどうとか言う前に勝負決まっちゃった感じでした。F1日本GP決勝。

スタートでやってもうたぁぁぁぁ

決勝の見所はなんと言ってもスタート、ロズベルグとハミルトンのどちらが1コーナーを取るのか。去年はスタートで先行したハミルトンがそのままスルッと勝っちゃったワケですし。……が、スタートした瞬間に一目で分かるレベルでハミルトンが大失敗。マシンが全然加速しない的な。みるみる8番手まで順位を落としたハミルトン、これで勝利は相当厳しい状態に。やっぱりメルセデスのスタートはまだ……。

先頭に出たロズベルグはその後まったく危なげの無い展開。意外と後ろに居たフェルスタッペンとの差が開かないな、と思ったりもしましたが、タイヤに厳しい鈴鹿ゆえ後続との感覚を最小限に留めながらタイヤをマネージメントしてたんですね。ちょっと差が詰まり気味になったときにはさっとペースを上げて間隔を広げたりしてましたしね。まったく危なげの無い、完璧な勝利でした。

ハミルトン vs ベッテル

一方スタートでやらかしてしまったハミルトン、第1スティントは後方で様子を伺っている感じでしたが、第2スティントでハードタイヤに履き替えてからスイッチが入ったようでベッテルの後ろ4番手まで浮上。ベッテルとの差はそこそこあったので、これハミルトンは最後に3位表彰台をベッテルと争うレースになるかな?と思ったりしていたんです、んが、ハミルトンはベッテルより速いラップタイムをコンスタントに重ね、ハミルトンのピットアウト直後には13秒ちょいあったハズの差がどんどこ縮まり、さらにベッテルが履いてるハードタイヤが15周過ぎた辺りからガターンとペースが落ちたりして。

そして気付けばその差は4秒を切った……というところでハミルトンがベッテルに先行して2度目のピットイン。ベッテルはその2周後にピットインするんですが、時既に遅くタイヤを履き替えて猛プッシュしたハミルトンにひっくり返されてしまいました。……なんかシンガポールでもハミルトンにまんまとアンダーカットやられてませんでしたかフェラーリさん?

この2度目のピットイン時点でハミルトンは残り周回が20周あったこともあり、ハードタイヤに交換。しかしその2周後、つまり残り18周というタイミングでピットに入ったベッテルはソフトタイヤをチョイス。それだと残り周回厳しくないか……?と思われましたが、実際ラスト3〜4周はガクーンとラップタイム落ちちゃってましたね。

フェラーリの戦略について、ベッテルはレース後のコメントで「レース後あーだこーだ言うのは簡単だけど、あのときはそれが正しい決断だったと思うよ」とフォローしてます。ていうか、こういう光景も今シーズンお馴染みにモノになっちゃってますねぇ。

"It’s easy to analyse now and say what we could have done and when, but in the moment I think it was the right decision,” said Vettel to suggestions that Ferrari had erred in leaving him out.

via: Vettel: No blame over Ferrari strategy

結果的に今日のフェラーリにはハミルトンに対抗できるだけの速さは無かったでしょうし、この作戦によってベッテルはそれ以上のポジションを失っているワケでは無いので、それはそれで仕方ない、という感じではあるでしょうけど。ただまー、フェラーリの内紛を煽るメディアはたくさんありますからね、ベッテルライコネンが一番ストレスに感じているのはチーム戦略よりもプレス対応なのかもしれません。

ハミルトン vs フェルスタッペン

ベッテルをうまいことアンダーカットしたハミルトン、さらにペースを伸ばしてお次は2番手を走るフェルスタッペン狙いに。みるみる差を詰めてDRS圏内に近づいたハミルトン、こりゃフェルスタッペンも敵わんだろう……と思いきや、レッドブルのマシンのトラクションの良さを活かしてなかなかぴったりとハミルトンを近づけさせません。

で、ファイナルラップ直前の52周目、シケインの飛び込みでインを狙うハミルトンに対し、フェルスタッペンはインをブロックした結果ハミルトンはこれをアウト側に避けてオーバーランファイナルラップに仕掛けるタイミングも失い3位チェッカーという形に。

このフェルスタッペンのライン取りがシケインのアウト側からスッとイン側に寄ってきた感じで、これをメルセデスがスポーティングレギュレーション27.5条(『車両はいかなる時にも、不必要に速度を落とし不安定な走行、あるいは他のドライバーまたはそれ以外の人に危険を及ぼす可能性があるとみなされる方法で運転できない』)違反の疑いがあるとしてレース後に抗議。しかしながら、さらにその後抗議は撤回されたようです。

Mercedes withdraw Verstappen protest(動画有り)

なにかと批判の対象になっているフェルスタッペンのライン取りですが、今回は27.6条違反「2回以上ラインを変更した」とは言いづらいので27.5にした感じでしょうか。しかしこれも微妙なところで、フェルスタッペンはハミルトンがイン側にマシンを向けた瞬間に反応している、つまりハミルトンのマシンがまだ完全にフェルスタッペンの後方に居るタイミングでブロック行動をしているワケです。

確かにお行儀が良いとは言えませんが、ペナルティ対象となるかと言われると正直びみょい。てか、フェルスタッペンはこういう「アウトかセーフかギリギリのライン」を突くコトに長けてますねぇ。それが危険と評される要因ともなっているワケなんですけど、この「レギュレーション上許容されるギリギリのところを突く」というスキルはF1で何度もチャンピオンに輝くようなドライバーにはある意味必須のスキルとも言えます。

ベッテルやハミルトンだって、若いフェルスタッペンの走りを真っ正面から非難できはしないハズ。非難したらそれはブーメランになって返ってきますからね。今回のメルセデスの抗議も、ハミルトンの要望で取り下げられたという話ですが……ハミルトンにしてみれば、「OKわかった、なら俺も遠慮しない」という感じでしょうか。

ハミルトンが3位に終わったコトによりロズベルグとのポイント差は33まで開く形に。残り4戦でこのポイント差はなかなかヘビーな感じになってきましたが、しかしロズベルグのマシンにトラブルが起きる可能性だってあるワケですから、まだなんとも言えないところ。それにね−、いよいよホントにタイトルが目の前って状態になったとき、ロズベルグがどこまで平静を保っていられるか、というのが気になるところですよ。そこは3度のチャンピオンに輝いているハミルトンの方が有利なハズ。

そのほか

なんか長くなってしまった気がする。

最終スティント、なにげに盛り上がっていたのが9・10番手を走るウイリアムズの2台と11番手のグロージャンの争い。ウイリアムズはミディアム⇒ハードとタイヤをスイッチしての1ストップ作戦を敢行してギリギリダブル入賞可能なラインを走行中、2度目のピットストップから復帰したグロージャンが20周以上に渡りずーっとケツをつつき回していたっていう。んで、とうとうグロージャンはウイリアムズの壁を崩せず11位チェッカー。ウイリアムズのマッサは鈴鹿ラストランを9位入賞で飾るコトができました。

予選でダブルQ3進出したハースがノーポイントで終わったというのは、チームにしてみれば期待はずれの結果だったでしょうねぇ。これも鈴鹿オーバーテイクの難しさを表す一例と言えそうです。グティエレスシケインサインツと絡みそうになったりしてポジションを落とし、20位フィニッシュで安定のノーポイント街道を維持。うーん、この決勝の勝負弱さは……。

そしてマクラーレン・ホンダの2台は……なにも言いますまい。

しかしなんか今回の鈴鹿、なんか空席がやや目立つなぁなんて思ったりしていたんですが、実際問題3日間通しての入場者数が過去最低となってしまっていたようです。日本人ドライバーいない、ホンダパッとしない、テレビは有料放送しか無いという状態なので、やはりファン層自体がかなり縮小している感じはしますが……。ただ、逆に今でも鈴鹿に欠かさず足を運んでいる人たちはまさに「筋金入り」のファンと言っていいんでしょうね。そりゃF1ドライバーもその熱心さに驚くレベルですわ。ライトファン層が抜け落ちた結果、日本のF1ファンってめっちゃ濃い人ばかりが残っている気がしないでもない。

私はしばらく決勝を現地で見てないので偉そうなコト言えないんですが、来年はマシンがかなりカッコ良くなるみたいだし、コーナーリングスピードもかなり速くなるみたいなので、日程が許せば決勝含め現地観戦したいですね。元々人混みが苦手なので、「今年は良いモノ観られそう」と思えるときじゃないとなかなか足を運びませんで……(金曜日のみ現地観戦するのがベストだと思ってたりする)。しかしこのままだと再び鈴鹿のF1開催が危機に陥ってしまいそうな気配ですし、やはり行けるときに行かないとなぁ。