大須は萌えているか?

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F1[17] オーストラリアGP 予選

2017年もF1、始まりましたね。開幕戦、オーストラリアGP予選。

やっぱりポールはメルセデス

レギュレーションが大きく変わった2017年、各チームの勢力分布図がどう塗り替えられるかが非常に気になるところですが、やはりというかポールを獲得したのはメルセデスのハミルトン。ポールタイムは1分21秒台まで入るのでは……と言われていたものの、結局22秒188(昨年のポールタイムは23秒837)。直線主体のコースだけに、増加したグリップの恩恵が限定的で、むしろ直線でのドラッグ増加が影響しちゃった感じでしょうか。

予選Q2ではボタスがハミルトンに先行したり、ベッテルもハミルトンにコンマ15秒差まで詰めてたりして、こりゃ案外Q3も混戦になるか?と思ったりもしましたが、そこはハミルトン抜かりありませんでした。一人だけQ2⇒Q3で1秒以上のタイムアップを果たし、ベッテルとボタスにコンマ3秒近い差を付けてのポール獲得。こういう駆け引きというかタイムの出し方はさすがですねぇ。

しかしながら、今回フロントロウにベッテルが飛び込んだのは注目ポイント。テストの時から好調が伝えられていたフェラーリ、それがどうやらウソでも無さそうだというコトが証明されたワケですからね。しかもベッテル、最終アタックでちょっとミスしたとか言ってるし。あとは決勝のレースペースでどこまでメルセデスに食らいつけるかですが、フェラーリが優勝争いに絡んだ方がそりゃー面白いに決まってますからね。ぜひ頑張っていただきたく。

一方でボタスは可も無く不可も無い、といった出足でしょうか。ベッテルに前に出られてしまったものの、僅差ではありますし。ハミルトンとのコンマ3秒という差がどうかなーって感じですが、昨年のロズベルグも予選でハミルトンにコンマ3秒ちょいの差を付けられていたコトを考えると、まだ大丈夫です(?)。

あと気になるのは、今年からクラッチパドルの操作がよりシビアなものになったという話。

2017年F1ではスタート失敗が増える? すべてをドライバーに委ねる新規則が導入

昨年も開幕からメルセデスがスタートで失敗こいたりといった場面が見られましたが、今年はよりドライバーによってスタートの上手い・下手が出るかもしれない、と。昨年スタートで苦慮したシーンも多かったハミルトン、今年の最大の敵はフェラーリやボタスではなく、クラッチだったりして。

メルセデスフェラーリの後ろは

メルセデスフェラーリがトップ2として抜けた存在となっており、その後ろにレッドブルが居る格好ですね。4番手ライコネンと5番手フェルスタッペンの差はコンマ45秒程度あり、レッドブルメルセデスフェラーリからはやや遅れを取った形になっている雰囲気。そのせいか、リカルドはプッシュしすぎて珍しくタイヤバリアに当たるクラッシュを喫してしまいましたね。

Qualifying - Ricciardo puts his Red Bull into the wall(動画)

母国でいまひとつツキに恵まれないリカルド、クラッシュ後の無線では気落ちしているように聞こえましたが、その後のコメントでは気を取り直しているようです。もちろん、予選順位に不満はあるようですが。

I don’t crash into the barriers often and the last place I want to do that is at home. But I feel I crashed for the right reason, as I was basically pushing and trying to find the limit and these things happen, so let’s say I’m not disappointed by the approach, it was just more of a frustrating outcome, starting 10th instead of being under the top 5.

via: What the teams said - qualifying in Melbourne

フェラーリに対しても出遅れていることは明白であるため、可能な限りプッシュして限界点を探り当てたいという、ある意味前のめりな形でのクラッシュってコトでしょうね。逆に、後続のグループよりは明確に速いマシンに仕上がっているようなので、レッドブルとしては前に追いつくために積極的にリスクを取るべき状況なのでしょう。

それから驚いたのは6番手に飛び込んできたグロージャンフェラーリカスタマーの中ではダントツの速さ。しかしながら一方で、ハースに移籍してきたマグヌッセンは17番手と大低迷しているので、ハースの実力というよりはグロージャンがスゴイのかもしれません。てかマグヌッセンはザウバーより遅いけど、もうちょっとなんとかならんかったのか。

グロージャンの後ろにはまさかの引退撤回となったマッサが居ますが、こちらもチームメイトのルーキー、ランス・ストロールが19番手と大低迷。この2チームはチームメイト同士で明暗が分かれまくっててある意味面白いですが。ストロールはFP3の終盤でやらかしたクラッシュの影響もあったでしょうが、苦いデビュー戦となりそうです。親がスーパー金持ちなのでお坊ちゃんペイドライバー扱いされてたりもしますが、そういう声を黙らせるパフォーマンスを発揮できるようになるかどうか。

雰囲気的にはハース、ウイリアムズ、トロロッソルノー、フォースインディアあたりが今年も7~10位あたりのポイント圏内を争う常連になるのかな、って感じがしますが、ハースとウイリアムズはチームメイト間の実力のバラツキがネックになっちゃうかもね?ルノーのパーマー、フォースインディアのオコンもチームメイトに比べるとやや出遅れている感はありますが。安定感で言ったら、昨年と同じドライバーラインナップを敷いているトロロッソが有利なのかもしれない。

マクラーレン・ホンダ

そして我らがマクラーレン・ホンダは……アロンソが13番手、バンドーンは燃圧のトラブルが出て18番手止まり。とりあえず、テストで色々言われていたホンダPU自体のトラブルは出ず一安心ですが、やはりクルマそのもののパフォーマンスが低いコトは見えてしまった感じですね。昨年の予選順位が12・13番手だったコトを考えると、むしろ退化してしまっているワケで。

もちろん、ホンダPUは昨年から設計を一新したモノになっているので、信頼性のトラブルが出るのはある意味仕方のないところではあります……が、パワーが低いというのはかなりマズい。一応、ホンダの長谷川さんによると昨年型よりもパワーは出ているみたいですが、やはり他PUに比べるとスピードが見劣りするのは事実。

アロンソは、パワーユニットの信頼性の低さよりもパワーが足りないことに不満を抱いているが、長谷川総責任者は今季エンジンは、ホンダの目標にはまだ達していないにしても、パワーの面で改善はしていると語った。

「私たちが独自に設定した目標値にはまだ達していません。具体的な数値は明かせませんが」と長谷川総責任者。

「パワーは去年のアブダビのものより向上しています。ただドラッグが増えていますし、タイヤが太くなっており、ドライバーとしてはスピードが落ちたと感じるのかもしれません」

via: ホンダF1が懸念するバイブレーション問題の現状「エンジン側の対策は講じたが、再発しないとは断言できない」

既にホンダは2~3ヶ月後を目処に新型のICEを投入する計画を進めているようで、それはつまりエンジン本体に大きな見直しが必要なコトをホンダも認識しているからでしょう。開幕前からマクラーレンアロンソはホンダに批難の矛先を集中させており、車体側には問題無いと言わんばかりではありますが……それも正直よくわからない。結局、現代F1で重要なのは車体とPUの「パッケージング」ですしね。

正直なところ、この予選の雰囲気を見る限り、今年いっぱいを費やしてもマクラーレン・ホンダが表彰台争いの常連になれるとは思えませんし、そうなればアロンソは今期いっぱいでマクラーレンを離脱するでしょう。であれば、ホンダもマクラーレンとのジョイントを解消して、複数チームの供給をOKしてくれるチームと契約すべきじゃないですかねぇ。マクラーレンも再度メルセデスと組めば、車体側の言い訳ができなくなって良いんじゃないでしょうか(?)。

しかしマクラーレンさん、ホンダにスイッチする前の2013~2014年にはメルセデスエンジンを使用しながら、大不振に陥ってたのを忘れてはないよね?