大須は萌えているか?

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山陰ローカル線ツアー その1 伯備線~芸備線~木次線~山陰本線

※私は鉄道マニアというワケではないので、マニアックな話は出てきません

盆休みに食い込んでいた仕事が一区切りついたので、気晴らしにちょいと出掛けてきました。

急な思いつきだったので、どこに出掛けようか5分くらい悩んだのですが……そういや12ある現存天守のうち、唯一まだ訪れて無い松江城を見に行こう、と思い立ちました。2015年に四国の現存天守を巡った時点で、残るは松江城だけになってたんですよね。

ルート検討

松江は今まで何度かクルマで行っているんですが、今回は趣向を変えてJRで行ってみるかと。名古屋から松江まで鉄道で行こうと思うと、新幹線で岡山まで行き、そこから特急「やくも」に乗りかえるのが一般的かと思いますが、ここでつい、よりマイナーな山陰のローカル線を堪能してみようと思ってしまったのです。

なんでそんなコト思ってしまったかというと、前回島根を訪れた際に広島から島根へ抜ける国道314号線を走っておりまして、その国道と併走していたJR木次線に乗ってみたくなったんですね。クルマで線路沿い走ってても、走っている木次線をまったく見られなかったんで。なんせ、Wikipediaによると2015年度の輸送密度が1日あたり215人、岡山方面から向かった場合の起点となる備後落合駅の時刻表を見ると、なんと1日に4本しか発車しない(出雲横田以降でもうちょっと本数増える)というグレートな路線。そりゃ見かけるワケもない。

で、その超過疎路線になんとか乗れないかと乗り換え案内のアプリで調べてみたところ、いい案配で乗り継げるコトが判明。

  1. 【のぞみ101号 広島行】名古屋 9:23発 ⇒ 岡山 11:04着
  2. 伯備線 新見行】岡山 11:15発 ⇒ 新見 12:46着
  3. 芸備線 備後落合行】新見 13:01発 ⇒ 備後落合 14:25着
  4. 木次線 宍道行】備後落合 14:41発 ⇒ 宍道 17:36着
  5. 山陰本線 米子行】宍道 17:40発 ⇒ 松江 18:01着

木次線に乗りつつ、18時くらいには松江に着けます。バッチリです。強いて問題点を挙げるとするならば、名古屋出てから木次線に乗るまでに5時間以上掛かること、木次線に一度乗ったら3時間近く乗りっぱなし(途中下車したら2~3時間くらい次が来ない)というコトくらいでしょうか。まぁなんとかなるでしょう。

切符購入

んで、とりあえず松江の宿だけ手配して、切符は当日名古屋駅みどりの窓口で購入。こういうとき、青春18きっぷを買うのも手なんですが、今回は普通に長距離切符買いました。理由として、

  • 岡山までは新幹線使いたい(青春18きっぷの場合、新幹線の区間は別途切符を買わないといけない)
  • 5回も使わない(青春18きっぷは5回分のセットで、バラ購入できない)

の2点があります。

18きっぷは5回分1セットで11,850円、てことは1回分2,370円。名古屋から岡山までの乗車券が6,260円なので、新幹線+18きっぷの場合、新幹線の特急(指定)料金を別にして切符代が8,630円となり、実はこれでも普通に長距離切符買うより1,000円くらいお得なんですね。

ただ、これはあくまで18きっぷを1回あたり換算で考えた場合の話であって、往復で2回使用したとしても、あと3回分も使うアテが無いってのが一番の問題で(夏季用の場合、9月10日までに使い切らないといけない)。余った18きっぷを金券ショップに売るという手もあるようですが、金券ショップって利用したコトないので相場がよくわからないし、そこに時間使うくらいなら普通に切符買った方が良かろう、と。

なお、今回のように敢えて最適なルートを外れた乗り継ぎをする場合、運賃が異なってしまうため経路をキチンと指定して切符を購入する必要があるワケですが、窓口で乗り換えルートを検索したアプリの画面を見せて「このルートの乗車券と新幹線指定席ください」と言ったらすんなり購入できました。

こんなややこしい経由が書かれた切符、初めて見た。

伯備線(岡山~新見)

新幹線で岡山到着後、伯備線の新見行きに乗り換え。

伯備線は特急「やくも」や、人気の寝台列車サンライズ出雲」も通る陰陽連絡線の中でも最もメジャーな存在。なので、ここはまだそんなにローカルな感じでもない。お客さんも途中まで少し立ってる人が居るくらいに混んでたし。「やくも」は以前備中松山城に行った時に一度乗ってます。今回は普通列車なので、新見までの80.3kmを1時間半かけて進みます。……新幹線で名古屋から岡山まで来る時間とそんなに変わらないな……。

なお、嫌な予感がしたので、昼飯は岡山到着前に新幹線の中で済ませました(正解だった)。

そして新見駅着。……うーん田舎。

なお、乗り換える芸備線のホームには結構人がおり、雰囲気的に青春18キッパーと思われる「乗り鉄」の方々が大半を占めているようでした。

芸備線(新見~備後落合)

そして、乗り換えの芸備線が到着。1両・ワンマンのキハ120形。なんかバスみたいだ。

なおこのキハ120形、このあと散々お世話になるコトになります。車内は一部クロスシートがある他はロングシートとなっており、乗り鉄の方々が結構大勢居たコトもあり、私は運転席に一番近いロングシートの端に座っておりました。木次線の車窓を期待してのルートでしたが、この芸備線も相当なもんでした。

芸備線って新見から端は広島までを結ぶ(ただし直通は無い)路線ですが、広島に近いエリアはまだしも、木次線と連絡する備後落合付近の区間木次線をも超えるスーパー過疎路線のようで。

新見駅からの列車の半分は東城駅までの運転で、備後落合駅 - 東城駅間は1日わずか3往復の超過疎路線であり、平均通過人員が1日8人と報じられたこともある。

via: 芸備線 - Wikipedia

んー、たしかに東城駅の時刻表見ると、1度下りちゃうと次来るの5時間半後だ。なるほど、乗り鉄の皆さんが目を付けるワケだ……。なお芸備線は、新見~備後落合の51kmの区間を1時間24分かけて進みます。……伯備線よりさらに遅くなってるね。

なお、こういう状況になってくるとトイレが心配になってくるワケですが、キハ120形は車内にトイレがあるのでひとまず安心(新車のときには無かったようで、あとから追加された模様)。

そして到着した備後落合は、新見駅を上回る田舎っぷり。

写真奥の3番線に止まっているのが新見から乗ってきた車両で、2番線に止まっているのがここから先の三次駅まで行く車両。私が乗り換える木次線は1番線からの発車なので、線路を渡って待ちます。乗り鉄の皆さんは、三次行きに乗った人と、木次線に乗り換える人で分かれた感じ。

木次線(備後落合~宍道

備後落合駅には、「奥出雲おろち号」の幟が立ってたりもしました。

これ、木次線を走る観光用トロッコ列車(⇒ 奥出雲おろち号【JR木次線トロッコ列車】 | 出雲の國・斐伊川サミット)なんですが、ちょうど自分が乗る列車の1つ前に備後落合出発なんですよね。興味はあるものの、時間的にどうしても乗れないんだけどさ。あと、全席指定らしいので、予め指定券を買っておく必要があるようです。

そしてやってきた木次線、色は違えどキハ120形。

なおこの車両は、全席ロングシートでした。やはりそこそこの18キッパーが乗っており、空席がほぼ無いくらい。過疎路線だけど、18きっぷの時期だけは混むっていうワケね……。

この木次線は、宍道までの81.9kmを2時間55分かけて進みます……って伯備線と大して距離変わらないのに、時間が倍になってる!というのも結局、深い山間を進むので、徐行する区間がかなり多いんですね。カーブが多いのもあるし、走行中に線路脇から伸びた草木が車両を叩く音が結構したりして。これは芸備線もそうだったんですけど。

車窓からは、以前クルマで走った奥出雲おろちループを見るコトもできました。これだけだとなんだか良く分からんですが。

木次線では車両後端に座っていたんですが、しばらくすると乗り鉄の皆さんが後端側に集まってきました。

そういや木次線って、出雲坂根駅の手前でスイッチバックするんでした。このポイントから出雲坂根駅まではこちらが先頭になり、出雲坂根駅からは再び運転席を入れ替えて進むという三段式スイッチバック。ちゃんと皆さん、そのポイントを分かってらっしゃるという。

そして出雲坂根駅に到着。ちょっとだけ停車時間があるので、その隙に車外で撮影。自分が立っている側が今までの進行方向でしたが、ここから再度方向転換して、写真奥側へ進みます。面白い。

そして再び列車が進む中で、見覚えのある景色が。

ここ、2013年にクルマで松江行った時に「木次線こねーかなー」と少し眺めてた場所なんです。↓2013年の写真。

4年後、こうして木次線に乗って再びやって来られて俺大勝利……なのか?

その後ダイヤの調整のためか、木次駅で18分ほど停車。木次線上下線の夢の2ショット(?)。

なお、木次って「きつぎ」って読むものだと思ってたんですが、実は「きすき」だったりして。読めん。

木次駅には車両基地もあり、奥出雲おろち号も止まってました。いつか乗りたい気もするが……。

そして17時に木次を出発、30分ちょい後に無事宍道駅に到着。3時間近くに渡ってお世話になりました、面白かったです。途中だいぶダレてたけど。

宍道駅からは山陰本線。こちらも「本線」と言いながら大変ローカル色の濃い路線(やってきたのもキハ40形だ)ですが、木次線に比べると段違いのスピードが出るもんだから「これが文明開化ってやつか……」とわけのわからないことを思ったりしてました。

そして定刻通り、18:01に松江着。

しかしよく考えると、こんだけ山の中を進むマニアックな路線を10~15分くらいの間隔で乗り継いで、定刻通りに松江に到着できるってスゴイことなのかもしれない。まぁ、芸備線木次線は山の中を進むコトもあって、災害とかの影響は受けやすそうだけど(この出掛けた日の前日、運行情報調べてみたら芸備線が大雨で遅延とか書いてあってちょっとヒヤヒヤしてた)。

ずっと鉄道に乗っていただけとはいえ、さすがにクタクタになっていたのでサクッとメシ食ってホテルでだらけようと思ったものの、松江の駅前って王将とかココイチ的なのは全然無いのね……。とりあえず、駅ビルに入ってた杵屋(名古屋にもあるチェーンのうどん屋)で済ませました。

……つづく。