今年で見納め、F1マレーシアGP予選。
- 予選結果: 2017 FORMULA 1 PETRONAS MALAYSIA GRAND PRIX - QUALIFYING
- 予選ダイジェスト: Qualifying - Hamilton grabs Sepang pole, Vettel to start last(動画有)
- 予選後各チームコメント: What the teams said - qualifying in Malaysia
- 予選後記者会見: FIA post-qualifying press conference - Malaysia
最後のマレーシアGPでメルセデスが
F1開催国の中では比較的新しい方だと思っていたマレーシアも、なんやかんやで20年近くグランプリを開催してきたコトになるんですねぇ(初開催は1999年)。マレーシアはレースの冠スポンサー及びメルセデスのメインスポンサーを務めるペトロナスの母国でもありますが、ペトロナス自身はザウバーのスポンサーとして1996年からF1に参入しており、母国GPよりもF1との関わりは早かったりします。
しかし、マレーシアGP終了に伴いペトロナスがF1から撤退、それが引き金となってメルセデス自体もF1から撤退するようだ、なんて話を以前エディー・ジョーダンがパドックで吹聴して話題になっておりましたが、結局メルセデスとペトロナスは来年以降3年間のスポンサー契約延長を発表して今に至っております。アレ何だったんですかね。
で、そんなマレーシアでの最後のF1、メルセデスにとっては厳しい予選になると思われておりました。フリー走行からタイムの出方が思わしくなく、予選前のFP3でもフェラーリとレッドブルのリカルドの後ろでしたしね。本来ここはメルセデスに分があると思っていただけに、これはこれで意外な展開だったんですが。
が、FP3の最後に、ベッテルのマシンにトラブルが発生、急遽予選前にパワーユニットのICEとMGU-Hを新品に交換するコトに。ベッテルのトラブルは電気系統だという話だったので、なんでPUのコンポーネントを丸ごと入れ替えるの?と疑問があったりもしますが、その場でパッと直せる類いのモノではなく、交換するしか手が無かったというのがフェラーリの説明のようです。
とりあえず予選までにPUの交換を完了させたフェラーリですが、Q1でベッテルのマシンのターボに異常が発生。恐らくはPUを急遽載せ替えたコトに端を発するトラブルのように見受けられますが、詳細は不明。ただ、これでハミルトンは労せずして最大のライバルがいなくなったコトになります。
それでも、フェラーリやレッドブルに対してメルセデスのハンデはあるかと思われたんですが、Q1・Q2のハミルトンはライコネンやフェルスタッペンに対してほぼ互角。Q3最後までもつれるかと思ったんですが、ハミルトンはQ2からコンマ9秒アップの1:30.076を記録してポール獲得。ライコネンも追いすがったんですが、あと一歩及びませんでした。
Q2ではハミルトンを凌ぐタイムを記録していた僚友のボタスが、Q3ではQ2からコンマ1秒も上げられなかったコトを考えると驚異的なタイムなんですが、ここまでタイムアップできた理由はハミルトン自身にもわからないようで。
I don’t really know where it came from, to be honest, so I’m a little bit surprised at myself. As I said, it’s a surprise to be up here. I’m very grateful.
ペトロナスの母国としてメルセデスとも縁の深いこの国の最後のレースで、最後にこのようなパフォーマンスを発揮するハミルトン、やはり今年の彼は持ってますねぇ。予選終了後のホームストレートでのインタビューで、グランドスタンドのファンに対して喜びをアピールするハミルトンからは、メルセデスのエースとしてのプロ意識を感じました。
一方で、ベッテルはねぇ……。思いの外フェラーリのパフォーマンスが良くて、こりゃレース展開次第ではタイトル争いの望みを繋げるか、と思ったら予選のトラブル……。前戦のシンガポールといい、このマレーシアといい、ハミルトンとベッテルのツキの良さ/悪さがホント対照的すぎて……。
決勝は悪天候の予報が出ているようで、荒れ方次第ではまだどんな結果が出るか分からない状況ではありますけどね。やはりマレーシアといえば突然の土砂降りですからね。最後のレースもそうなるんでしょうか。
そのほか
今回の予選で、とうとうトロロッソからピエール・ガスリーがデビューしましたね。来シーズンにルノーへの移籍が決まっているサインツではなくてクビアトの代役というところがちょっと泣ける話ではありますが。しかしそのガスリー、デビュー戦とは思えぬ堂々とした走りっぷりでした。最終的な順位こそ15番手とぱっとしない位置ではあるものの、サインツのすぐ後ろ、コンマ15秒差と考えれば上々でしょう。Q1じゃサインツのタイムを上回ってたしね。
このマレーシアと日本GPは少なくともガスリーが乗るようですが、クビアトの復帰の可能性については「すべてオープンだ」とフランツ・トスト。
It is all open. He is still a Red Bull driver and has a valid contract.
via: Franz Tost Q&A: ‘All is open’ on Kvyat-Toro Rosso return
ただ、もしマレーシアと日本でガスリーが印象的なレースを見せたら、そのままシーズン終了まで乗らせる可能性も……ただ、そうなるとスーパーフォーミュラ最終戦(鈴鹿)には出走できなくなっちゃうので、タイトルに挑戦するガスリーを観てみたい身としては複雑なところでもあります。
自己最高位となる7番手を獲得したバンドーンも、決勝どこまでやれるか気になるところ。アロンソを上回ったというのもポイント高いですね。PUのコトを考えるとマクラーレンがこの位置に来れているのが不思議でもありますが、その辺はエアロパッケージのアップデートが奏功してたりするんでしょうか。
展開的には、雨が引っ掻き回してくれた方が面白いレースになる、かな……?