大須は萌えているか?

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矢場町パルコで「ムー展」を見てきた話

私としては珍しいことに休日に名古屋の伏見まで行く用事があったので、せっかくだからともう少し足を伸ばして、矢場町のパルコで開催されている「ムー展」に来てしまったのでした。ちょうど、この記事を書いている週末で終わっちゃうっていうし。

実のところ私、ムー的なモノは大好きですし、通販でムーのTシャツやスカジャンも買ってしまった過去もあるのですが、肝心のムー本誌はほとんど読んだコトがありません。というのも、私の場合オカルト的なモノは好きだけど、眉唾物の話じゃ無くてホンモノの「超常的な」事象に出くわしたいと願っている人間なので、いかにも嘘くさい話ばかり載ってそうな(失礼)ムー本誌を読む必要は無いかなーと。

ただ、名古屋でこういうムーの展示があるっていうのはなかなか無さそうだし、ちょうど少し時間を潰さないといけなかったので、これはちょうど良いなと。

展示の内容的にはべらぼうに充実しているってワケでも無かったんですが、創刊40周年を迎えたというムーのこれまでの歩みを振り返りつつ、過去の記事がいくつかピックアップして掲示されてたり、ムー本誌や関連書籍を読める「図書館」コーナーがあったり、その他ちょっとした展示物があったり、という感じ。

会場に入って少し進むと、ムー創刊号表紙のでっかいパネルが展示されていたんですが、40年前の創刊号時点で雰囲気が今と全然変わっていないコトに驚愕を覚えます。40年間、ここまでブレずに刊行され続けてきた雑誌ってなかなか無いんじゃなかろうか……。

ついでに言うと、創刊号の表紙に踊っている見出しを見る限り、雑誌タイトルの元になったと思われる「ムー大陸」の特集が組まれていないコトが意外だったりして。その代わり、永井豪石川賢のコンビで「UFOから来た少年 ムー」なるコミックが連載されていたというのが気になります。なお、創刊2号ではムー大陸の特集が組まれたようです。

んで、創刊号から現在に至るまでの表紙が年別にブワーッと掲示されているのが壮観であります。にしても、表紙に踊っている見出しを見ていると、だいたい似たような感じのネタが昔からループしているような気がしないでもありません。

1999年が近づいてくると「ノストラダムスの大予言」だとか、「2000年問題」なんかがよく取り上げられたり、伊勢と出雲の両方で遷宮が行われた2013年には伊勢神宮の特集が度々組まれていたりと、要所要所で時事的な流行り廃りも垣間見られるのが面白いところ。

中には、「異星人グレイの正体は河童だった!!」などという見た瞬間に吹きだしてしまうようなタイトルの特集もあり、内容が気になって仕方有りません。

過去のムー誌面を振り返るパネルには「とにかく、地球は滅亡する!」などと自虐的とも取れるコピーが踊っており、空気感というか、さじ加減が絶妙だなと思ったり。

パネルに掲示されていた1999年8月号のノストラダムス特集の記事には、のっけから「予言の1999年は破滅の年ではなかった!!」と書かれており、「1999年7月」になーんも起きなさそうだからって「こんなん破滅の予言なワケ無いじゃん」みたいな記事を載せちゃう軽妙さは流石だなと思わざるを得ないワケです。

誌面以外の展示物としては、日本における「小型UFO捕獲事件」として広く知られる介良事件で少年達が捕まえたとされるUFOのレプリカ模型なんてのが。これ結局、「ひっくり返したタバコの灰皿」説が濃厚な気がするんですが……。

このUFOの隣には、「織田信長デスマスク」なんてモノが展示されていたんですが、こちらは撮影禁止。ゆーても、メディアとかで過去取り上げられているんで、ググれば画像出てきますけど。デスマスクの歴史は古いようで、信長の時代にもデスマスクを作るという文化は存在していたようですが、パッとググって出てくる事例は皆ヨーロッパのものなんですよねえ。信長のデスマスクを作ったのはイエズス会宣教師が奴隷として連れてきて信長に「献上」された黒人・弥助だったとされているようですが、彼はアフリカ出身だったとされており、そもそも彼がデスマスクを作成する技術を持ち得たのかどうか。

そもそも、本能寺の変後、弥助は一度明智軍に捕縛されたコトになっていますので、その時点でつじつまが合わない話ではあるんですが。信長の首をどこかに隠しておいて、あとで回収したとしても、腐食してしまっていてデスマスクなんて作れないでしょう。加えて、このデスマスク保有している西山さんという方は、信長の子孫を自称している方だという点も考慮しておく必要がありそうです。

そうしたきな臭さもありながら、図書館のコーナーで適当にムーの誌面をめくってみると、過去のオカルトブームを冷静な目線で回顧するような記事も掲載されており、意外と(?)学究的な視点も持っている雑誌なのかなあ、という印象も。だからこそ、40年という長きに渡って雑誌が続いて来たのかも知れませんが。オカルトを好意的に受け止めつつも、無条件で全面的に受け入れてしまったのではただの狂気になってしまうので、時折冷静な視点も差し挟むみたいな。サウナの合間に入る水風呂みたいなもんでしょうか。

このさじ加減こそ、ムーのスゴさなのかもしれません。

もう一個撮影禁止だった展示物に、著名人から寄せられたムー創刊40周年のお祝いメッセージがあったんですが、福山雅治がコメント寄せてたり、吉崎観音ゾンビランドサガのイラストまで掲示してあるカオスぶり。新海誠も中学生の頃ムーを読んでいたっていうし(⇒ 新海誠監督が明かす 映画「君の名は。」と「ムー」の秘密 | ムー PLUS)、クリエイティブな仕事をする人を引きつける何かがムーにはあるんでしょうか。

そういや、来ているお客さんが男性より女性のが多かったのも意外でした。確かに女性もオカルト好きな人は多そうではありますが(占いとかパワースポットは女性のが圧倒的に好きだし)、ムーは基本的に男が読むモノだと思ってたので……。UFOとかUMAが好きな女性というのも、けっこう居るのかな……?