大須は萌えているか?

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京アニの事件にかなりショックを受けた

アニメ会社で放火 33人の死亡確認 35人けが | NHKニュース

自分もかれこれいい年なので、世の中の理不尽や不条理はわかっているつもりですし、何の罪もない人がある日突然死んでしまう、殺されてしまう悲劇は毎日世界中で起きていることもわかっているつもりなんですが、このニュースにはどうも自分が想像している以上に大きなショックを受けてしまいました。

アニメファンのご多分に漏れず、私も京都アニメーションの作品で好きなものは多いですし、DVDやBlu-rayを買い集めた作品もいくつかあります。『涼宮ハルヒの憂鬱』、『けいおん!』、『響け!ユーフォニアム』(『リズと青い鳥』も買いました)。ユーフォの劇場版も数ヶ月前に観てきたばかりでした。

そういった素晴らしい作品群を作っているアニメスタジオで、このような大事件が起きてしまったショックももちろんあるんですが、京アニってたぶん数あるアニメスタジオの中でも一番「製作スタッフの顔が見える」スタジオじゃないかと思うんですね。

「顔が見える」っていうのはちょっと語弊があるんですが、手持ちの京アニ作品のBlu-ray、『けいおん!』と『響け!ユーフォニアム』なんかがそうなんですけど、全話にオーディオコメンタリーが入っているんですね。しかもコメンタリーが2種類あって、ひとつがキャスト(声優さん)のコメンタリー。そしてもうひとつが、スタッフコメンタリー。

制作スタッフのコメンタリーが収録されているアニメBDはもちろん京アニ作品以外にもあると思うんですが、京アニのスタッフコメンタリーのすごいところは、監督や脚本といった人たちだけでなく、いろんな役職の方が入れ替わり立ち替わり登場するんですよね。音響、原画、背景、演出、撮影、文芸、美術、動画検査、等々の、「そんな役職があるんだ……」っていうくらいの様々な方々が参加している。これだけ多様なスタッフの方々がコメンタリーに出演しているのは、京アニくらいなものじゃないでしょうか(少なくとも、自分がBD持ってる他スタジオのアニメ作品では無い)。

BDを買うと、毎回これらのスタッフコメンタリーを聴くのが楽しみでした。もちろん、皆さん喋りのプロではないので、ややダウナー系なテンションになってしまっている時もありますが、それぞれの役職でどういう仕事をされているのか、どういうポイントにこだわっているのかを聴けるのは面白いし、作品に対するこだわりが感じられるものでもあります。スタッフコメンタリーを聴くことで、どういう人たちがこの作品を作っているのかが見えてきて、より作品が面白くなっていたんですよね。

そうした、コメンタリーを通じて、ある意味身近に感じられていたスタッフの方々が多数、この事件に巻き込まれたであろうと考えると、本当にショックなのです。

しかも、これは偶発的な「事故」ではなく、どうやら明確に京アニを狙って行われた放火殺人のようです。犯人の素性や動機等も気になるところではありますが、しかし今それを詮索したところでどうなるものでもありません。ただ、あれだけ素晴らしい仕事をされていた京アニスタッフの方々に殺意が向けられ、そしてあまりにも多数の方が亡くなったという事実が、どうにも受け入れきれません。

焼けたスタジオや物的な被害は取り返しがつくかもしれませんし、ファンが金銭的な支援をする手段だってあるでしょう。しかし、失われたあまりにも多くの命は戻りません。

亡くなった方々のご冥福をお祈りすると共に、被害に遭われた方々の回復をお祈りします。そしてまた、京都アニメーションが素晴らしい作品を発表できるようになることを願ってやみません。