大須は萌えているか?

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2019 SUZUKA 10HOURS を観戦してきた話

8月の24~25日に、鈴鹿サーキットSUZUKA 10 HOURSを観てきた話。毎度のコトではありますが、レースクイーンの写真はぜんぜん有りませんので、悪しからずご了承くださいませ。

昨年、鈴鹿1000kmに代わって新たな鈴鹿真夏の耐久レースとしてスタートしたSUZUKA 10hですが、昨年に続き今年も現地で観戦してきました。私の場合、ふだんはF1ばっか観てて他のレースはそんなにチェックしてないんですが、GTカーのレースは見た目バリエーション豊かなクルマが走ってて、眺めているだけでも結構楽しいもんだから、鈴鹿で開催されるスーパーGTもちょいちょい観にいってます。

そしてこれが1000kmレース、さらに10時間耐久レースとなると、日中ずっとクルマが走り続けているワケですから、レース観戦というよりもお祭りに近い感覚になってきます。サーキットをあちこちほっつき歩いて、写真撮って、ご飯食べて、ビール飲んで、気がついたら日が暮れている、みたいな。F1みたいなスプリントレースと違い、レースの展開を固唾を吞んで見守る、というコトは全然ありません(レース終盤になるとちょっと展開を追い始める)。この緩さが、F1と違う耐久レースの楽しみですね。

土曜日(予選)

私は土曜日と日曜日に鈴鹿へ行ったんですが、今年はその前の木曜日に公道パレードも行われたんですね。

昨年は台風の影響で公道パレードが中止になってしまっていただけに、無事開催されてなによりでした。動画観るとなんか面白そうで、これも現地で見てみたかったなあと……木曜日はなかなか難しいんですけども。

土曜日は11時前くらいにサーキット着と、のんびりめ。午前中に10h出走マシンのフリー走行もあったんですけど、9:15~10:15という時間帯だったので、これに間に合う様にしようと思うと結構早く向かわないとダメだし、それならまあフリー走行は見送ってのんびり行こうと。11:45分からはピットウォークがあったので、軽くご飯食べつつGPスクエアのショップを眺めて、あとはパドックでピットウォークの時間を待っていたのでした。

パドックで見かけた、ストラッカレーシングのタイヤ運搬用のバギーが面白かったです。これ、わざわざヨーロッパから持って来ているんだろうか。

ちなみに、チケットは今年もパドックパスとV2指定席を買っていたのですが、パドックパスは昨年同様プラスチックパス、そして観戦券は5月のスーパーGT観戦時に買った10h観戦券とセットになったプラスチックパス、さらに今年はV2指定席券もハッキネンがでかでかとデザインされた限定のプラスチックパスになっており、日曜日にはこの3つのプラスチックパスを首から提げるという有様になっておりました。

なお、ハッキネンのプラスチックパスの引き換え時には、ハッキネンのサイン入りパスとピットツアーがそれぞれ当たるっていうくじ引きにもチャレンジできたんですが、当然のように両方ハズレでした(昔からクジ運が絶望的に無いのです)。

ピットウォークでは各チームのサイン会も開催されるワケですが、どうせ私でも名前を知っているような有名どころはすぐに人が殺到して締め切られてしまうので、とりあえず手前から奥まで順にピットを眺めていく感じで……。

一番奥の方にあった、史上最強の「客寄せパンダ」ならぬ「客寄せワールドチャンピオン」を擁するPLANEX SMACAM RACINGのピットもすごい人だかり。久保田克明、石浦宏明両選手の姿は見えましたが、ハッキネンの姿は見えず。ここでずっと見ててもアレなので、人だかりとクルマの写真を撮って離れましたが、その後ハッキネンは登場したのかな?

一通り眺めたあと、とりあえずメルセデス系のチームで昨年10h総合優勝を果たしたGruppeM Racingと、ド派手なマシンが目を引くBentley Team M-Sportの皆さんのサイン貰いました。M-Sportのジュール・グーノンって、元F1ドライバーのジャン=マルク・グーノンの息子なんですねえ。

ピットウォークのあとは予選。Q1では各チーム3人のドライバーが1人ずつ、15分×3のセッションでそれぞれタイムを出し、その合算タイムの上位20台がQ2「ポールシュートアウト」に進出する仕組み。Q1~Q3はS字から逆バンクをじわじわ移動しつつ、写真撮りながら見てました。

しかしなんなんでしょうな、この射的の的みたいなクルマは。

Q1とQ2の間が3時間くらい空いているというのがアレだったんですが、その間にまたGPスクエアに戻ってドライバーのトークショーやサイン会の様子を眺めておりました。にしても、脇坂寿一と道上龍のお二人はホントおもろいですね。

ドライバーサイン会は、公式プログラム買った人なら誰でも参加可能、ドライバーとじゃんけんして30人くらいまで人が減るまで勝てば(3回くらい)ドライバー5人のサインが貰えるというステキなイベントだったんですが、私はあっという間に敗北したのは言うまでもありません。

そしてQ2ポールシュートアウトBMWが予選1-3番手に付けたのはビックリ。3人の合算タイムだとそこまで目立ってなかったので……。

日本絡みだと、ル・マンでも奮闘していたCAR GUY RacingがNSXで4番手獲得、ミクさんのTeam GOODSMILEが6番手と好位置。Q1で5番手につけていた、松田次生らの駆るGT-R・KCMG 35号車は13番に終わったのは少々残念。

しかしそういや、昨年もフェラーリがポール獲得したけど、決勝ではレースペースをきっちり仕上げてきたメルセデスセミワークス勢が1-2だったんですよね。予選と決勝はまた別物か……。

日曜日(決勝)

事前の天気予報では曇りとかだった気がするんですが、めっちゃ良い天気でした。つまり暑いです。あちこちほっつき歩こうと思うと、帽子や日焼け止め、冷感タオルといった装備が推奨されます。

決勝スタート時は、マシンをピットウォール前に斜めに並べる「ル・マン式」っぽい感じなんですが、ここからセーフティカー先導でフォーメーションラップに入り、ローリングスタートする形。ドライバーがマシンに駆け込んでスタートしたりはしません。

スタート前のチーム紹介の際、グランドスタンドからDrago CORSEの方にカメラを向けたら中嶋大祐がめっちゃ目線くれてた気がするんだけど偶然だろうか……。

そしてハッキネン様はまースゴイ人気でありますよ。

そして午前10時すぎにレーススタート。BMWベントレーが妙にデカい、逆にアウディは妙に小さい。

しばらくはグランドスタンドからレースを眺め、各チーム最初のルーティンストップをこなす所を見届けておりました。スマカメ号も第一走者の石浦からハッキネンにドライバー交代、ついにミカ・ハッキネンがレースに帰ってきた。

その後しばらくして、パドックを抜けて2コーナー内側の「激感エリア」へ。激感エリアはS字と最終コーナー付近にもありますが、そっちは金網があるので撮影スポットとしてはイマイチなんですよね。

アウディは「RS」シリーズが発売25周年というコトで、それにちなんでWRTがカーナンバー25番、Absolute RacingのR8が125番となっています。WRTのマシンはリヤウイング翼端版とリヤブレーキのエアインテークに日の丸があしらわれており、芸が細かい。

そこから今度はS字トンネルをくぐってD5スタンドへ。10hでパドックパス持ってると、このS字トンネル使えるのが便利だったりします。S字まで最短距離で行けるので。

D5スタンドでしばらく見たあとは、またじりじり逆バンク方面へと移動。なんかミクさん苦戦中?

昨年は黄色い28号車が予選でポールポジションを獲得したHubAuto Corsa。今年は1台のみの参戦ですが、日本で活躍してるヘイキ・コバライネンニック・キャシディも乗っているというコトで注目度の高かった1台。ハッキネンコバライネン鈴鹿で同じレース走ってるって、なんだか不思議な感じも。

ポールポジションからスタートしたTeam SchnitzerのBMWと、アウディ125号車がずっと競い合ってました……が、これトップ争いじゃないんですよね。25号車のアウディが強力なレースペースで先行しちゃってたので。

ベントレーは今年創業100周年なんだそうで、そのせいもあるのか知りませんがあくしゅm……派手なカラーリング。フロントグリルを縁取るようにLEDも埋め込まれており、挙げ句108号車はレースの途中で左のフロントフェンダーを失ったまま激走しており、なんだかモンスターじみております。

KCMGは2台のGT-Rをエントリーしており、35号車のほうに松田次生千代勝正が乗車。クルマのカラーリング、2台でそれぞれ青と白の部分が反転しており、これなら見分けやすいかなーと思ったけどそうでもなかった。

逆バンクからしばらく眺めていたあとは、一度GPスクエアの方に戻り、ご飯食べたりグランドスタンドでしばらくぼへーっとしたり、GPエントランスを出たとこにある赤福氷を食べたりしてました。これ美味い。

やや日が傾いてきた頃に、再びグランドスタンドを離れて西コース方面へ。昨年はパドックのセンターハウスからスプーンまで行ってくれるシャトルバスを利用してみたりもしたんですが、今年は散歩も兼ねて歩き。……すると、130Rでキャシディがドライブしていたフェラーリがクラッシュしてました。結構派手なクラッシュだったっぽい。

一度はキャシディもマシンを降りてヘルメットを脱ぎ、マシンも牽引されていたのでこのままリタイヤなんだなーと思っていたら、その後キャシディがオフィシャルと何か話をして、すったもんだの挙げ句、再びマシンに乗り込んで自走でピットに戻っていったのにはビックリ。

スポンジバリアがうまく衝撃を吸収してくれたのかわかりませんが、フェラーリって結構頑丈なんだなあ……。しかも、その後2時間半の修復を経てレースに復帰したんだから驚きです。

キャシディのクラッシュの影響でセーフティカーが入ったりもしてましたが(そういや2コーナーの激感エリアにいたときも一度入ってたな)、しばらくあとにレース再会。

昨年の覇者・GruppeM Racingのメルセデスは予選では9番手と地味なポジションでしたが、レース後半いつのまにかするすると順位を上げてきてた印象。この辺りは耐久レース巧者というか、長いレースディスタンスを見据えた最適解をはじき出せるチームってコトなんでしょうね。

130Rから少し眺めたあと、ヘアピンへ移動。カラーリングの派手さという意味ではベントレーを超えていたのがSunEnergy1 Racingのメルセデス。フロントに描かれた炎に合わせて、グリルまでちゃんと色が塗られているのがおしゃれポイント。

10hは夜間走行もあるので、各マシンのフロントバンパーに追加のライトが組み込まれてたりもしたんですが、明るいうちからライト全灯で走っていたチームはクルマを目立たせるための作戦だったのかな……。

ミク号はメルセデス勢の中で唯一、フロントグリルにLEDライトを仕込んでましたね。グリーンなのはミクさんのイメージカラーだからでしょうか。

ちなみにこのクルマ、普段スーパーGTで走らせている車両と同一個体だったそうで、短期間で10h用にラッピングをし直し、そしてまたスーパーGT仕様に戻すという大仕事があったそうで。痛車ならではの苦労か……。

SGT→鈴鹿10時間→SGT。グッドスマイル 初音ミク AMGのカラーリングが"戻る"まで

ベントレーのマシン、右横から見ると、給油口を「100」のロゴの一部に見立てているのが芸細です。

apr with ARN racing」として日本人3人が駆るフェラーリ488 GT3、赤ベースでいかにもフェラーリってカラーリングなんですが、普段スーパーGTプリウスに乗っている永井宏明(トヨタ系ディーラーの経営者でもある)がドライブしているのもあって、フェラーリに「COROLLA MIE」って書いてあるのがなんともシュール。

ヘアピンのあとは西の最果て・スプーンへ。だいぶ薄暗くなってきました。

脇坂寿一の駆るLM corsa Porsche 911 GT3 R。この写真だとわからないんですが、屋根に新型スープラのキャッチコピーに引っかけて「Juichi is Back」と書かれているのがステキです。でもクルマはポルシェです。

土曜日のトークショーで、

道上選手は「オーバーステアに苦しんでいますが、明日症状が出ないようにセッティングして10時間走り切りたい。明日頑張ります」と意気込み、久しぶりのレースとなる脇阪選手は「GT3というマシンでのレースを楽しみたい。もし道上選手がコースアウトしたらSNSハッシュタグでオーバー道上で投稿してください」といつもの道上選手いじりで締めた。

via: 【鈴鹿10時間】豪華なチャンピオンズトークのはずが…この関係 | レスポンス(Response.jp)

とコメントしていた寿一さんですが、そう言ってたご本人がスピンしてしまっていたのはご愛敬?

道上の駆るModulo Drago CORSEのみならず、NSX勢は総じて苦戦気味だったようで、決勝リザルトをみるとNSX勢の最上位であるUPGARAGEでもトップから2周遅れの14位。武藤英紀が乗っていたHonda Team Motulが15位、 Drago CORSEは18位と厳しい結果となりました。

そしてスプーン見てて面白かったのは、特に海外勢がみんなスプーン1個目の直後からランオフエリアにわざと飛び出して、トラックリミットガン無視のアベレージスピードをなるべくキープするライン取りをしていたコト。

2コーナーや逆バンク手前でも、コーナー外側やイン側をカットしたりという走り方が見られたが、かなりの回数で映像にも映し出されたのが、スプーンの縁石外側のランオフエリアを使う走り方だ。スプーンは複合コーナーで、通常はひとつめのコーナリングの後にアウト側の縁石を踏み、その後ふたつめのエイペックスに沿いながら出口も縁石をかすめバックストレートに向かうのが一般的だ。

ただ鈴鹿10時間では、アウト側の縁石が始まる手前からランオフエリアに出て、大回りしてふたたび縁石が終わったところでコースに戻るラインをとる海外ドライバーが多くいた。日本人ドライバーたちの間からは「あれでコンマ2秒は変わる」「あれではまるで『ニュー鈴鹿サーキット』のようなもの」「プライドとしてあんな走り方はできない」という声も聞かれた一方で、「海外ドライバーの走り方を見て、自分も試してみた」というドライバーも。ちなみにあのラインは、「意図して外に出なければとれない」ものだという。

via: 鈴鹿10時間:年に一度のレースで見えた海外勢と日本勢とのわずかな経験値の差

今年の10hでは、スプーンのトラックリミット違反はほぼ取られない状態になっており、それを前提としたライン取りが行われていたってコトですね。安全面を考えるとそれどうなのよ、って話なんですが、逆にいうと「許されるギリギリのラインを突いていく」というのはプロのレーシングチームにとっては常識。海外勢はそれだけ「ガチ」だった、という言い方もできるワケで、ピレリタイヤの使い方も含めて、日本勢はスーパーGTとは完全に頭を切り替えて戦う必要があるってコトなんでしょうね。

結局、レースが終わってみればトップ5がアウディメルセデス・ポルシェ・メルセデスBMWという顔ぶれになっており、トップ10のうち8台がドイツ車という有様で、ドイツの科学力が世界一ィィィィ過ぎて困る(?)。クルマが強いっていうのもあるんでしょうけど、メーカーがワークスのエンジニアを送り込んだりもして、相当勝ちを意識した体制を作ってもいたみたいですね。……なんかこうなると、日本のメーカーの本気も見てみたいところですが。GT3の「ワークス化」が進んでしまうと、それはそれで本来の趣旨とズレてきてしまう感じもしてアレですけどね。

その中で、日本車最上位となる6位フィニッシュしたKCMG35号車は、最後に松田次生ベントレーアウディとアツいバトルを繰り広げて会場を沸かせておりましたね。

一方で、予選ではメルセデス勢の中で最上位となる6番手を獲得していたTeam Goodsmileが10位に終わってしまったのは残念でしたねえ。

途中からレースペースにずいぶん苦しんでいたようですが、少なくともスプリントの速さは世界レベルになってきてるし、スパ24時間にも参戦して年々経験値を貯めてきている状態でもありますので、今回のデータを元に、また来年頑張っていただきたく。

レース終了残り1時間となった19時くらいに、ぼちぼちグランドスタンド方面に戻り始めたんですが、貴重な夜の鈴鹿なので長時間露光の写真を何枚か撮ってました。ヘアピンでシャッター開けっぱなしにすると、ヘッドライトの軌跡が途中からテールライトの赤になるのが面白いですね。

しかしなんか、もうちょっと「カッチリ」した感じの写真にならないかなあ……自分が下手くそでピントが甘いせいもあるのかもしれないけど、うーん。

グランドスタンドに戻ったあとはチェッカーを見届けて、表彰式は始まる前にサーキットを後にしました(公共交通機関で来ているので、バスの時間がちょっと心配なのでした)。今年はハッキネンを呼んだり、国内の有名選手もあれこれ参戦したりと、レースファンにとっては興味を引く材料はいろいろあったとは思うんですが、まだスーパーGTほどのお客さんは来ていない感じですね。

鈴鹿サーキットによると、大会三日間の観客数は計五万一千人で、初開催の昨年より二千人少なかった。

via: 観客2万7000人興奮 鈴鹿10耐決勝:三重:中日新聞(CHUNICHI Web)

てか、減ったんかい!

今年はネームバリューのあるドライバーも増えているので、もう少しお客さん増えるかなーと思ったんですけどねえ……。スーパーGTだとスポンサー企業の従業員の皆さんが団体で観戦に来てたり、レースクイーンの数も多いので、それ目当ての客の数が増えるっていうのもあるのかも知れませんけど。いやまあ、これくらいの観客数だと、行き帰りのバスもほとんど待たずに済むし、ご飯もすぐ買えるし、なにかと快適で良いっちゃ良いんですが。

しかしSUZUKA 10hって四輪の「鈴鹿8耐」みたいなポジションを目指しているワケですよね?今年の8耐が3日間で11万人くらい(これでも全盛期に比べると結構少ないらしい)だったそうなので、10hは半分より少ないくらい。8耐なみに盛り上がるイベントにするには、なかなか大変そうだ……。

個人的には鈴鹿サーキットうろうろして写真撮ったり、ご飯食べたり、ビール飲んだりしているだけでも結構楽しいイベントなので、また引き続き来年以降も行きたいなと思っているんですが。ただ、イベントの健全な発展のためにも、ちょっとずつお客さん増えていくと良いなあと願う次第です。もう少し、日本のチームが強くなると盛り上がるのかもしれませんね。日本人も、ドイツチームのえげつなさを見習いましょう(?)