大須は萌えているか?

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ホンダ、F1やめるってよ

※ホントは違うネタをブログに書こうとしていたんだけど、予定を変更してお送りしております。

Honda | FIA フォーミュラ・ワン世界選手権への参戦終了について

なんかちょっと思わず「は?」と言ってしまいたくなるニュースでしたねえ……。確かにホンダの2022年以降の参戦継続については不透明な部分もありましたが、今回の第四期活動を行うにあたっては長期的なF1へのコミットを強調していましたし、八郷社長もF1推進派だと思っていたので。

前回がリーマンショックの影響による撤退だったので、じゃあ今回はコロナの影響なの?と思いきや、コロナの影響は否定してますね。あくまで長期的な目線で考えてのコトだと。さらには、F1への再参戦の可能性も否定してみせたのもちょっとビックリ。含みを残すのかと思いきや。

会見で八郷社長が再三口にしていたのが「カーボンニュートラル」という言葉でしたが、しかしそれいったらF1自体も2030年までにカーボンニュートラルを目指すと宣言しているんですけどね。目指す方向が一緒なら、それ撤退の理由にならなくない?っていう。

F1、環境問題とCO2排出削減に本腰。2030年までに”カーボンニュートラル”化を目指す

会見見ててなんとなく思ったのが、資金的リソースの問題以上に人的リソースの問題が大きいのかなーって気はしました。ホンダは他のPUメーカーに対する遅れを取り戻すために「オールホンダ」でF1に取り組むとアピールしていましたが、それでもなかなかメルセデスの背中は見えてこない。2022年からはまた大がかりなレギュレーション変更が予定されており、そこにコミットしていくのであればさらなる開発資金と人的リソースの投入は避けられないし、続ける以上はメルセデスに勝つことを考えなくてはならない。優勝自体は達成したのだから、これ以上続けるのであればワールドチャンピオンを目指さなければ意味が無い。

一方で、最近だとカリフォルニア州2035年までに全市販車のゼロ・エミッション化を義務づけするなど、内燃機関を搭載するクルマを規制する動きが加速しており、市販車開発においても自動車メーカーとして大きな対応を迫られている状況でもあるワケですね。

カリフォルニア州が2035年までに全新車のゼロ・エミッションを義務化 | TechCrunch Japan

そうした動きの中で、ホンダとしてメルセデスに対抗するためにさらなるリソースをF1に突っ込んでいくべきなのか、という決断を迫られたのかな、と。八郷社長の頭の中では、F1を続けるならとことんやる、ダラダラとF1を続けていくくらいなら撤退すべきだ、という2択だったんじゃないかな。ルノーなんかはたとえ細々とでも、とにかくF1に関わり続けるっていうスタンスを貫いているように見えますが、ホンダは「続けるために続ける」コトをヨシとしなかったというコトなんでしょう。

なんとなく、開幕前にはそれなりの手応えを感じて臨んだ今シーズンでも、メルセデスがそれを上回る進化を遂げていたっていう事実がこのホンダ参戦終了の大きな理由のひとつになっている気もしちゃうんですよね。これに勝とうと思ったら、ホンダはさらに相当な痛みを伴うコトになる。それを許容できるのか、っていう。逆にいうと、F1以外のモータースポーツはそのまま継続するというのは、それだけF1がケタ違いのリソースが要求されるというコト、その他のカテゴリーはそこそこのリソースで勝てる目がある、と(?)。

今回のホンダの参戦終了はメルセデスに対する敗北宣言であるようにも思えてきてしまうんですが、ホンダが今年限りではなく2021年いっぱいまで参戦するというのは、最後の最後にメルセデスに一泡吹かせるチャンスを現場に与えようっていうコトなのかな。「最後まで全力を尽くす」という言葉にはウソが無いんじゃないかな、と思います。しかしまー来年も基本的には今年と同じマシンで戦うコトになるので、ホンダがどんだけ頑張っても勝てるかどうかはわかりませんが。

八郷社長、会見の質疑応答で「第四期F1活動で一番悔しかったことと嬉しかったこと」を問われて、悔しかったことが2018年の最終戦アブダビGPでガスリーのPUが壊れたコト、嬉しかったことが今年のモンツァでガスリーが優勝したコトを挙げていたんですよね。どちらもトロロッソ(アルファタウリ)の話であり、これを聞くと一番苦しいときにタッグを組んでくれたトロロッソに対して特別な思いを持っているコトが窺えますし、八郷社長って義理堅くて潔癖な人なのかな-って感じもします。だからこその参戦終了の決断だったのかなーとか。中途半端に続けるワケにもいかねえ、って。

そんなこんな考えていると一概にホンダを批難する気にもなれないんですが、しかしまーファン心理としては「なんでや!!」と言いたい気持ちでいっぱいなのも確かです。こんな形でホンダF1の歴史が終わって良いのかと。ホンダのF1活動が無ければ日本でのF1ブームは無かったでしょうし、自分もおそらくF1を見ていなかっただろうと思うと、ヒジョーにモヤモヤします。結果はともあれ、参戦を継続するコトが重要なんじゃないかと。なぜなら、ホンダのF1活動というのが日本のモータースポーツ文化における柱のひとつだとも思うから。

当分の間、このモヤモヤは消えそうにありませんが、とりあえず今は2021年の最後に向けてホンダがどこまで行けるのか見届けたいですね。……ところでレッドブルは2022年以降のPU、どうするんやろな……。