大須は萌えているか?

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鈴鹿のスーパーGTを観戦した話(2020年版)

今更なタイミングではありますが、10月末に鈴鹿サーキットスーパーGTを観戦してきた話(写真の整理に時間がかかった)。

コロナ渦によりモータースポーツ業界も大打撃を受け、F1はおろか5月のスーパーGT鈴鹿ラウンドもキャンセルされるわ、真夏の10hもキャンセルされるわ、Sound of Enigineも早々に中止が決まるわと、今年はもう鈴鹿サーキットに行くことは無いのかな……と思っていたんですが、スーパーGTが第5戦の富士から観客を入れることとなり、10月末の鈴鹿ラウンドもチケットが販売されるっていうんで、思わず予約して観戦しにいった次第。相変わらず国内レースはあまりウォッチしていないんですが、鈴鹿で行われるスーパーGTはなんか毎年行くのが習慣になってしまっているので……。

例年であれば、指定席はグランドスタンドのみであとは自由席になっているワケですが、今年は東コース全域に渡って指定席に。加えて人同士の間隔を確保するために席数を間引いて販売され、ピットウォークは行われないしラウンジ席の人らもパドックへの出入りは禁止という異例の状況。まあチーム関係者が不特定多数の人間と接触するワケにもいかないですからねえ……。

土曜日

鈴鹿へは土日とも公共交通機関で足を運んだんですが、近鉄特急は空いてたものの、白子とサーキットを結ぶバスの中はどうしてもそれなりに混雑しちゃいますね。サーキットのメインゲート前でサーモグラフィーによる検温とマスク着用確認が行われ(とはいえ、基本的にカメラを見ながら素通りするだけですが)、メインゲート入ったすぐの所に足踏み式の消毒液が設置され、手指消毒を促される形。

土曜日はまあ見たところそこまで人は多くなかったんですが、それでもやはりショップやメーカーブースにはそれなりに人が集まり、部分的に「密」な感じではありました。

コロナ渦を受けてなのか、今年の鈴鹿は「NO RACE NO LIFE!」がキャッチコピーになっているようで、なんかTシャツまで売られていたので思わず買っちゃいました。これ、早々に売り切れてしまったようで、日曜日には注文受け付けまでしてたりして……。みんなレースに飢えていたのね。



例年であればグランドスタンドの指定席を購入して、スタートとゴールはグランドスタンドで眺めつつ、その他の時間はふらふらとサーキットをさまよいながら写真を撮るのがパターンなんですが、今年は東コースがすべて指定席になってしまったので、S字のDスタンドのチケットを買いました。写真撮るならグランドスタンドよりこっちのが良いし……。

土曜日はまずフリー走行に間に合うくらいのタイミングでサーキットに到着し、そのままヘアピン方面へ。西コースは自由席となっているため、まずはそっちで写真撮るべ……と思ってのコトですが、どうも同じこと考えてた人がたくさん居たみたいで、かなりたくさんの人が。

販売されたチケットはすべて指定席券のはずで、西コースに来ている人たちもどこかしらの指定席チケットを持っているハズなんですが、西コースって130R、ヘアピン、スプーンと写真撮る人が好むコーナーが多いですからね、そりゃこっち来るよね。これだけ人が集まっていると、東コースの指定席を間引いたりしている意味あんまりないかもなあ、なんて思ったりもして。

GT500のスープラ初めて見たんですけど、これなかなか良いな……LCよりこっちのが好きですね。

ヘアピンからスプーンへと移動して写真撮ってたら、シケインで大きなクラッシュがあったとかで赤旗中断。「たかのこの湯 RC F」がフレームまで逝ってしまうレベルのクラッシュしてしまったようで……この可愛らしいクルマか。

ドライバーは無事だったようですが、マシンの修復は困難であるとして決勝レースも出場不可に。今週末行われているもてぎラウンドでは、トヨタから別の個体を借り受けて出場しているみたいですね。

この赤旗中断の最中にグランドスタンド方面に戻りつつ、シケイン裏で「焼肉ランチ」を買いつつちょっと早い昼食を。この「焼肉ランチ」、けっこう美味しくて好きなんですが決勝日の昼時に行くとスーパー行列が出来ているという人気メニュー。土曜日のちょっと早い時間だと、まったく待たずに買えます。

しばらく時間があったのでGPスクエアをぶらぶらしていたんですが、3大ワークスのうち今年も一番気合いの入ったブースを出していたのはトヨタGazoo Racingでした。今のご時世でも、GRスープラやGRヤリスなんていう尖ったクルマをリリースしていく姿勢はステキ。

一方で一番力が入っていなかったのがホンダだったんですが、ほんとにモータースポーツってホンダのDNAなのかしら……。

その後、指定席のDスタンドへ行ってFIA-F4のレースを見物していたんですが、F4にも「痛車」は居るんだな……(ただゴメン『レヴュースタァライト』って観たコトないや)。

そしてスーパーGT予選、公式プログラムに「S字の走りを見てね!!」というコメントを寄せていた松田次生がその宣言通りにキレッキレの走りでS字を駆け抜けていき、「おおー」と思っていたら……

その直後に赤旗。次生さん、すぐあとのダンロップでコースオフし、派手にバリアに突っ込んじゃったらしい……。

そして運搬されていく新しいバリア。あー、なるほどこうやって運搬するんだ……。

赤旗中断なんかもあってタイムスケジュールにはやや遅れが。そうこうしている間に日が傾いてくると、S字の一部が日陰になってきました。そうか、日が暮れるのが早い季節だとこうなっちゃうんだな。

予選はGT500がARTAとModuloのNSXがフロントロウを固め、GT300はK-tunes RC Fがポール、隣にBRZという格好。なんか新田守男のRC Fって鈴鹿強くね?

日曜

日曜はウォームアップに間に合うくらいのタイミングでサーキットへ向かったんですが、やはり土曜日とは違ってかなりの人の多さ。とりあえずまた西コース方面へ向かってみたんですが、130Rシケインも人でびっしりでしたね。いやこれ例年とほぼ変わらない人の密度では……。

なのでウォーキングがてら土曜日に続きスプーンまで足を運んだんですが、ここも結構人多かったです。しかしそれはそれとして、今年もミクさんは愛らしいですな。成績は伸び悩んじゃってるみたいですが……。

ウォームアップラン終了後、S字方面へ向かおうと東コースへ戻っていたら、案の定焼肉ランチがスーパー大行列になってたりしました。グランドスタンド付近も食事を買い求める人たちでごった返しており、「これ席を間引いてなかったらもっとスゴイことになってたんやろか……」と思ったりもして。いやホント、「コロナってなんだっけ?」っていうくらいの有様でした。ちなみに私は、サーキット入りしてすぐ飯済ませちゃいましたけど。混雑を避けるために、外出時は食事の時間帯をずらすというのは有効なテクニックですよね。

しかし、グリッド方面を見るとレースクイーンの皆さんまでもがマスクしているのちょっと面白いですね。

あと、鈴鹿サーキット気合い入ってるなーと思ったのが、場内のありとあらゆるトイレの手洗い場で液体石けんが満タンになってたコトですね。自分が指定席買っていたDスタンド裏のトイレなんて仮設っぽいもので手洗い場はトイレでた表に簡単なヤツがあるだけなんですが、そこにもきっちり用意されてました。「みんなこまめに手を洗ってくれよ!」というメッセージかと思いますが、しかしまた悲しいかな多くの男は軽く手を水ですすぐだけで石けん使わず出て行くんですよ!

会場側は感染拡大を防ぐためにあれこれ対策をしようとしているんですが、個人個人の意識が追い付いていないというか……。そういや、先日F1が開催されたポルトガルのアルガルベは、F1では観客を入れたものの、政府から対策が不十分だったと見做されて11月のMotoGPでは無観客というコトになったみたいですね。

MotoGPニュース|MotoGP最終戦ポルトガルGP、一転無観客に。F1で露呈した対策の甘さが一因?

これ、会場側もさることながら観客一人一人の意識も重要ですからね、気をつけたいところです。鈴鹿もマスクは概ね着用されていたと思いますが、時折外してる人を見かけたり、ソーシャルディスタンスについては特に日曜の西コースなんかはちょっと怪しかったかな……あと食事時の売店の行列はどうしようもない気がしますが、まー難しいところですね。

そして決勝レース……なんですが、GT300のスープラがS字でコースアウトしてセーフティカーが宣言されたと思ったら最後尾からスタートしたはずのMOTUL AUTECH GT-Rがトップに立っていた……何を言っているのかわからねーと思うが以下略。

なんでも以前、MOTUL側はこうしたセーフティカー時のピットレーンクローズ直前にタイヤ交換して大量マージンを築くという作戦(?)をライバルにやられて優勝を逃した経験があったようで、それをやり返した格好だったんですね。

MOTUL AUTECH GT-Rと松田次生が見せた実力。チームの好判断と幸運だけじゃなかった奇跡の勝利 | スーパーGT | autosport web

そもそもF1ではセーフティカー中もピットレーンはオープンなので、私みたいにスーパーGTのルールに疎いと「えっ??」っていう感じなんですが、何か事故が発生してセーフティカー出動の可能性が高い、と思われた瞬間にピットに飛び込むコトが出来れば、他のチームがピットに入れないままスローダウンする中でピットアウトできるという超お得な状況になる、というワケですね。そんなん偶然の要素が大きいので狙ってできるものではありませんが、こんなコトもあるんですねえ……。

その後はMOTULカルソニックGT-R対決となったワケですが、そこはさすが松田次生でした。フジテレビNEXTのF1中継でもたびたび解説として出演している馴染み深い存在なだけに、このまさかの逆転劇は面白かったし嬉しかったですね。ポールトゥウィンならぬテールトゥウィン、お見事でした。

しかし、この波乱の原因となったスープラはセーフティカーが宣言されたあと、自力で再始動して脱出しちゃったもんだから、実はセーフティカーが出る意味があんまり無かったっていうのがまた……。

ただ、S字のレーシングライン上にそれなりに大きなパーツが落ちており、それをマーシャルさんが回収したりしてましたね。そういう点では、無意味では無かったんでしょうけど。

MOTULは極端な事例ですが、このセーフティカーの前にピットを済ませていたか否かという点でも順位が左右されたようで、GT300では予選6番手だったHitotsuyama Audiが優勝。もちろん、早くピットに入ったぶんタイヤを労りつつペースを稼がないといけないシチュエーションだったワケですが、お見事でした。

コロナ渦の特殊な状況ではありますが、なんとかこの2020年に鈴鹿でレース観戦できたことは嬉しかったし、レースそのものの展開もドンデン返しもあって楽しめました。また最近は感染者が増えつつあるし欧米は結構ヒドい有様みたいなので楽観はできませんが、12月にもスーパーフォーミュラやるみたいなので可能なら観にいきたいですね。てか、12月に鈴鹿で国内トップフォーミュラのレースやるのってあんまり前例が無いんじゃ……?