大須は萌えているか?

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F1[21] シュタイアーマルクGP 決勝

なんだかいよいよレッドブル・ホンダのタイトル獲得の可能性を考えても良いような気がしてきました。F1シュタイアーマルクGP決勝。

フェルスタッペン完勝

フェルスタッペンがトップを譲るコト無く完勝。ここまで見事な勝ち方をするとは、ちょっと驚きでした。強いだろうな、とは思っていましたが。ハミルトンもまったく寄せ付けない速さでしたからねえ。ペレスは2ストップ作戦を取ってあと一歩でボタスを仕留めて表彰台、というところまで行きましたが4位止まり。最初のピットストップでのタイムロスがあったコトを考えると、惜しい結果ではありました。内容的には、レッドブルが前戦フランス以上の強さを見せつけたレースと言えますね。

これでレッドブル・ホンダは4連勝、ホンダの4連勝は1991年以来という快挙であり、メルセデスが4レース連続で勝てないというのはターボハイブリッド時代になって初めての出来事。ポールリカールもレッドブルリンクも決してメルセデスが苦手なサーキットでは無いコトを考えると、流れが完全にレッドブルに傾いているのは明らかですね。ハミルトンはここでもストレートラインスピードの不足を訴えてますが、メルセデスがここまで「ストレートの速さが足りない」なんていうコト自体今まで無かったコトじゃないでしょうか。

ハミルトンはマシンのアップグレードの必要性を訴えてますが、メルセデスは来季用マシンの開発にリソースを傾けており、今回のレースも特にアップデートは無かったんですね。対してレッドブルは新しいパーツを持ち込んでいるようですが、トト・ウォルフは「チャンピオンシップは追加するエアロパーツの量だけで争われてるわけではなく、レッドブルだってどこかの時点で開発リソースを2022年用マシンに集中させなきゃいけないんだから、セットアップやタイヤ、走りの最適化という部分がもっとも重要な要素になるはずだ」みたいなコメントしてますね。メルセデスの開発リソースは2022年を向いているけど、今シーズンの勝負も終わったワケではないと。

Wolff: Title race isn’t over despite end to Mercedes development

そう考えると、気になるのはレッドブルの開発戦略はどうなのか、という点ですよね。バジェットキャップがある以上、金にものを言わせて大量の開発リソース増強を図るなんてコトができない以上、どうバランスを取るかという判断が必要になってくるワケで。ただ、今まで最強を誇ってきたメルセデスを負かすチャンスがある以上、今年のタイトル獲得を重視するという判断も当然ありえる話です。来年を捨てるってワケではないにせよ。

ウォルフの言う通り、ここから再び潮目が変わってくるコトがあるのか、あるいはこのままレッドブルが突っ走るのか、その場合来年の勢力分布はどうなるのか……チャンピオンシップの流れを見通すには、来季までも俯瞰する目線が必要なようです。

フェラーリ速いじゃねーか

前戦フランスでは決勝で泣きたくなるほど遅かったフェラーリですが、今回は実に力強いレースペースでしたね。ルクレールなんてオープニングラップでガスリーに接触してしまい緊急ピットインを余儀なくされたのに、最終的には7位まで追い上げてフィニッシュしてみせましたし。サインツも12番手スタートからの6位フィニッシュ、特に長く引っ張った第1スティント後半のペースメイキングが見事でしたね。あれで一気に順位を上げられた感じ。

今回これだけフェラーリのレースペースが良かったのは不可解ですらありますが、川井ちゃんが「このサーキットはフロントリミテッドではない」=フェラーリの弱点が出づらいサーキットであるとコメントしていて、なるほどと思ったりはしました。サーキットの特性によってレースペースが大きく違う、というのはドライバーも承知しているようで、サインツも「ポールリカールで起きた事象の全貌がわかるまでは、サーキットによって僕らのレースペースはサーキットによって良かったり悪かったりすると思うよ」みたいなコメントしてますね。

“It is unfortunately at the moment track specific; the car is very similar to Paul Ricard and we haven’t really found a solution for the reasons for our Paul Ricard struggles, so we expect our race pace to swing up and down depending on the circuit until we really find the reason why of what happened to us at Paul Ricard,” he added.

via: Sainz says Ferrari pace comparable to Red Bull as he fights from P12 to P6 in Styrian GP | Formula 1®

マクラーレンは今回もノリスは堅実なレース運びで5位フィニッシュを飾りましたが、リカルドは伸び悩みましたねえ。途中ナゾの失速をするシーンもありましたが、全体を通してもレースペースがあまり良く無かった。タイヤ戦略はサインツとまったく同じ(ピットストップの周回も一緒)でしたが、やはり大きな差がついたのはスティント後半のペースかなと。前方にスペースが開けたサインツに対して、リカルドは前にライコネンが居座ったりしてDRSトレインからなかなか抜け出せなかったのも災いした感じ。

サインツとリカルドのスタート位置はほぼ一緒だったコトを考えると、リカルドにとってはフラストレーションのたまるレースだったでしょうね。ノリスのように予選で前に出られれば一番良いんでしょうけど。

そのほか

今回リタイヤに終わっちゃいましたけど、ラッセルは素晴らしかったですねえ。ノートラブルで走れていれば入賞できていたんじゃないでしょうか。どうも肝心なところでツキに恵まれていない感があるのがなんともですが。もしメルセデスからフル参戦すれば大化けする予感は十分すぎるほどありますが、ハミルトンのような強さを持つドライバーになれるかどうかは未知数なところがある?

角田は11番手スタートからの10位フィニッシュという堅実な結果。欲をいえばもう少し上をいって欲しかったですが、今の角田にとっては着実に結果を積み上げていって自信を深めていくことが重要でしょうきっと。ガスリーやラッセルのリタイヤが無ければ入賞は怪しかったですが、まあその辺は運も実力のうちというコトで。