大須は萌えているか?

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F1[21] スペインGP 決勝

ドイツのチームは科学力だけでなくレース戦略も世界一ィィィィィでありました。F1スペインGP決勝。

フェルスタッペンを封殺

2番手からスタートしたフェルスタッペンが1コーナーでハミルトンからトップの座を奪取、その後レースの8割以上はフェルスタッペンがリードラップを記録したレース展開でしたが、最後にトップに立っていたのはハミルトン。抜きにくくトラックポジションが重要と言われるこのサーキットで、トップの座を失ったあとにすかさずスイッチを切り替えて「最後の最後にトップを奪う」という戦略を実行し、それを成功させたハミルトン&メルセデスの強さが光るレース展開でした。最初のピットストップはフェルスタッペンより遅らせてタイヤのオフセットを作ろうとしているように見えたもんだから、ハミルトンの1ストップは硬いと思わせておいてからの2ストップ、見ていて意表を突かれました。

とはいえ、タイヤの差があるといってもフェルスタッペンに対して22秒以上のギャップを背負っての巻き返しになるワケですから、ハミルトン自身も一瞬迷いはあったみたいですね。ただ、チームを信用して作戦に乗り、うまくハマったと。トラックポジション重視で1ストップの可能性に賭けていたレッドブルに対して、タイヤに厳しくなるコトを見越しミディアムタイヤを中古含め2セット持っていたのも正解でした。

もしレッドブルが先に2回目のピットストップに動いていたらどうだったか、という話もあるんですけど、ソフトしか残していなかったフェルスタッペン陣営にしてみたら、42周目に入ったハミルトンより早いタイミングでピットに動くのはちょっと現実的ではないですよねえ。そういう意味では、あのハミルトンの2回目のピットインのタイミングもかなり計算されていたんだろなと。あと、ハミルトンはあの段階でピットに入っても実質フリーストップだった(その後ボタスが軽い反抗期を迎えたりはしてましたが)というのも大きいですね。レッドブルにしてみたら、こういう時こそメルセデスのすぐ後ろにペレスが居てくれよ、って感じではあるんでしょうけど。

スタート後の展開をかいつまんで言うどうだったか、と尋ねられたフェルスタッペンが『Too slow.』とコメントしているように、レースペース自体レッドブルメルセデスに負けていたのも確かですが、決勝に向けてのタイヤ戦略、それから予選でのペレスの出遅れといったところで、土曜日の段階である程度勝負の行方は決まってしまっていたのかもしれません。

そういや、今回のレース中にトト・ウォルフがマイケル・マシに対して「マゼピンに青旗出してくれ、アイツ俺達を妨害してるぞ」みたいなこと言ってる無線が放送で流れてましたけど、チームからコントロールタワーに対する無線がテレビ放送に流されるコト自体初めての試みだったみたいですね。そういや確かに今まで聞いたコト無かったかも。

Wolff’s radio complaint about Mazepin was a "very rare" occurrence - Masi · RaceFans

マシによれば、トト・ウォルフが自らレースコントロールに無線を入れてくるコト自体滅多にないようですが、その滅多にない無線の内容が「マゼピンの野郎が邪魔」という内容だったもんだから国際映像のスタッフに「美味しい」と思われたのかもしれません。今後、どういうやりとりが流れるのかちょっと楽しみになってきた(?)。

フェラーリ vs マクラーレンの争いが熱くなりそう

予選でペレスが出遅れたのもあり、フェラーリルクレールが予選順位と同じ4位フィニッシュ。ていうか、トップ4は予選とまったく同じ並びになってるんですね。スタート後にボタスをオーバーテイクして3位に躍り出るなど、見せ場の多いレースでもありました。ミディアムタイヤでのレースペースも非常に安定していた印象。サインツは一発の速さはルクレール以上のペースを発揮したりはしますが、レースでのムラはちょっと大きいかな。

マクラーレンはリカルドがサインツより前の6位フィニッシュで意地を見せた格好ですが、総じてフェラーリに比べると守りのレースだった感じ。コンストラクターズポイントはマクラーレンフェラーリを5ポイントリードしてはいますが、この2チームの争いは今後さらに激しくなってきそうな雰囲気。コンストラクターズ3位争いはこの2チームに絞られているとみて良さそうですね。

予選では上々の雰囲気だったアルピーヌはレースペースが振るわずオコンが9位入賞するのがやっと。ていうか、アルピーヌは1ストップ狙いで大失敗した感じではあります。オコンはなんとか粘って走っていたものの50周目くらいでタイムがガクッと落ちてポジションを失い、アロンソは耐えきれずに最後もう1回ピットに入ってしまい17位まで転落してフィニッシュ。素直に2ストップ戦略を採っていたらどうなっていたか気になるところですが、オコンはこれで3戦連続で予選順位を上回ることなく決勝を終えたコトになるので、レースペースに課題があるのは確かなようです。アストンマーティントロロッソより競争力があるのは確かですが、しかしマクラーレンフェラーリに勝負を挑める感じでもないっていう。

アルファタウリのガスリーはポイントフィニッシュまで持ち込んだのはさすがの一言なんですが、最終的にオコンをわずかな差で捕まえきれなかったシーンを見てしまうと、あのスタート位置をはみ出して取られた5秒ペナルティが痛かったですねえ。今のトロロッソの状態を思うと、チャンスがあれば1ポイントでも多く取りたい状況でしょうし。角田のマシンが突然の燃圧低下で止まってしまったのも気がかりですし、ホンダ勢としてはちょっと重苦しいムードが漂って参りました。

しかし、アストンマーティントロロッソ以上に重傷っぽくはありますけどね。昨年ほど速くはなさそう、とは思ってましたけど、ここまで競争力無いとは。ベッテルの加入も全然効果が無いっていうか、ストロールの前でフィニッシュできたのまだ前戦ポルトガルでの1回だけだし。前ゆうても今回と同じ13位だし。アロンソベッテルという10年前だったらバチバチにタイトルを争っていた2人が、ポイント圏外で争っているのを見ると時代の流れを感じてしまうと同時に、今でもぶっちぎりで先頭を走るハミルトンの怪物ぶりに感嘆するばかりでもあります。