大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

鈴鹿でスーパーフォーミュラを観てきた話(2021年版)

先日の土日、鈴鹿サーキットにスーパーフォーミュラを観戦しに行ってきました。

昨年も12月に開催されたスーパーフォーミュラを観戦しに行っている(→ 鈴鹿でスーパーフォーミュラを観てきた話(2020年版))ので、これで2年連続観戦というコトにはなりますが、とはいえスーパーフォーミュラを熱心にウォッチするようになっているワケではなく、もっぱらニュースサイトで結果をチラ見する程度です。しかしながら、今年はこれまでまっったく鈴鹿に足を運んでおりませんで、一度くらいは行っておかねば……という気持ちが強くなってきて出かけた次第。ちょうどコロナの感染者数も下火になってきたタイミングでしたしね。

8月に開催されたスーパーGTもチケットは持っていたんですが、そのときはちょうど世間が感染爆発でエライことになっていたので、観戦を自粛。秋のF1も結局中止が決まってしまったので、鈴鹿に行くタイミングがホントに無かったのです。日本GPの開催可否判断を迫られていた頃にはあれだけ感染者数が増えまくっていたのに、今になって逆に気味が悪いくらい感染者数が減っているのもなんだか恨めしい感じではありますが。

土曜日

ともあれかなり久しぶりの鈴鹿サーキット、土曜日は非常に良いお天気でした。サーキットに入場するとレッドブルとアルファタウリの看板がどかーんと設置されたりもしていましたが、これホントは日本GPで見せたかったんやろなあ……。

朝イチで鈴鹿に行ったときには、とりあえずウォーキングがてらスプーンまで歩いていくのが自分のルーティンになっています。久しぶりにカメラ入りのリュックを担いで歩いたら、けっこう疲れました。カメラに望遠レンズ装着したのも久しぶり。

今年は最終戦を待たずに野尻智紀が圧倒的な強さでチャンピオンを決めてしまったとのことですが、野尻ってスーパーフォーミュラでそこそこ長いキャリアになりつつあってそれなりに速いけどタイトル狙うにはちょっと……みたいなイメージがあったんですけど、今年ここまで強かったっていうのはどういう要因だったんですかね?

タイトルが決まってしまったあとのレースだったので、お客さんの数的にはどうなんだろうって気もしましたが、見た感じ昨年と同じくらい入っている印象でした。あるいは、私と同じようにF1が開催されなかったコトによってフォーミュラのレースに飢えていた人もいたのかもしれない。

野尻のマシンのカラーリングもメチャクチャインパクトがあるんですが、インパルのカラーリングも目立つなあ……もうモロに往年のJPSカラーを彷彿とさせるというか……狙ってやっているんでしょうかコレ。

午後はS字のあたりからN-ONEのレースを見ていたんですが、マクラーレン・ホンダカラーの車両と、レッドブル・アルファタウリのニコイチカラーの車両の揃い踏みはアツいですね。これ街中走ってたらメチャクチャ目立ちそう。

N-ONEレースは台数の多さがとにかく面白かったですね。全部で49台いたみたいですが、これだけの車両が一度に走ってレースしている様はかなり壮観でした。スピードはもちろんN-ONEのスピードなんですけど、上位陣の人らはやっぱりS字の踏みっぷりも良かったですねえ。

スーパーフォーミュラの予選でポールを獲ったのはまさかの(と言ったら失礼か)松下信治スーパーGTで日産と契約した余波でスーパーフォーミュラではドタバタがあったと聞きますが、1台エントリーのチームでポールを獲るところまでこぎ着けたのはお見事。本人の中でも「やってやった!」みたいなのがあったんじゃないでしょうか。

日曜日

日曜の朝は雨ということで、少し遅めのタイミングでサーキットへ。自分が到着したタイミングではほぼ雨は上がっており、中途半端な時間だったのでGPスクエアの展示をしばし眺めていたりしました。往年のWRC車両が展示してあったりもしたんですが、インプレッサが2008年モデルだけだったのがちょっと残念(?)。

ホンダブースには角田のカーナンバーをまとったアルファタウリF1が……と思ったんですが、これ車両自体はトロロッソSTR13ですよね?

他にも日本のトップフォーミュラを戦ったマシンも展示されていたんですが、JPSカラーのスピリット・ホンダ 201は目を引きますねえ。

1983年の全日本F2タイトル獲得車とのことですが、ヨーロッパF2にも参戦してホンダ第二期F1活動のデビューマシンとなる201Cのベースとなったという点でも知られているクルマですね。1983年ってF1ではフラットボトム規定が導入されていたと思うんですが、F2ではまだウイングカーの形しているんですね。富士グランチャンで高橋徹が事故死したのも1983年でしたか。

日曜日にはピットビューイングのチケットも買っていたのですが、4回に分けて開催されるというスケジュールの都合もあったのかもしれませんが、時間が15分だけというせわしなさでした。ピットロードの奥まで行こうと思ったら、ガレージをじっくり眺めている暇なんてありません。

スーパーフォーミュラの決勝は指定席のチケットを買っていたシケインから観戦していました。昨年観戦したときは土日ともレースが開催されるダブルヘッダーで、しかも波乱含みの展開もあって見応えがあったんですが、それに比べると今年はちょっとボリューム的に物足りない感じもしましたね。いや昨年の見応えがありすぎたんだけどさ。

ただ、去年とはまた戦力分布が全然異なっていたのは面白いところでした。去年のチャンピオンだった山本尚貴はタイトル争いどころか表彰台も無かったワケでしょう?

チームを移籍した影響もあるのかもしれませんが、ワンメイクシャシーでかつエンジンも同じなのに、3度のチャンピオン経験者がここまで苦戦してしまうというのは、スーパーフォーミュラの奥深さというべきなのでしょうか。ちょっとしたボタンのかけ違いで大きく結果が変わってしまうというか。逆に、そこが初めてバチンとうまくハマったのが野尻だったのかな。今回のレースでも予選は5番手止まりでしたが、決勝ではスタートダッシュを決めて表彰台に食い込む奮闘。タイムペナルティを食らった大湯との突っ張り合いは見えませんでしたが、サイドポンツーンにはめっちゃ衝突の痕跡が残ってましたね。

予選でポールを獲って決勝も首位発進した松下は、スタートでのフライングを取られてしまったということで痛恨のペナルティ。これが無ければ勝利も見えていただけに残念でしたね。とはいえ、F1を目指していた実力は見せてもらった気がします。……来年は開幕から乗れるんだよね?

今回、WEC組の中嶋一貴小林可夢偉が参戦していなかったのは残念ですが、ジュリアーノ・アレジがスーパーフォーミュラ乗ってるの見られたのはちょっと良かったかも。土曜日のドライバートークショーにも参加してましたけど、日本語がかなり達者で驚いた。

タイヤ交換を引っ張りまくって4位まで順位を上げた関口も見事なタイヤマネージメントでした。チームメイトの平川も大幅に順位を上げて福住と首位争いを演じての2位だったので、総じてインパル勢のレース運びの上手さが光ったレースだったのかなと。そういや、一貴がWECドライバーから身を引くと発表して、後任に平川の名前が上がっているようですけど、どうなるんでしょうか。

優勝した福住も強いレースでしたねえ。確か2018年のF1日本GP、当時ヨーロッパで共に戦っていた福住と牧野の二人がトークショーで一緒に喋っていた記憶がありますが、その二人が今同じチームでスーパーフォーミュラ戦ってるんですね。

こうしてみると、若い実力派ドライバーが多く居るなあと感じたりもするんですが、そういうドライバーたちが日本の枠内でだけ戦っているのもなんかちょっともったいないような気もしちゃうんですけどね。日本のレース界って、自動車メーカーがドライバーを囲い込んでしまっている箱庭感がどうも強くって、普段F1を見ているとそこらへんがなんかヌルい感じがするというか、自分が国内のレースに入れ込めない一因なのかもしれません。

以前、motorsoport.comに掲載されていた「松下問題」に関するインタビュー記事なんかでは、インタビュアーの赤井邦彦氏がそのへんの結構聞きづらいコトを突っ込みまくってて面白かったりはしましたが。

【インタビュー】ホンダ長井昌也モータースポーツ部長(2)“松下騒動”を語る「日産に機密が漏れると言った人がいた」

スーパーフォーミュラでは次の50年を見据えた『SUPER FORMULA NEXT50』というプロジェクトを立ち上げているみたいですが、今後そうした国内レース界の空気が変わっていくのか、ちょっと気になるところです。いや、実際見てみるとドライバーの実力も粒ぞろいで面白いんですけどね。

現在のスーパーフォーミュラではホンダ、トヨタといったシリーズ運営には欠かせないエンジンメーカーの名前が先行している部分がある。『ドライバーファースト』を掲げるにあたり、今後『メーカーを越えたチーム移籍』なども行われるようになっていくのかは気になるところだ。

それについてautosport webが尋ねたところ、ホンダの長井氏は「ドライバーが自分の力を存分に出していきたいとなったら、チーム移籍や引き抜きが起きていくと思います。しかし、今はそれが起きにくい環境です。『もっと垣根を低くして』ということは、(メーカーを越えたチーム移籍も)この先、起きて然るべきことだと思います」とポジティブに語った。

via: 『SF NEXT 50』の追加会見、メーカーの垣根を越えたチーム移籍の可能性も。プロジェクトリーダー上野氏が12月にJRP代表取締役就任へ | スーパーフォーミュラ | autosport web

たとえF1でなくとも、実力のある日本人ドライバーが世界のいろんなカテゴリーで戦っている姿を見てみたいっていうのはありますし、そうしたドライバーがまた日本に凱旋してくれればそれはそれでお客さんの呼び水になると思うんですよね。