大須は萌えているか?

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F1[22] スペインGP 予選

先にエミリアロマーニャGPがありましたが、やはりバルセロナのレースがヨーロッパラウンドの開幕、って感じがしますね。……とはいえ、このあとにモナコ行ったあとはアゼルバイジャン→カナダと続くので、ヨーロッパラウンドっていう感じでもないですが。ていうかアゼルバイジャンってギリヨーロッパに含まれたりする?……という疑問をいだいたところで、F1スペインGP予選のお話。

ルクレールの決勝スタートタイヤは?

ポールはルクレール、フェルスタッペンがそれに続いてフロントロウを分け合う形に。この2人がフロントロウに並ぶのは今シーズン6戦中4回目ということで、もはや定番となっております。ルクレールはこれでマイアミに続く連続ポールとなりますが、今シーズン連続ポールを記録したドライバーはルクレールが初めて。ちょっと意外。

ルクレールとフェルスタッペンの差は0.3秒以上開いており、そこそこ大きな差となっていますね。Q3の最終アタックでフェルスタッペンはDRSのトラブルでアタックをやめており、その影響もあったかもわかりませんが、ルクレールもQ3の1回目のアタックをスピンで棒に振っているので、そういう意味ではお互い様という気もします。

このサーキットはオーバーテイクが難しいとされ、かつスターティンググリッドから1コーナーまでの距離が長いコトからスタートの蹴り出しが重要なファクターになってきますよね。んで、ルクレールはQ2でアタックを1回にとどめて新品ソフトを1セット残しており、これをスタートタイヤに使ってくる可能性がありそうです。他のドライバーは新品ソフトを残しておらず、ミディアムスタートはほぼ間違いないと思われるため、スタートで確実にトップを守り、ハイペースで一気に突き放すという作戦は面白そうではあります。

ただ、問題はタイヤのデグラデーションがどの程度か、という点ですよね。ルクレールが新品ソフトを残してきたところをみると、フェラーリとしてはソフトでもある程度の周回をイケるという感触を得ているってコトなんでしょうけど、なにせここ2戦ほどの間ではレッドブルに対して決勝でのタイヤマネージメントで負けてしまっているので、今回はそこを上手くやれるのか、というのが最大の注目点になりそうです。

……とか言いながら、ルクレールがミディアムスタートを選択してきたらずっこけますが。

ハードタイヤはタイム的に難があるようで、基本的に上位陣は皆ミディアム→ミディアム→ソフトの2ストップが基本になるものと思われますが、オーバーテイクが難しい場合ピット戦略勝負になってしまうので、そこでなにか奇策を用いてくるチームはあるのかどうか。そういう意味では、ミディアム→ハードの1ストップも考慮に入れる必要があるんでしょうね。スペインはかなり暑いみたいなので、デグラデーション次第でしょうが。

ピレリのマリオ・イゾラは「FP3では大抵予選の準備に集中するものだが、今日は多くのチームがデグラデーションを考慮したセットアップとバランスの最適化作業を行っていた」みたいなコメントをしており、どのチームも金曜のロングランでデグラデーションが厳しいことを感じ、その対策にフォーカスしていたみたいですね。

One interesting thing we saw today was FP3: often this is focussed on preparation for qualifying, but today we saw lots of teams optimising set-up and balance in the light of the degradation experienced yesterday.

via: Mario Isola : What the teams said – Qualifying and Final Practice at the 2022 Spanish Grand Prix | Formula 1®

そうなると、決勝はタイヤマネージメント勝負の少々地味な争いになってしまう可能性もありますが、フェラーリがそこにうまく最適化できているのかどうか、というのが決勝の最大の見所ですね。

メルセデスが復活?

フェラーリレッドブル以外に注目なのは、金曜日から好調を維持しているメルセデスでしょう。今回投入したアップデートが奏功しているようで、ストレートでのポーパシングが収まってドライブしやすくなった模様。予選ではラッセルがペレスを上回るタイムを出して4番手に食い込み、メルセデスとしては今季最上位グリッド。一時期は「ゼロポッド」コンセプトを捨てるのでは、という話も出ていましたが、これならゼロポッドのままでも大丈夫……?

とはいえ、優勝争いに絡もうと思ったらルクレールとフェルスタッペンに追いつく必要があるワケで、メルセデスとしてみれば「これで十分」というワケにもいかないでしょう。ゼロポッドを撤回したほうがさらなるパフォーマンスアップに繋がる、と判断すれば、さらなる大幅な改良もあり得るんでしょうね。ただ、開幕直後から低迷しまくっていたパフォーマンスを6戦目でここまで改善してきたのだから、やはりメルセデスの開発力というのはスゴイですね。

ただ、パフォーマンスアップは間違いないものの、ハミルトンはリヤエンドの動きに自信が持てないようで、まだ不満も残っているようです。

Spanish Grand Prix: Lewis Hamilton ‘really struggling’ with new Mercedes - BBC Sport

ターン3やターン9のような高速コーナーでまだポーパシングが出ているそうなので、それも関連した話なのかもしれませんが、しかし高速コーナーでのポーパシングはフェラーリでもかなり出ていましたしねえ。あれドライバーはかなり怖そうですが。ポーパシングをゼロにするというよりは、多少のポーパシングを許容しながらドライバーが自信をもって踏んでいけるクルマにする、という方向性が正しいような気がしますが、さてどうなりますか。

ハミルトンにしてみたら、このバルセロナではずっとラッセルに対してタイムが遅れているので、ついつい「マシンがしっくりこないわー」と言いたくなるのかもしれませんが。これでもしメルセデスが再び優勝争いに絡めるだけのパフォーマンスを取り戻してきた場合、ハミルトンとラッセルがどのように争っていくのかっていうのは興味深いですね。

そのほか

今回大型アップデートを持ち込んだアストンマーチン、サイドポッドの形状なんかがレッドブルそっくりだっていうんで物議を醸してましたね。今度は「ピンク・メルセデス」ならぬ「グリーン・レッドブル」だというワケですが、FIAによる判断は「シロ」なので、「パクリだ」とイチャモンを付けるのは筋違いかとは思います。確かにサイドポッドの見た目はよく似ているけど。ただ、これを例によってクリスチャン・ホーナーが「レッドブルから知財が流出した可能性がある」とかコメントして、火に油を注いでいるんですよね。

スタッフ引き抜きと”グリーン・レッドブル”の出現は「偶然じゃない」レッドブル代表がFIAに警鐘

この問題の前段として、アストンマーチンレッドブルの空力責任者をヘッドハンティングしており、そこから情報が流出しているのではないか、というワケですね。まあレッドブルにしてみればFIAの判断が覆るなんて思ってはいないでしょうが、こうしたコメントを出すことでFIAアストンマーチンにプレッシャーをかけたいんでしょう。現状、アストンマーチンの成績は低迷しておりレッドブルにとっての驚異とはなりえませんが、姉妹チームのアルファタウリにしてみればライバル関係になりますしね。

そんな大型アップデートを施したアストンマーチンは2台揃ってQ1ノックアウトという悲惨な結果になりましたが、果たして今後のパフォーマンス向上はあるのでしょうか。今回はアルファタウリも振るわない結果となっていますが、予選ペースが悪い分レースペースが良くなったりはしないだろうか……。

注目なのは、初めてQ3に進出してトップ10スタートとなるミックですかね。ここまでポイントを取れそうで取れてないミックですが、今回こそ入賞なるか。ハースはこれといったアップデートを持ち込んではいないようですが、それでもQ3に2台とも進出しているって大したものですね。

そういや、今回の観客席はフェラーリのキャップが目立っておりましたが、やはり皆サインツに期待しているんでしょうね。アロンソのことも忘れないであげて欲しいですが、まさかアロンソQ1ノックアウトされてしまうとは……。