大須は萌えているか?

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F1[22] オランダGP 予選

3週連続開催の2戦目、先週は鈴鹿行ってたりしたのであんましまともに観られなかった感じですが、今週末はのんびり観られそう……というワケで、F1オランダGP予選のお話。

僅差の予選セッション

Q1の走り始めからしばらく、路面の改善がすごかったですね。目まぐるしくタイムが切り上がっていくので、どう転ぶかわからない面白さがありました。ドライバーのミスも結構目立っていましたが、Q1敗退を喫してしまったベッテルは「ザントフォールトの『ザント』に捕まってしまったということだろう」みたいなコメントしてますね。

On my final Q1 lap I picked up some sand on my left-side wheels on the entry to Turn 13. At that point, you are really focused on the apex kerb on the right – I was not trying anything fancy – and I just drifted off-line and lost the car. I guess you could say that I got caught out by the ‘zand’ in Zandvoort.

via: What the teams said - Qualifying at the 2022 Dutch Grand Prix | Formula 1®

ググってみると「zand」はオランダ語でいう「砂(sand)」であり、まあ目の前が海の砂丘地帯に立地しているサーキットなので、砂が多いというのはある意味当然というワケです。風も強かったようなので、砂がかなり舞ってコースに散らばっていたんでしょうね。それだけに、マシンが走れば走るほど路面の改善効果も大きかったと。

レッドブルは金曜日にかなり出遅れていたのでどうなるかと思いましたが、土曜日にはそれなりのところまできっちりマシンを仕上げてきていたのはさすが。ただ、ペレスはそれでも最前列を争えるような速さには届いておらず、本来的に言えばポールを狙えるマシンでは無かったんじゃないか、という気もします。それでも最後にトップタイムを叩き出してきたフェルスタッペンはなかなかに化け物じみているというか、なんか絶対王者の貫禄が出てきましたねえ。

ペレスは最終的にプッシュしすぎたかスピンしてしまったわけですが、ペレスのセクターベストを足してみてもフェルスタッペンには0.5秒くらい届かないんだからまあなんというか。これはペレスが遅いというよりはフェルスタッペンが速すぎるっていう感じがします。

マシンの仕上がりという点ではフェラーリ勢が総じて速く、ルクレールサインツが2・3番手に並んできたのはマシン自体の調子の良さを証明している感じがします。ルクレールいわく、ターン10でミスをしてしまったためにポールを逃したっていう話ですが、まあ砂や風の影響が大きい中でノーミスで走るのは相当難しい感じだったんでしょうねえ。レースペースでどちらが有利かっていうのは気になるところですが、とにかくフェラーリの戦略がな……まともに機能するのかどうか……。

今回のタイヤ、ハードはレースペースがかなり劣り避けられる傾向があるみたいで、予想最速戦略はソフト→ミディアム→ミディアムとなっているようで。

STRATEGY GUIDE: What are the possible race strategies for the 2022 Dutch Grand Prix? | Formula 1®

そしてフェルスタッペンはソフトの新品を1セット持っているんですよね。スタートでレッドブルフェラーリがどちらもソフトを選ぶとしたら、これが影響するのかどうか。

今回は「三つ巴」になるのか

メルセデスも調子良いですよね。マシンが進化した、というよりは、セットアップのウインドウが狭いのは相変わらずだけど、このサーキットではなぜかそのウインドウに合わせ込みやすい、というコトみたいです。ハミルトンとサインツの差は結構近いようにも見えるので、あとはレースペース次第ではフェラーリレッドブルと戦えるのでは?という気も。フェルスタッペンだけ別格になる可能性もありますが。

ラッセルはハミルトンに少しタイムを離されていますが、Q3でニュータイヤでのアタックが1回しかできなかった上に、そのニュータイヤでの最後のアタックではペレスの後ろを走っていたもんだからイエローフラッグの影響をモロに受けてしまったという不運もあります。

今回メルセデスの後ろにいるノリスはちょっと気になる存在ですが、アルピーヌは今回不発だし、メルセデスにとっては少なくとも「3番めのチーム」で居られるのは硬い状況。であれば、多少リスクを取ってでもアグレッシブに行ってほしいところではあります。逆に言うと、もしレッドブルフェラーリに絡めないような格好になると、メルセデスにとっては退屈なレースになりそう。

そのほか

1周が短く、かつコンディション的にミスもしやすいというこのサーキット、それでも上位陣が大きく崩れていないのはさすがっていう感じですが、トップ10圏内にミック・角田・ストロールが飛び込んできたのはちょっと意外な感じでした。まあベッテルやリカルドがQ1敗退したり、アルピーヌが伸び悩んだりしたおかげっていう感じもありますが。

ミックは現段階で来季ハースからは放出されることが濃厚とされているので、決勝では奮起したいところでしょうね。そういう意味では、角田の来季もまだ確定していないんですが。アルピーヌがガスリー獲得のためにレッドブル陣営と交渉しているのは事実らしいので、もし来季ガスリーが移籍するなんてことになったらさすがに角田は残留なのでは?という気はしますが。ただ、ガスリーとオコンは昔からめっちゃ仲が悪いっていう話も気になるところではあります。……ていうか、オコンってチームメイト相手でもわりと容赦無い寄せ方したりするので、円満な関係を築けているドライバー仲間ってどれくらいいるんだろう、というのが気になったりもしますが。

そういや、契約問題で揉めていたピアストリは結局マクラーレンへの加入が正式に決まったんですね。アルピーヌは他に行き場が無いから大丈夫やろ、と高をくくっていたアロンソに逃げられ、その間に来季のレースシートを確実にモノにしたかったピアストリにも逃げられるという大失態を演じてしまったワケですが、これ普通で考えたらチームのマネージメント層の責任問題になるんじゃないの、という気もしてしまいます。結局、ピアストリに対しても「こいつはうちらの育成ドライバーなんだから逃げるワケないやろ」と高をくくっていたんだろうなあと思うワケで、そういったドライバーに対する人心掌握を軽んじている組織なんだろなあ、という感じはしますね。

アルピーヌにはガスリーが乗ることになるのか、はたまたリカルドが復帰することになるのか、あるいはさらなる選択肢がありえるのか、というのが気になるところではありますが、失態を重ねてドライバー2人に逃げられた以上、それを補って余りあるドライバーを迎えたいというのが正直なところではあるんでしょう。いやーどうなるのか楽しみだ(?)