フェラーリの地元モンツァ、ここまでレッドブルに良いようにやられっぱなしのフェラーリとしては意地を見せられるのか、あるいはフェルスタッペンが前人未到の10連勝を達成するのか……というのが一番の見どころになるでしょうか。そんなワケでF1イタリアGP予選のお話。
- 予選結果: FORMULA 1 PIRELLI GRAN PREMIO D’ITALIA 2023 - QUALIFYING
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- 予選後各チームコメント: What the teams said – Qualifying at the 2023 Italian Grand Prix | Formula 1®
- 予選後記者会見: F1 - 2023 ITALIAN GRAND PRIX - POST-QUALIFYING PRESS CONFERENCE TRANSCRIPT | Federation Internationale de l'Automobile
フェラーリはレッドブルに勝てるのか
モンツァは極めて高速志向の特殊サーキットであり、フェラーリが全チームの中で最多ポールポジションを獲得しているサーキットでもあります。当然のようにスタンドはティフォシと呼ばれる熱狂的なフェラーリファンが多く、フェラーリドライバーとしては全カレンダーの中でもっともテンションが上がると同時にプレッシャーを感じるサーキットでもあると思われます。
そんな中でポールを獲得したのは以外にもフェラーリのサインツ……意外と思ったのはルクレールじゃなかったからなんですが……、しかしサインツって金曜日から順調にタイムを出してきていたので、ある意味順当な結果とも言えます。サインツがポール取ったのって昨年のCOTA以来ってことになりますかね?モンツァでフェラーリのポールは昨年ルクレールも獲得しているので、2年連続ということになります。
じゃあ今年はフェラーリがレッドブルというかフェルスタッペンに勝てるのか?というのが興味の焦点になってくるかと思いますが、まーレースペースはフェルスタッペン有利なんじゃないのかな、という気はしてしまいますね。サインツとフェルスタッペンのオンボード映像の比較を見てみると、コーナー立ち上がりの加速でフェラーリがタイムを稼いでいるのに対し、コーナーへのブレーキングとコーナリング中のスピードはレッドブルが速い。
しっかりダウンフォースが得られているのはレッドブルのほうで、でもタイム差としてはここまで肉薄していることを考えるとやっぱりフェルスタッペン有利かな、という感じはします。フェルスタッペン自身も決勝に対してはある程度楽観的に見ているような感じしますしね。
あと、ATAフォーマットで行われた今回の予選、Q1のハードとQ2のミディアムでトップタイムを記録していたのがフェルスタッペンでしたねえ。
そして今回のレースでは、アタック前にわざとゆっくり走るクルマが多発して渋滞が起きることを予防するため、予選中のすべてのラップを対象に「これ以上遅く走ってはいけない」という最低通過タイムを設定した、とかって話題になってましたね。
土曜日の朝に発行されたレースディレクターズ・イベントノートのバージョン3には、渋滞の発生を緩和するため次のような文言が追加された。
「イベントの安全かつ秩序ある運営のために、スチュワードが認めた例外的な状況を除き、インラップとアウトラップを含めた予選中および予選終了後のいかなる周回でも、ドライバーはセーフティカーライン2からセーフティカーライン1の間を1分41秒より遅く走行することはできない。それを超えた場合には、不必要にゆっくり進んでいるとみなされる可能性がある」
via: イタリアGPの大渋滞を避けるべく、FIAが動いた! 最低ラップタイムを予選の全周回に適用へ……”カオスな状態”は発生しなくなるか?
セーフティカーライン1というのはピットロードの入り口付近に引かれているラインで、セーフティカーライン2というのはピットロード出口付近のライン。わざわざこんな書き方をしているのはアウトラップも対象に含めるという意味かと思いますが、予選中にフェラーリの2台がこれに違反してしまったらしく、審議のテロップが表示されてましたね。
しかし、予選終了直後くらいにこの件については「お咎めなし」というテロップが。これさすがにフェラーリに対する忖度じゃないの!?と突っ込みたくなってしまいましたが、アタック中のマシンを妨害しないためにスローダウンしたりしていて、やむを得ず最低通過タイムを上回ってしまった、というのがお咎めなしの理由なようです。
ホントにやむを得なかったのかどうなのかっていう検証はめんどくさそうなのでこれ以上突っ込まないようにしておきますが、しかしある程度きちんとルールを適用しないと実効性のあるものにはならんのじゃないか、という気がしないでもありません。一応今回はヒドい渋滞にはならなかったとは思いますが……。
アルファタウリがどこまで行けるか
ベッテルとガスリーの初優勝がここモンツァだった、というのもあって、アルファタウリにとってイタリアGPってゲンの良いレースなんじゃないかってイメージがあるんですが、今回予選ペースはなかなか好調で、角田が11番手でローソンが12番手という形でQ3までは行けなかったものの、悪くない結果となりました。
とはいえ、角田にとっては悔いの残るセッションでもあったみたいですね。
I’m pretty frustrated and disappointed with myself, because I think I could’ve done a better lap at the end. I apologise to the team, as I think there was the pace in the car to get to Q3.
via: Yuki Tsunoda : What the teams said – Qualifying at the 2023 Italian Grand Prix | Formula 1®
今回のアルファタウリ、まだ参戦2戦目のローソンが角田のすぐ後ろに付けていることも注目ポイントですね。ぶっつけ本番だったオランダに比べて、シミュレーターなどで準備してきたというのもあるんでしょうが、それでも2戦目でここまで適応してくるというのはさすが。モンツァは同じクルマに乗っているチームメイト間でタイム差がつきにくいイメージはありますが、角田から約0.16秒落ちというタイムは結構凄いのでは。
ローソンが活躍すると、彼が今年参戦しているスーパーフォーミュラの株も上がるんじゃないかという期待もある一方で、角田も簡単にローソンに負けてくれるな、という応援する側としては悩ましい心理状態です。2台そろって入賞してくれると一番嬉しいですが、しかしまあトップ10にいるメンツをみるとなかなか厳しい戦いになるのも間違いなさそう。
そのほか
オランダGPでも見事な走りを見せたアルボンですが、ここモンツァでも6番手。今のウィリアムズホントに良いですねえ。サージェントもまたQ3に進出するのかと思いましたが、自身のミスにより15番手。サージェントが振るわないぶん、余計にアルボンの実力が際立って見える格好になってますねえ。そろそろ来年のシート事情も気になるところですが、果たしてサージェントは残留できるんでしょうか。ウィリアムズの戦闘力が目に見えて上がってきているので、乗りたいドライバーは結構居そうですよねえ。メルセデスがミック・シューマッハをねじ込むのでは、なんて噂もあった気がしますが、さて。
最近去就の噂が立てられていたドライバーといえばアストンマーチンのストロールですが、アストンはアロンソがなんとか10番手にかじりついたのに対し、ストロールはなんと最後尾。金曜日にほとんど走れていなかったというのはあるにせよ、ちょっと悲惨な感じですね。昔モンツァでフロントロウに並んだこともあったのに。なんかますますいろんな噂を立てられてしまいそうな気もしますが、ただまーオーナーの息子だからシートが与えられている、なんて言わせないような成績を残してほしいところではあります。この先パートナーになるホンダとしても、ストロールのシートは何があっても固定、なんていう状態は許容できないんじゃないかと思いますし。