まあやっぱフェラーリじゃフェルスタッペンを止められないよなー、とは思うものの、ほんとにマシントラブルでも起きない限りはこのままフェルスタッペンが勝ち続けてしまうんじゃないか、という気配すら漂ってますね。角田にはマシントラブル起きるんだけどね。……そんなワケで、F1イタリアGP決勝のお話。
- 決勝結果: FORMULA 1 PIRELLI GRAN PREMIO D’ITALIA 2023 - RACE RESULT
- 決勝ダイジェスト: Verstappen charges to Monza victory for record-breaking 10th successive F1 win | Formula 1®
- 決勝後各チームコメント: What the teams said - Race day at the 2023 Italian Grand Prix | Formula 1®
- 決勝後記者会見: F1 - 2023 ITALIAN GRAND PRIX - POST-RACE PRESS CONFERENCE TRANSCRIPT | Federation Internationale de l'Automobile
フェラーリもそれなりに意地は見せましたが
地元モンツァでポールポジションを奪取したフェラーリにしてみれば、決勝でもフェルスタッペンの前に出てレースを盛り上げたいところ。目論見通りサインツがスタートを決めてレースをリード、フェラーリのトップスピードがかなり速いもんだからフェルスタッペンもなかなか仕掛けきれない展開となり、このあたりは観ていて面白かったですね。
フェルスタッペンはずっとDRS圏内を維持していたものの、もともとが超高速でウイングを寝かせているモンツァだけに、DRSの効果も他所のサーキットに比べて限定的になってしまうというのもあったんでしょう。
これ下手するとピット戦略でのオーバーテイクを考えることになるのかな、とも思いましたが、15周目にサインツが第一シケインの飛び込みでタイヤをロックさせ、立ち上がりの加速が鈍ったのをフェルスタッペンが見逃すはずもありませんでした。1回隙を見せちゃうとすかさずそこを突いてくるのがフェルスタッペン。一度前に出られてしまうと、フェラーリ陣営には為すすべなし。明らかにフェラーリはタイヤが苦しく、タイム的にもフェルスタッペンから大きく劣る状態に。
モンツァって、1988年当時シーズン全勝を狙える立場にいたマクラーレン・ホンダが唯一取りこぼしたサーキットでもあるので、まさかの展開があったりするのかも……なんてことも考えたりしたんですが、フェルスタッペンはそんなの関係ねえとばかりに10連勝を飾っちゃいましたね。
後ろから追いかけてきたペレスも最終的にフェラーリ勢を攻略し、レッドブルが1-2を飾ったところを見ても、やっぱりフェラーリ勢に勝ち目はありませんでしたね。トップスピードを稼ぐためにダウンフォースをギリギリまで削った結果、ポールを取ってしばらくレースをリードできたものの、タイヤの摩耗はレッドブルよりもかなり厳しくなってしまった感じですかね。
最後はフェラーリ同士で表彰台をかけた争いになっていましたが、かなりガチめのバトルを展開してて結構見ててヒヤヒヤ。サインツとルクレールはお互いバトルを楽しんでいたようですが、ルクレールがサインツに追突していたら洒落にならないところでした。
フレデリック・バッサーは「リスクを冒さないように指示をして、彼らはそれに従った」とコメントしていますが、最後1コーナーでロックアップしていたルクレールを見るにつけ、果たして本当に従っていたのだろうか……と疑問に思ったりはしました。
アルファタウリは残念な結果に
予選で11番手と12番手にマシンを並べたアルファタウリ、入賞の期待も高い位置からのスタートだったものの、角田はなんとフォーメーションラップ中にPUのトラブルにより脱落。スタートディレイの原因にもなっちゃいました。なんでよりによってこんなタイミングで……という感じ。
あとはローソンがどこまでやれるか、という点に興味が移るわけですが、彼自身はデビュー2戦目とは思えないくらいに手堅いレースをしていたように見えました。ピットのロスタイムが大きく、タイヤ戦略上は1ストップ推奨という感じではありましたが、アルファタウリのマシンはタイヤがもたずに2ストップ作戦に。それでも結果的には11位フィニッシュに持ち込んでますからね。ピアストリの5秒ペナルティとかがあったにせよ。
あと一歩で入賞を逃したという点では悔しさもあるレースだったかもしれませんが、今季デ・フリースの最高位が12位、リカルドが13位なので、すでにローソンはそれらを上回ったことになります。これレッドブル内で結構ローソンの株が上がってきているんじゃないかって思うんですけど……。
今F2で戦っている岩佐にも頑張って欲しいところですが、そういや彼は彼で予選下位から巻き返しての2位フィニッシュを飾ったりもしているんですよね。正直来年の空きシートは無さそうにも見えますが、なんらかの形でF1をドライブする機会が与えられると良いんですが。
そのほか
メルセデスはタイヤの具合が良ければフェラーリに追いすがることも可能だったりしないかな、と思いましたが、ペース良くなかったですね。ローダウンフォースのセッティングはどうにも相性が悪い模様。ハミルトンとピアストリの接触もなんだかなあ、という感じですが、なんかハミルトンは週末通して流れを掴めないまま終わっちゃった感じですね。来年もハミルトン&ラッセルのコンビを維持していくメルセデスですが、再び優勝争いに絡んでいけるようになるのかどうか……。
アルボンは2戦連続入賞となる7位フィニッシュ、ホントいい仕事しているなあと思うんですが、今回はノリスがずっと後ろに張り付いている状態でポジションを守りきったというのもすごかったですね。たぶん29周目くらいからノリスはずっとアルボンのDRS圏内に居たと思うんですが、その状態で最後まで行っちゃうというのが。アルボンはディフェンシブな走りがホント上手いんですねえ。
アルボンは「ランドは楽しめなかったと思うけど、自分は楽しめたよ!」みたいなコメントしてて、一方ノリスはアルボンとウィリアムズの仕事ぶりを称賛してますね。誰とは言いませんが強引なディフェンスでひんしゅくを買うドライバーもいる一方で、封じ込めた相手からも称賛されるアルボンの走りは素晴らしいと言えるのではないでしょうか。