大須は萌えているか?

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F1[23] アゼルバイジャンGP 予選&スプリント

なんかレース開催直前になって、スプリントのフォーマットが変わるとかでちょっとドタバタしてましたね。金曜にFP1やって、そのあと日曜の決勝レースのグリッドを決める予選セッション、そして土曜はスプリントレースのグリッドを決める「スプリントシュートアウト」と、単体のレースとして完結するスプリントレースが開催されるという流れに。

私はいつも予選・決勝に分けてF1の感想記事を書いているので、このフォーマットの場合どうしたものかと思ったんですが、とりあえず金曜の予選及びスプリントという形で書いてみたいと思います。そんなワケで、F1アゼルバイジャンGP 予選&スプリントのお話。

予選

フリー走行を一発やった直後に決勝向けの予選セッションを行うというのはなかなか慌ただしいというか、チームにとってもドライバーにとっても大変なんじゃないかと思ったりします。というか、フリー走行の枠が60分だけだとホントに各チーム収集できるデータが限られてしまうでしょうし、ぶっつけ本番感が強まってしまうような。それも狙いのひとつなのかもしれませんけど。

印象的だったのはルクレールの予選一発の速さ、それからアルファタウリが息を吹き返したように見えたコトですね。FP1ではデ・フリースが6番手に食い込む速さを見せていたのでどうなるかと思ったんですが、そのデ・フリースはQ1でウォールに突っ込んでしまうという有様。なんか新人のときの角田を思い出すな……。一方の角田は予選本番できっちりとまとめ上げ、なんとQ3に進出しての8番手。

デ・フリースは予選でコースインしようとしたときになにか問題が発生したようで、それによりガレージに一度押し戻されて仕切り直しになった結果、アタック前のタイヤのウォームアップが思うようにできなかったというのもあったみたいですね。そこは不運も重なった結果、という感じでしょうか。

Unfortunately, while queuing to leave the pits on his first run, Nyck’s car had a little issue which forced us to push him back into the garage to solve it and this lost him a lap, put him on the back foot and left him with cold tyres. On his lap he locked up into Turn 3 and went into the wall, ending his quali.

via: Jonathan Eddolls : What the teams said - Qualifying at the 2023 Azerbaijan Grand Prix | Formula 1®

アルファタウリはストレートが死ぬほど遅いという話だったのでバクーではどうなるかと思ったんですが、今回スピードトラップでの速度を見ていると、他のクルマに引けを取らない速度を出せていましたね。元々バクーはアルファタウリとの相性が比較的良いコースということで、イニシャルのセットアップが良かったこととアップデートの組み合わせが上手く機能した、という感じでしょうか。

スプリントシュートアウトでは使用タイヤが決められており、SQ3は新品ソフトを使わなくてはならないとされていることから、少なくとも1セットは土曜日向けに新品ソフトを残しておく必要がある……と思いきや、「新品ソフトを残しておかなくてはならない」というルールが無かったためノリスと角田は金曜のうちにすべての新品ソフトを使い切ってしまうという作戦を採用。スプリントでのシングルグリッドを狙うよりも、決勝グリッドを少しでも上げるという考え方は中堅チームにとっては理にかなった判断とも言えます。

まあ多分次のスプリント開催までにこの規則は上書きされる気がしますけど。ともあれ、決勝の角田が楽しみ~。

スプリントシュートアウト

ここでも角田が上位に食い込んでくれることを期待したんですが、SQ1の終盤になってウィリアムズのサージェントがウォールにヒット、赤旗になってしまったことで角田のアタックがコントロールライン直前で無しになってしまうという悲劇が。簡単にウォールに当たってしまうコースはこれがあるから怖い……。サージェントはマシンの修復が間に合わないとのことでスプリントレースを欠場することになりましたが、ポイント付与されるのが上位8台であることを考えると、無理に間に合わせるメリットも無さそうですねコレ。

スプリントシュートアウトでもルクレールが速さを発揮し、ルクレールがトップタイムをマーク。2番手はペレスで、フェルスタッペンは少々精彩を欠いて3番手。フェラーリのほうがタイヤの温まりが良いようで、一発のタイムをポンと出すにはレッドブルより良い感じ?サインツレッドブルに勝てていないので、そこはルクレールのアタッカーとしてのセンスもあるんでしょうけど。

スプリントシュートアウトは本来の予選セッションよりも時間が短く、特にSQ3は一発勝負の色合いが濃いですね。一応クールダウンを入れての2回めのアタックをすることは可能ですが、タイヤがそのままであることを考えるとタイムアップの難易度は高そう。一発目のアタックでタイヤの熱入れが上手く行ってなかったとかそういうことがあった場合は2回めでタイムを伸ばせる可能性もあるでしょうけども。

アストンマーチンは金曜日からDRSが断続的にしか稼働しない(まったく動かないわけでは無いらしい)というトラブルに見舞われており、土曜になってもそれが完全解決には至っていない模様。決勝レースでもしDRSが使えないとなると、それもかなりの痛手になってしまいそうですがどうなりますか。

スプリントレース

スプリントレースでは2番手スタートだったペレスが快勝。フェラーリはやはりタイヤのデグラデーションでレッドブルに劣ってしまう感じでしょうか。それでもルクレールは2位を守ったので悪くない感じにも見えますが、後ろのフェルスタッペンはオープニングラップでラッセルにぶつけられ、サイドポンツーンに大穴を開けている状態だったことを考えると、対等の条件ではまだレッドブルに勝負を挑めるだけのペースを持っていないと言えるのかもしれません。とはいえ、フェラーリがそれなりの速さを取り戻してきたというコト自体は事実なんでしょう。バクーは特殊な場所なので、次戦以降どうなるかっていう問題もありますが。

フェルスタッペンはオープニングラップでぶつけてきたラッセルに対して怒りを露わにしていましたが、まああれはレーシングインシデントの範疇だろうなあとも思います。ただ、フェルスタッペンから見るとラッセルの動きが無謀なチャレンジに思えたんでしょうね。たしかにオープニングラップでのタイヤの温まりは双方悪かったんでしょうけど、それだけにチャンスがあるともいえます。ラッセルとしては金曜の予選でQ2止まりでしたし、スプリントで少しでも挽回したいという思いが先走ったところもあるのかもしれません。

角田はオープニングラップでリヤをウォールにヒットさせてしまいタイヤが脱落、ピットに戻って再びコースに送り出されるもサスペンションが完全に壊れており結局リタイヤという流れになりましたが、あれタイヤをヒットさせる前に別の接触があって、それでフロントウイングを壊していたという伏線があったんですね。

Asked for his account of the crash, Tsunoda replied: “I just had contact with some driver and I lost my front wing and he just didn’t leave me any space. The front wing got damaged [and I] didn’t really recognise it and went flat-out [into Turn 14], which usually I do.

via: Tsunoda ‘really frustrated’ after contact with AlphaTauri team mate leads to Baku Sprint retirement and €5,000 fine | Formula 1®

このインタビューでは接触した相手をボカしていた角田ですが、その相手がデ・フリースだったということでアルファタウリとしては痛恨の展開。接触の状況がよくわからないのでアレですが、デ・フリースにも悪意があった話ではないとは思います。アルファタウリもレース序盤のタイヤウォームアップに難があったようで、コントロールが難しい状態でもあったんでしょうね。そのぶんロングランに強いのであれば、レース序盤のしのぎ方次第で入賞のチャンスは大いにある、という感じでしょうか。

情勢的には決勝はやっぱりレッドブルが強そうだね、という感じですが、フェルスタッペンとペレスがどこまでバチバチにやり合うのか、フェラーリはロングランでどこまで粘れるのか、アストンマーチンのDRSちゃんと開くのか、といったあたりが注目点でしょうか。アストンとフェラーリの状況次第では、メルセデスに表彰台チャンスが有るという感じかな。あと、ただでさえスケジュールがタイトなスプリントの週末に信頼性トラブルに振り回されていたアルピーヌはちょっと心配ですね。