※画像かなり多めです
関ヶ原を巡ったあとは、せっかくここまで来たので滋賀県まで足を伸ばします。名神を使っても良いんですが、そんなに遠い距離でも無いので、国道21号~国道8号と辿り滋賀県へと。時間に余裕ある場合、道すがらにある中山道の旧宿場町に寄ってみるのも良いかもしれません。
国道8号を伝って米原、彦根と通過して、適当なタイミングで左に入り旧街道へと。現在の県道542号線沿いにででーんとあるのが、豊郷小学校旧校舎群。
言わずと知れた、アニメ『けいおん!』の桜が丘高校のモデルとして有名になってる場所ですね。すっかり有名になってて、最近ではGIGAZINEでも紹介されてたくらいなんで今更改めて触れるようなコトも無い気がするんですが、まぁせっかく行ってきたのでご紹介。
ここは結構大きな駐車場があって助かります。ただ、イベントがあるような時だと満車になるみたいですね。満車の場合は近くにある豊郷町役場の駐車場も利用できるみたいですが、近江鉄道の豊郷駅も近いので、混雑が予想される場合は電車で行った方が無難かもしれません。
改修工事のおかげで校舎はピカピカ。この校舎の右手には講堂があり、左手には酬徳記念館(観光案内所)があります。どれも出入り自由ですが、校舎1Fには町立図書館や子育て支援センターといった町の施設も入ってます。ちなみに開放されているのは17時まで。校舎入って正面の部屋は展示室となってて、この校舎を寄付した古川鉄治郎(豊郷出身)の略歴や、校舎のミニチュアモデルなどが展示されてます。この部屋だけエアコンが入ってて、部屋の雰囲気を見るに元々は職員室として使われていたっぽい感じ。思わずさわ子先生の顔が思い浮かんでしまいます。
古川鉄治郎はスゴイ人
今まで古川鉄治郎という人のコトを知らなかったんですが、その生い立ちを見てみるとスゴイ人ですね。「古川鉄治郎」でググるとその孫の方が書かれたと思われる文章が出てくるんですが、伊藤忠商事・丸紅の創始者である伊藤忠兵衛(こちらも豊郷出身)のもとへ丁稚に出て、そこから頭角を現し丸紅商店の専務にまでなったという。
そして豊郷小学校にある解説によると、当時のお金で60万円(現在の物価で十数億円、ただし上記リンク先の記事だと50万円とされてます)という巨費(私財の2/3)を投じ、この校舎を故郷に寄付したのだとか。豊郷は事業により発展する余地が少なく、それよりも教育に力を入れ、優れた人物を養成する環境を整えることが郷土に対する最大の貢献であろう、との思いがあったんだそうです。また上記リンク先にはこんなエピソードも。
これに対し、忠兵衛(引用注:二代目伊藤忠兵衛のこと)は「そんなに大きな予算(50万円)を以ってすれば学校が立派に出来すぎはせぬか」と言った。ところが、古川は「折角作るならば出来るだけ理想に近い完備した物が作りたい」との意見であった。「産を作る事は極めて容易なことではないが、更に困難なるは産をよりよく散ずる事である。まことにその崇高なる心情と意義ある金の使途に対しては敬服の外はない」と忠兵衛はその思いを落成式の挨拶で語ったという。
via: 祖父は学校を寄贈し、卒業生・地域住民は校舎を守った
古川△。こんなお金持ちなかなか居ないですよ。周辺住民の方がこの校舎に愛着を持ち、保存運動を繰り広げてきた理由も良く分かります。そりゃ『けいおん!!』のOPで軽音部メンバーも思わず銅像に拝んじゃうワケです。拝まざるを得ない。私も銅像に拝んでおきました。
ウサギとカメ
それから有名になっている、階段の手すりに居るウサギとカメにも古川鉄治郎の思いが込められているそうです。
このページにある動画にその内容が語られているんですが、古川鉄治郎は子供の頃グズでノロマでいじめられっ子だったそうで、その時の先生から「ウサギとカメ」の話を聞かされ、ゆっくりでも良いから前に進みなさいと教えられたんだとか。鉄治郎がそのエピソードを設計を担当したヴォーリズに話し、ヴォーリズがその思いを形にしたのがあのウサギとカメ。また、オリジナルのウサギとカメは金属であるために戦時中に一度供出されてしまい、後に復元され現在の状態になっているそうです。
『けいおん!!』の第8話「進路!」の冒頭シーンに象徴されるように、アニメ作中では究極のマイペース人間である唯とカメを重ね合わせるように描いてますが、それは唯が将来大物ミュージシャンになって故郷に錦を飾るフラグ・・・なんでしょうか?ていうか話が進むにつれ軽音部全体が唯のペースに巻き込まれているところを見ると、きっと放課後ティータイムが将来メジャーデビューして武道館ライブってフラグですね、きっと。たぶん。とんちゃんも居るし(?)。
音楽室
ちょっと不思議だったのが、3Fにある音楽室って建物案内で確認すると「会議室」になってるんですよね。校舎入り口にある「ご案内」でも同じく会議室になってます。でも実際に行ってみると「音楽室」の表札が・・・『けいおん!』ヒット後に表札だけ差し替えたのかな??アニメ作中だと「準備室」ですよね。ちなみにアニメ作中でいう音楽室は、「唱歌室」という名称になってます。
しかしもっぱら「ミーティング」ばかりしている軽音部、その部室が会議室ってのもあながち間違っては無いような・・・。
音楽室(作中でいう音楽準備室、ていうか部室)の中はもうあまりにも『けいおん!』ファンの愛が溢れてて素晴らしいの一言なんですが、特に唸らされたのが完璧に再現された部員募集のビラ。しかも唯たちが2年の時配ってたのと3年の時配ってたのと両方ある・・・。
他にも「ゆいあず」が結成された演芸大会の申し込み用紙や軽音部メンバーのサイン色紙なんかも。なんという芸の細かさ。
ちなみに音楽室を見物に来ていたのはほぼ皆『けいおん!』ファンと思われる男性陣だったんですが、たまにこの校舎そのものに興味を持って見物に訪れたと思われるおばちゃんたちも来てました。結構驚いてました(さもありなん)。
講堂・酬徳記念館
ここに来て初めて知ったんですが、講堂(作中で新歓ライブとかやってるとこ)って2階席もあるんですね。小学校の講堂とは思えない、すごく立派な作り。ちなみにアニメ見返してみたら、ちゃんと作中でも2階席描かれてました。
酬徳記念館は現在観光案内所が入ってて、グッズの販売もここでやってます。日曜日には「けいおん!カフェ」もオープンしているそうで。ここは図書室のモチーフになっている場所ですよね。ていうか元々「酬徳記念図書館」として小学校と一般にも開放された図書館だったとのこと。小学校の生徒のみならず、町の人達にとっての教育施設でもあったんですね。今ではここから渡り廊下渡ってスグのところに町立図書館が設置され、その理念が引き継がれているんでしょう。
そして「とんちゃんパン」なるものが販売されているのを発見・・・思わず購入。人気商品みたいで、「午後3時までにご予約いただければ、翌日昼ごろお持ちします」とのこと。実際問題、瞬く間に売れてました。ちょうどお昼頃に来たのが正解だったか・・・。
他にも楽器の形したクッキーなんかも販売されてます。あと、カウンターにて『けいおん!』メンバーのキーホルダーやミニコースターが販売されていたのでこれも購入。挙げ句に最近発売された豊郷小学校旧校舎群の記念切手まで。ここで購入するとクリアファイルが付いてくるとか言われてつい・・・!クリアファイルには、どこかで見たコトある5人組のシルエットが入っているんだぜ。
キーホルダーは梓、ミニコースターはさわ子先生しか置いてなかったので、「今売ってるのはこれだけですか?」と尋ねてみたところ「キーホルダー、あずにゃんのしか無いんですよ~。他のメンバーは今品切れで・・・」とのこと。さらりと「あずにゃん」という単語が飛び出してきて思わずニヤリ。
しかし個人的にはさわちゃんとあずにゃんが1、2番目に好きなキャラなので、なんの問題もありません。ええ。あずにゃんペロペロ(^ω^)。全部揃えようと思ったら、相当通い詰めないと厳しいかもですね。豊郷町観光協会のWEBサイトでグッズの入荷情報も掲載されてますので、気になる方はチェックしてから出掛けてみては。
そんなこんなで
実際に豊郷小学校を訪れてみて、建設当時の理念を伝えつつ、アニメの聖地としても盛り上がっているその雰囲気にはホント感心しました。地元で生産・販売されているグッズもツボを押さえたものが揃っており、さすが近江商人の町だなぁと(?)。
ここからだと彦根もすぐ近くなんで、ついでにお城とひこにゃんを堪能するのも悪くなさそうです。お寺好きな人なら、湖東三山も雰囲気良くてオススメですよ。紅葉が名物。・・・なんでこんな滋賀県PRしてるのかよくわかりませんが。私の住む愛知県も三英傑を生んだ歴史ある土地なんで、皆様のお越しをお待ちしてます(?)。
ちなみに、話題になってた飛び出し注意の看板はむぎとりっちゃんは確認しましたよ。クルマ運転中だったんで、写真は撮ってませんけど・・・。
次回、ちょっとだけおまけを。