このエントリは、鈴鹿でスーパーGTを観戦した話 前編の続きです。写真多め。
GTフリー走行
EyeSight体験後、雨の中を小走りでグランドスタンドに移動。雨は少しづつ弱くなり、GTのフリー走行は時間通りに実施されました。そうでなくとも長丁場のレースなのに、スケジュールが遅延したらどうなるんだか、と不安だったので、とりあえず一安心。
当然路面はフルウェットだったワケですが、路面をチェックしておきたいのか序盤から各チームどんどんコースイン。ちなみに自分たちが見ていたのはV2席のEブロックというところだったんですが、ちょうどイカ娘フェラーリのピット真正面でした。
右手側にはエヴァンゲリオンレーシングが。なんか、かつてのルマンにおけるトヨタTS020を彷彿とさせるなにかを感じるクルマ(→ムーンクラフト・紫電 - Wikipedia)ですね。
左手奥には初音ミクZ4。遠くてちょっと見づらいですけど。
GT300クラスは車種が豊富で賑やかな雰囲気。もちろんメインはGT500クラスなんでしょうけども、こうしてバリエーション豊かなマシンが参戦していると見ているだけで楽しいですね。
スーパーGTがGT500とGT300という2つのカテゴリーが混走するレースである、というコトは一応知っていたんですが、GT300の中でもJAF-GT規格とFIA-GT規格てな具合に異なるレギュレーション下で設計された車両が混じってたり、さらにはレギュレーションに合致してなくても「特認車」として参戦が認められたりしてるみたいで、車両規則が相当カオス。
そうした状況下でもマシンの性能差が付かないようにいろいろなハンデが付けられたりもしているようですが、正直ややこしくてにわか仕込みの知識でカバーできるようなモノではなさそうです。
なので、まぁあんまり細かいコトは気にせずレースを楽しむコトにしました。レースの公平性とか言い出したらキリが無さそうですし、おそらくこの「ごった煮感」をそのまま楽しむのがスーパーGTにおいては正解でしょう。
ホームストレートを駆け抜けていくマシンの音を聞いていると、ホンダHSV-010のエキゾーストノートがカッコ良すぎ。日産GT-RやレクサスSC430に比べて、一段と甲高いフォーミュラみたいな音してました。GTでもホンダミュージックは健在ですねぇ。それにガワも格好いい。見た目と音で言えばホンダの圧勝。ていうか実際、ウイダーHSVが昨年のチャンピオンマシンなんですね。
フルー走行の終盤にはホンダ勢が相次いで好タイムを出して終了。ポールポジションを獲得していたのはS Road MOLA GT-Rでしたが、こりゃHSVが来るんじゃね?という雰囲気。
昼休憩
フリー走行後に行われたサポートレース(GTアジア)も観戦しつつ、ピットウォークの時間はヒマなのでまた席を離れてふらふら。適当にメシを食べたり、公式プログラムを買ったり。サポートレースでぶっちぎりの優勝を飾っていたアウディR8の市販車が展示されてて、思わず写真撮ってみたり。かっこええ。
あと、ショップでグッドスマイルレーシングのミクさんTシャツが売られてるのを見かけて一瞬買おうかとも思ったんですが、6,000円という値札を見てちょっとパス。Tシャツに6,000円はなぁ……。それでも結構売れてて、ミク人気の凄さを実感。そういや、グランドスタンドに用意されてたミクZ4応援席もお客さんびっしりでした。
GT決勝
そしていよいよ決勝のスタート、レース内容の詳細はAUTOSPORTあたりを見ていただければと思うんですが、ホントに面白いレースでした。
スタート時の路面はフルウェットに近い状態だったんですが、雨はまばらになっている状態。ここから路面が乾いていって、ドライになりかけた頃にまた雨降ったりしたら最高に面白いよね、なんて話をしていたら、ホントにそうなっちゃって。
序盤はGT-R勢が一気にトップを固めて、特にポールからスタートしたS Road MOLA GT-Rが圧倒的なペース。なんだ完全なワンサイドゲームか、と思いきや、路面がセミウェットになってくるにつれて深溝タイヤを履いていたS Roadは失速。浅溝を履いていたMOTUL GT-Rが怒濤の追い上げでトップに。
しかし今度は前年チャンピオンのウイダーHSV-010がペースを上げ、RAYBRIG HSVのクラッシュによるセーフティカー前後でトップに。RAYBRIGは200RでGT300のマシンをパスしようとした際にコースアウトしてしまったみたい。そういやEPSON HSVもコースアウトしたりスピンしたりしてましたし、HSVって速いけどピーキーなキャラクターのマシンなんですかね?
ウイダーHSVもトップ周回中にシケインでエヴァンゲリオンレーシング紫電と接触してスピン、一時ペトロナスSC430にトップを奪われる場面も。異なるカテゴリーが混走している怖さですね、コレ。そういや、セーフティーカーが入ったときに、ホームストレートで一度GT500とGT300を分けて並ばせて、隊列を整えてたのがなんだか新鮮な光景でした。
ペトロナスから再度トップを奪い返したウイダーは順調なペースで走行、そのまま楽勝……かと思いきや、路面が乾いてきたのを見てドライタイヤに換えたS Road GT-Rが後方から驚異的な追い上げ。ウイダーは浅溝タイヤのままで、ペースの差は歴然。ウイダー終了のお知らせと誰もが思ったんですが、しかしラスト数周でまたしても雨がパラパラと。GT-Rはたまらず失速、ウイダーが逃げ切り。最後は走行距離が500kmに到達する前に規定時間(18時30分)が来てしまい、本来より1周少ない周回数でのゴールとなりました。
でも、雨が降ったり止んだりの天気だったおかげで最後までトップがわからない最高のレースになりましたね。疎ましい雨が、結果的には素晴らしいレースを演出してくれたという。おかげで、3時間半に及ぶレースを飽きずに最後まで楽しむコトができましたよ。
また、GT300クラスではなんとレガシィB4が優勝。なにそれすごい。レガシィってそんなに速かったのか、と思ったらこれ今期初優勝なんですね。でもガライヤやポルシェと正面からやり合った結果の、文句無しの優勝。いやー、ホント良いタイミングでした。
ただ、GT300クラスでレガシィ以上に印象的だったのは初音ミクZ4。序盤は3位争いに加わるなど悪くないペースでしたが、その後失速し最後尾近いポジションまで脱落。今回ミク号はいいところ無しかぁ、と思いきや、路面が乾き始めたタイミングで真っ先にドライタイヤにスイッチ。そこからは凄まじいペースでプッシュし始め、最終的にクラス5位まで巻き返してみせました。いやはや、素晴らしい判断でしたね。
正直、ミクZ4はエンジン音だけ聞いているとスゴイ遅そう(失礼)なんですが、タイムを見るとメチャっ速という異様な光景が展開されていました。ポイントランキングを見ると、このレース終了時点でクラス2位……って、ふつーにタイトル狙えるポジションじゃないですか。
そんなこんなで
結果的に、初めて観戦したスーパーGTは大満足の内容でした。難しい天候とコンディションの影響が大きかったのはもちろんですが、速いクルマにハンデを付けて競争を盛り上げるというスーパーGTの性格もあるのかな、と。F1と比べるとショー的要素が強すぎるんじゃないかという気もしたのですが、いろんなクルマが抜きつ抜かれつのバトルを展開している光景というのは単純に見てて面白い。F1にはF1の、GTにはGTの良さがあるってコトでしょうね。
欲を言えば、GT500クラスにもっといろんなクルマが参戦してくれればなぁ、という気がします。車種のバリエーションが豊富で、挙げ句痛車までもが走っているGT300に比べると、GT500は3大ワークスのクルマで固定されてしまっているのでちょっと物足りない感が。それだけGT500がカテゴリーとして洗練されている、というコトなのかも知れませんが、GT300が妙に楽しげなコトになっているだけに、なんとなく。
しかしスーパーGTが思いの外楽しめるイベントであるコトがわかったので、また機会を見つけて観戦に行きたいですね。次は富士に行くのもいいかもしんない。鈴鹿より遠いけど。