まだマラネロ(イタリアの地名であってエロい言葉じゃないよ)にもドカ雪が降るよーな季節ですが、F1チームにおいては今期のニューマシンが続々発表され、開幕に向けて盛り上がってくる時期です。
しかしあれですよ、今年のニューマシンについて、以前からある懸念があったワケですよ。というのは、フェラーリの首脳陣が以前から口を揃えて「今年のマシンは醜い」と言っていたんですね。
チーム代表のステファノ・ドメニカリや会長のルカ・ディ・モンテゼモロは、コードネーム「663」と呼ばれるニューマシンの外観について、「美しくない」、「醜い」と口を揃えているようだ。 「技術的な規則によって定義された形に若干の自由度しか残されておらず、それはあまり美しいものではない」というドメニカリの言葉をF1SAが伝えている。
この発言は、クラッシュの際にドライバーの安全性を改善するため、ノーズの高さを低く抑えるという2012年の規則変更に言及していると考えられる。
現代のF1マシンは一般的にノーズと呼ばれるマシンの先端を高く持ち上げるレイアウトが一般的になっていたワケですが、2012年からこのノーズの高さの上限を今までより低くしますよ、って話になったんですね。
なんで低くすんの?って話なんですが、クラッシュの際の安全性を確保するのが理由なんだとか。ノーズが高く持ち上がっていると、ガツーンとぶつかった際にノーズ部分がアヒョーとすっ飛んでいきやすくなるから危険が危ないというコトですかね。あと空力規制的な意味も含まれていそうですが。
ただ、そのノーズをくっつけるモノコック先端部分の高さは特に変更無しなんだそうで。試しに超絶わかりやすい図を描いてみたんですが、
青く塗った部分がノーズ部分。ここの高さだけ規制が加えられたと(従来より75mm下げなきゃいけない)。んで、これを素直に解釈すると、ノーズ部分だけをかくーんと低くするために「段差」を作るのが手っ取り早い、という話になるワケですね。
ただまぁ、フェラーリの首脳陣は多少不細工になったマシンデザインの評判に対して予防線を張っているだけで、実際そこまでヒドくないだろう、と思っていたワケです。ほいで、本日(2月3日)にWEBでフェラーリの新車「F2012」が発表されたワケですが……。
【STINGER】写真で見る「F2012」 >> F1 NEWS|ニュース||STINGER / 独自の視点でF1ニュースを発信
なにこれダサい!超ダサい!この衝撃は、かつてマクラーレンが採用した「ちょんまげウィング」以来かもしれません。
ほぼ時を同じくして発表されたフォースインディアの「VJM05」も、フェラーリと同等かそれ以上にダサいノーズになってはいるんですが。
いやしかしインドはまだカレーが美味けりゃ許されますけどね(?)、フェラーリのマシンはやはり美しくないと。フェラーリのドメニカリはこれを「レギュレーション上こうするしか仕方無い」みたいに言ってらしいですけど、先日発表されたマクラーレンの新型車「MP4-27」はそんな段差存在しないワケですよ。
なんなのこの差は。全然知らなかったんですが、Number Webの記事の指摘によると、マクラーレンは昨年マシンのMP4-26でも実は今年のノーズ規制をクリアできるんだとか。
興味深いのは、この新しい高さ規定にマクラーレンが昨年から合致していたことである。彼らにアドバンテージがあるという見方もできる。
via: '12年新レギュレーションは戦況に影響を与えるか。~アドバンテージはマクラーレンに?~ - Number Web : ナンバー
少なくとも昨年、マクラーレンはフェラーリより遥かに速かったですよねぇ……。そうなると、「フェラーリのマシンがカッコ悪いのはレギュレーションのせい」という言い訳はいかがなものか。極端なハイノーズが無くても速いマシンは出来る、とマクラーレンが証明しちゃってるんですから。
こんだけカッコ悪くした代わりに速けりゃ誰も文句言わないでしょうけどね。ただねー、なんか今年もマクラーレンのが速そうな気がしちゃうんだよなぁ……。
ちなみにこの段差付きノーズ、「ステップノーズ」という呼称が定着しつつあるみたいですが、そんなスマートそうなネーミングはなんか気に入らない。「かっくんノーズ」とかで良いんじゃないすか。
噂によると、ザウバーもフェラーリと同じようなノーズになるみたいで、もう嫌な予感しかしません。あとはチャンピオンチームであるレッドブルがどういうデザインにしてくるかが気になるところですが、ニューウェイはこんな無様なデザインはしないと思うんですが。ちなみに、ザウバーもレッドブルもニューマシンの発表は2月6日予定。
地上波の放送無くなっちゃうわ、マシンはどんどんダサくなるわで、F1観るモチベーションが開幕前からダダ下がり傾向でちょっとヤバいです。