大須は萌えているか?

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F1[12]ベルギーGP 決勝

あいきゃんふらーい。F1ベルギーGP決勝。

決勝結果:
2012 FORMULA 1 SHELL BELGIAN GRAND PRIX - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
Post-race press conference - Belgium - The Official F1 Website

黒金の城

スタート直後のわずか数秒でハイそれまでヨ。そんなレースでした。

スタート時点で可夢偉のマシンはブレーキがオーバーヒート気味で煙がモコモコ。本人曰くこれは大した問題ではなかったらしいんですが、観てる方としてはさっさとシグナル消えてくれと気が気じゃありませんでした。しかしどうも一番気が急いていたのはマルドナドだったみたいで、誰が観ても明らかなフライングを慣行。久しぶりに見たわこんな鮮やかなジャンプスタート……。3グリッドダウンで大人しくしているかと思われたマルドナドですが、やはりその程度のペナルティでこの男を止めるコトなど不可能だったようです。

そして次の瞬間ブラックアウトでレーススタート。可夢偉はスタートのタイミングは悪くなかったハズなんですが、マシンが加速しない。どうやらホイールスピンを起こしていたようですが、なんでこんな時に限って。あー出遅れたな、と思った次の瞬間、スタート直後のワイルドさに定評のあるグロージャンがハミルトンとタイヤ同士が接触、マシンが浮き上がる格好になったグロージャンのマシンは減速できずそのままペレスのリヤ、そしてターンインしようとしていたアロンソのマシン前方に直撃。

↓はアロンソオンボードカメラから。

Spa pile-up, on-board with Fernando Alonso - GPUpdate.net

黒いマシンが後ろからもの凄い勢いで飛んでくる有様はまさにロケットパンチといった感じで、こんなモノを喰らったらひとたまりもありません。このクラッシュにより、いきなりアロンソ、ハミルトン、グロージャン、ペレスがリタイヤ。可夢偉も巻き添えを食い、マシンに大きなダメージ。もうホントに「あーあーあー」としか言い様の無い状態。

テレビ中継で複数のアングルからリプレイを見ると、クラッシュの原因がグロージャンにあるのは明白です。右側に逃げ場の無いハミルトンに向かっていきなりマシンを振ってますからね。今回はたまたま怪我を負ったドライバーが居ませんでしたが、一歩間違えばアロンソの頭にグロージャンのマシンがぶつかっていた可能性だってあるワケです。しかもスタート直後のこうしたトラブルについて、グロージャンはこれが「初犯」というワケではないし。

これに対し、グロージャンにレース後課されたペナルティは次戦イタリアGPの出場停止と、5万ユーロの罰金。これを妥当と見るかヌルいと見るかは意見の分かれるところかも知れませんが、これに対するドライバーの反応もいろいろです。

まずグロージャンに最初にぶつけられたハミルトンは完全に怒り心頭で、マシンから降りたあとフザケヤガッテ コノヤローと言わんばかりにヘルメットをトントンと指さすポーズ(おめー頭湧いてんじゃねーの的な)を取りそれが堂々カメラでオンエアされてしまう有様。これはこれで懲罰の対象にならないかとヒヤヒヤしますが。レース後のコメントでも、「スタートについては話したくもない。皆も何が起きたか見てたでしょ。残念だ」と。

I don’t really want to talk about the start - I think everyone saw what happened - it’s just a shame.

via: Lewis Hamilton:Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

ただ一方で、一番シャレにならないリスクを負ったアロンソは冷静。「グロージャンへの怒りはないよ、彼が意図的にやったことではないから。悪い場所に悪いタイミングで居ただけだ」というコメント。

I am not angry with Grosjean, he definitely didn’t do it on purpose: it was a case of me being in the wrong place at the wrong time.

via: Fernando Alonso:Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

マジギレしていたハミルトンに比べるとまるで悟りの境地にでも達しているかのような……。さらには、「むしろ、幾人かのドライバーはスタート時にあまりリスクを取らないようにするべきだ」とも。さて、誰のことを言っているのやら。

そしてついでにウェバーのコメント、「スタートはかなり荒れたけど、ラ・ソースでは起こりうることさ」。

The start was pretty wild, which can happen at La Source.

via: Mark Webber:Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

クールですねぇ。「ロスでは日常茶飯事だぜ!」的な何かを感じますね。ウェバー自身、空中一回転クラッシュなんかも経験してますし、これくらいで驚いてちゃ話になんないぜ、とでも言いたげな感すらあります。F1ドライバーってやっぱり頭のネジ飛んでますね。

オマケ程度にレースの話

えーと、ほいで何の話だったでしょうか。そうそう、バトンが圧勝だったんですけど圧勝過ぎてあーハイハイって感じになっちゃいました。本人にしてみればスランプを経た後の久しぶりの優勝であり、非常に嬉しい勝利だったでしょうね。ただ、こうなると後半戦のマクラーレンは脅威です。フェラーリやべえです。

しかし今回は2位と3位に入ったベッテルライコネンが素晴らしかったですね。ベッテルは予選でQ2ノックアウトされながらの2位。1ストップ作戦に切り替えての戦略が見事に適中。これはまさにチーム力で勝ち取った2位っていうかザウバーも見習って欲しい。

ライコネンはなんといってもミハエルをオーバーテイクするシーンですね、アレはしびれました。ストレートスピードが伸びるミハエルに対しコーナーが速いライコネン。DRSゾーンであるケメルストレートで差しきれないと見るや、DRS計測ポイントを過ぎた直後、オールージュに飛び込む直前でオーバーテイクするという大胆不敵な走り。こうすることにより、ストレートでは前方に居るライコネンだけがDRSを使用可能となり、ミハエルの追撃を振り切れるワケですね。まー理屈としてはわかるんですが、それを実際にやっちゃうのがライコネン。かつてのキレは完全に取り戻しましたね。

ミハエルは300戦目のスパで表彰台もあり得るかと思いきや、こちらはタイヤが保たず2ストップとなり7位フィニッシュ。それでも今週末のメルセデスを思えば上等だとは思いますが。

あ、それからトロロッソがダブル入賞するという今シーズン初の珍事が発生しましたね。しかもヴェルニュがリカルドの前ですよ。……でもこれがお互い今季2度目の入賞というのはあまりに寂しい結果ではありますが。どうしてこうなった。

そして我らがマルドナドは鮮やかなフライングを決めつつも多重クラッシュに巻き込まれスピン、でもしぶとくレースに復帰したと思ったら今度は5周目にグロックに激突しリタイヤするという特攻野郎ぶりを遺憾なく発揮、もはやカミカゼウキョーどころの騒ぎではありません。そしてレース後にはフライングと激突の合わせ技で次戦10グリッドダウンが決定。予選と合わせてこの週末だけで3つもペナルティを喰らうという唯我独尊ぶり、えーとこれで彼は今シーズン通算何度目のペナルティでしょうか、数えている人が居たら教えてください。

今回のレースではドライバー以外でもケーターハムとレッドブルロリポップマンがアンセーフリリース、他車と接触しそうなタイミングでマシンを発進させたとして審議対象となり、ケーターハムには1万ユーロの罰金。なんだか全体的に世界最高峰のレースとは思えないお粗末さの漂うレースとなってしまいました。

ただ、そんな中で表彰台の3人が世界のトップドライバーたる走りを披露してくれたのは救いだったと言えるでしょう。めでたしめでたし(?)。