大須は萌えているか?

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ガルパン ドラマCD 自動車部関係の元ネタあれこれ

アニメのBDは集めてないくせに、先日発売になったガルパンのドラマCDを買ってみたりしてました。

TVアニメ ガールズ&パンツァー ドラマCD 今度はドラマCDです!
リエーター情報なし
ランティス

いやなんかね、このドラマCDの収録エピソードの中に「自動車です!」ってのがあったのが気になっちゃって。学生時分には一応自動車部に所属していた身としては、やはりあの自動車部(レオポンさん)チームは非常に気になる存在なワケです。ていうか自動車と戦車ってメカニズム的にはそこまで大きくかけ離れたモノでは無いっぽい気もしますが、しかしあんなガラクタ戦車を一晩で修復したり、ポルシェティーガーを走りながら直すという芸当はもはや「自動車部」という枠内で括れるものではなく、お前ら一体何者だと思わざるを得ないワケであります。

そんな自動車部メインのエピソードが含まれているのならば聴いてみたいな、と思い買ってみたんですが、内容的にはまさにビンゴでした。自動車部メンバーが古いクルマをレストア中にあんこうチームのメンバーがやってきて、レストアを手伝う……という話。そしてそのレストアするクルマがマツダコスモスポーツというまたずいぶん懐かしいクルマ(っていうかこのクルマが売られていた頃には私生まれてません)。でもマツダ初(ていうか事実上世界初)のロータリーエンジン搭載の量産市販車として有名なクルマですね。

作中にはクルマのエンジン音も収録されてるんですけど、これ本物の10A型(コスモスポーツに搭載されたロータリーエンジン)の音なんですかね?ロータリーっぽくはあるけど……ガルパンならそこら辺もこだわってそうな気はする。「三角おむすび(ローターの形が三角おむすびに似ている)」だとか「アペックスシール(ローターの頂点についてるパーツ、ロータリーエンジン実用化にあたりコイツの材質がカギになった)」だとかロータリー好きが喜びそうなキーワードが散りばめられてるし。

ツチヤがコスモスポーツの走りについて「力強くっていうか、飛ぶように軽快に、って感じらしいよ。言い伝えでは」なんて言うシーンもありますが、これはコスモスポーツのあとにリリースされたファミリア ロータリクーペの宣伝コピー「走るというより飛ぶ感じ」が元ネタでしょうね。ていうかファミリアにロータリー積むとか、今から考えると程よくイカれてますねマツダさんは。

そもそもなんでドラマCDに登場するクルマがコスモスポーツかというと、他の戦車と同じよーに学園艦の隅に埋もれていたのを先代の部長が見つけて持ってきたのとのこと。その部長の名前がテラダ先輩で、土曜から日曜にかけて24時間寝ずに整備していたそうな。……はい、「ミスター ルマン」こと寺田陽次郎が元ネタですね。30年近くルマン24時間レースに連続出場した人です。んでもって、寺田陽次郎といえばロータリーですもんね。相変わらずいろいろ小ネタを挟んでくるな……。

自動車部のメンバーも日本人のトップレーサーの名前が元ネタになっているワケですが、公式サイトのキャラクターページを見てみるとそこにも小ネタが混じってて面白い。

雨の日に出歩くのが大好きで「雨はナカジマ」と呼ぶ人がいる。

via: ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|ナカジマ

ナカジマの元ネタは中嶋悟、日本人初のフルタイムF1ドライバー。雨のレースを得意としたコトから「雨のナカジマ」と呼ばれていた……というエピソードのパロディ。ちなみに中嶋悟が雨を得意としていたのは、雨の方がステアリングが軽くて操縦しやすいから、なんだとか(⇒ 中嶋悟 - Wikipedia)。でも、それで速く走るコトができるのは卓越したマシンコントロール能力があればこそ。

夢は「プロ戦車道チームのオーナー」。

via: ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|スズキ

スズキの元ネタは中嶋悟に次いで日本人2人目のフルタイムF1ドライバーになった鈴木亜久里。引退後は自らチームオーナーとなり後進を育て、ついにはF1にも進出……したものの苦難続きで撤退してしまったのはまだ記憶に新しいところ。スズキが色黒なのも明らかに亜久里譲り。

ドラマCD内ではスズキが冷泉麻子に電気系統のチェックを頼んだり、ギヤボックスの構造について語ってたりしているんですが、これは現役時代亜久里のマシンがギヤボックスや電気系統のトラブルでよくリタイヤしていたことと引っかけているんでしょうか……?

運転がうまく、「大洗一速い女」との異名をもつ。

via: ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|ホシノ

ホシノの元ネタは当然「日本一速い男」の異名をもつ星野一義。まだ日本人がF1に乗るなんて夢物語だった時代からのドライバーだったため、フルタイムでのF1参戦は叶わず。結果として「日本一速い男」として国内に君臨したワケですが、この人がF1にフル参戦できてたらどこまでやれたんだろう、という興味はありますね。

しかしなんだ、「大洗一速い女」というのは褒め言葉になっているのだろうか……。

金曜日のドリンクバーが大好きなので「ドリンクバー・キンヨウビ(ドリキン)」のあだ名がある。

via: ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|ツチヤ

ツチヤの元ネタは「ドリキン」土屋圭一。「ドリキン」は本来「ドリフトキング」の略でありドリンクバーとはなんの関係もありません。他の3人はフォーミュラカーをメインに戦っていたドライバーであるのに対し、土屋圭一だけは箱車メイン(フォーミュラも一時期乗ったがパッとしなかった)なんですよね。ナカジマ・スズキ・ホシノときたら「カタヤマ」とか「サトウ」でも良さそうな気がしますが、そこらへんはちょっと変化を付けたかったというコトでしょうか。

しかしまー、「ドリキン」を「ドリンクバー・キンヨウビ」の略だとする説明には笑わせていただきました。金曜日だとドリンクバーの中身が変わったりするんでしょうか。

ドラマCDではレストアしたコスモスポーツと学園長のクルマで学園艦1周レースをするコトになるんですが、ドライバーに抜擢されたのはツチヤ。「今回のレースは条件的にツチヤ向きかな」というセリフもありますが、それはつまり土屋圭一が峠上がりのドライバーで一般道をぶっ飛ばすには一番向いているというコトなのでしょうきっと。

そういや、その前のセリフでナカジマが「雨が降ったら私が乗るんだけどね~」というのはわかるんですが、スズキが「オーバルコースなら私が乗るんだけど」と言ってるのがよくわかりませんでした。亜久里ってオーバルの経験あるんだっけ?共同オーナーとしてIRLに首突っ込んでたのと絡めてる?

あと、個人的にはコスモスポーツって実物を見たコトが無く、どちらかというと『帰ってきたウルトラマン』で「マットビハイクル(⇒ マットビハイクル - Google Search)」として使われていた印象が強かったりして……などと思っていたら、突如一年生チームの桂利奈ちゃんが「あーーー!マッタビハイクルだ!」と叫びながら登場。彼女の説明によると『帰ってきたウルトラメン』に登場していたらしいです。この子、アニメだけじゃなく特撮もいけるクチだったのか……素晴らしい。結婚してくれ。ていうかなんだろう、ここまできっちりネタ拾われているとびっくりだよ。

ちなみに学園長のクルマとして登場するディーノ(⇒ ディーノ・206/246 - Wikipedia)はフェラーリ初のミッドシップ2シーターとして知られているクルマで、コスモスポーツとほぼ同時期に生産されていたクルマです。希少性が高い上に人気のあるクルマなので、中古で買うにしても数千万円クラス(たぶんレストアにもすっごいカネがかかる)。アニメ作中ではフェラーリF40を10式に踏みつぶされていましたが、今度はディーノを買うとかこの学園長どんだけ金持ちなの……。

コスモスポーツにしても自動車部メンバーがあっさりレストアしちゃってますが、本来そこらの自動車部がどうにかできるようなクルマじゃねぇです。でもまーポルシェティーガーを走りながら直しちゃう人たちなので、コスモスポーツのレストアくらい大したコトではないんでしょう。

……と、なんかこの自動車部のエピソードだけでもドラマCD買った価値あったかな。