大須は萌えているか?

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F1[13] ドイツGP決勝

白熱したトップ争いでした。F1ドイツGP決勝。

決勝結果:
FORMULA 1 GROSSER PREIS SANTANDER VON DEUTSCHLAND 2013 - The Official F1 Website

決勝後ドライバーコメント:
Race - selected team and driver quotes - The Official F1 Website

決勝後記者会見:
FIA post-race press conference - Germany - The Official F1 Website

ベッテル地元初勝利

ベッテルがついに地元初勝利。今まで地元で勝ってなかったのも意外ですが、やっぱり母国レースって有形無形のプレッシャーがあるんですかねぇ。セナも母国ブラジルで勝つまで長い歳月を要したし。

とはいえ、楽勝とは行かないレースでした。ベッテルを追い回したのはメルセデスでもフェラーリでもなく、ロータスの2台。久々に決勝で速いロータスが帰ってきました。今回はライコネンだけでなく、グロージャンも非常に速かったのが印象的でしたね。

あと一歩でライコネンは勝てそうなところだったんですが、結果的には残り11周でユーズドソフトに交換した判断が裏目に出ちゃいましたね。ライコネン自身はミディアムで最後までいける手応えはあったみたいなんですが、無線のトラブルで十分なコミュニケーションが取れなかったこともあり、ギャンブルを避けてピットインした模様。あそこは無交換にチャレンジして欲しかったなぁ。

I could run longer and we had a think about it, if we can try to run until the end but we had a massive problem with the radio. I could hear them but they could only hear me between two corners. So I’m wondering if we should have done it, take a gamble and try to go to the end because the tyres were pretty OK, my speed was pretty OK so it was hard to know what happens in the next ten laps.

via: Kimi Raikkonen : FIA post-race press conference - Germany - The Official F1 Website

しかしこれからの暑い季節、ロータスのタイヤに優しいキャラクターがアドバンテージになるのは間違いなさそうです。

ベッテルはこの勝利でランキング2位のアロンソに34ポイント差とますます盤石の状態となりましたが、ここのまますんなり行けるかなー?(できればすんなり行って欲しくない)でもまぁ、まずは母国初勝利おめでとー!

イマイチだったフェラーリメルセデス

一方でフェラーリアロンソがなんとか4位フィニッシュ。最後にソフトのニュータイヤを投入し怒濤の追い上げを見せましたが、表彰台には届かず。

今回はミディアムスタートの戦略を取ったフェラーリですが、そもそもそのミディアムがあまりもたなかったのが誤算でした。ソフト勢も案外タイムがガタ落ちすることなく、最初のピットストップまでそれなりに持ちこたえちゃったし。それを考えれば4位は悪くないとも言えますが。。

しかし、予選のペースがどうしても課題として残っちゃいますねぇ……。

それからマッサは1コーナーの飛び込みでスピンしたと思ったら、ギヤがスタックしてエンジンを止めてしまい、そのままリタイヤ。なんかヘンテコなスピンをするものだから、ブレーキング時点でなにかおかしかったのかと思いきや、スピンはマッサ自身のミスらしい。ううむ。

メルセデス勢は暑さのせいもあったのか、決勝のレースペースがどうにも伸びず「予選は速いが決勝はまるでダメ」なメルセデスが帰ってきてしまいました。これからの季節、どうやって乗り切るかは考え物。

相次ぐ「アンセーフリリース」

今回はレースとは直接関係のないところで危険なトラブルも発生してました。まずピットインしたウェバーが、右リヤタイヤが完全に装着されていない状態で発進してしまい、外れたタイヤがピットレーンを跳ね回りカメラマンを直撃した件。

タイヤって結構な重量物でして、あんなのが飛んで来たらどう考えても無事で済みません。幸いカメラマンの方の命に別状は無いものの、肋骨と鎖骨を折る重症。これドライバーに非がある話ではなくて、タイヤの装着をきちんと確認せずにリリースしてしまったクルーのミス。ドライバーは発進のジャッジを完全にクルーに委ねてますからね。結果、チームに対して3万ユーロという高額な罰金が課せられました。

これとは別に、フォースインディアも他のマシンと接触しかねないタイミングでマシンを発進させたとして罰金を課せられましたが、なんかこういう「アンセーフリリース」が最近結構目につきますね。今のF1ってかつてないほど速いスピードでタイヤ交換をこなす(マシンが静止する時間はわずか3秒足らず)ようになっているワケですが、その弊害が出てる気がしちゃいます。ピットクルーにしてみればコンマ何秒という単位で正確な作業をしなければならないワケで、そのプレッシャーゆえに「早くマシンを出さなきゃ」という気持ちが先走っちゃうコトがあるんじゃないかな。

現状チームへの罰金があまり抑止力になっていない気もするワケで、これ何か他の対策を考えるべきじゃないかなぁ。でないと、ピットでの「あわや」というシーンは今後まだまだ増えていきそうな気が。

無人で走るF1マシン

そしてもうひとつ、エンジンブローでコース脇に止められたビアンキのマシンがひとりでに動き出してコースを横切るというこれはこれで危険なトラブルも発生。幸い、そのタイミングでそこを通りがかるマシンが居なかったのが幸いでしたが。

これはマシンを止めた場所が坂道だったために起きた話。F1マシンにゃサイドブレーキなんて無いしね……。ドライバーはコースの途中でリタイヤした場合、マーシャルが手押しでマシンを動かせる状態にしておく必要があります。スポーティングレギュレーション30条5項。

車両をコース上に放置するドライバーは、ギアをニュートラルに入れるか、またはクラッチを切り、KERSを停止し、車両にはステアリングホイールを装着しておかなければならない。

via: 2012FIAフォーミュラ1世界選手権規則書 競技規則 日本語版(2012年3月9日発行版)

それゆえビアンキに非があるという話でも無いんですが、坂道であるコトを考慮してマーシャルがすぐマシンを押さえるべきだったかな……。ピットでタイヤが外れる事故はこれまでも何度か見てますが、コース脇に止めたマシンが勝手に走っていくのは初めて見たかも。これ、例えばスパのオールージュみたいな急坂でマシン止まっちゃったときにはどうなっちゃうんだろ。

そのほか

そういや、今回はなにげにマクラーレンがダブル入賞。チームとして2戦連続ノーポイントという有様ですっかりフォースインディアより遅いポジションに定着した感のあるマクラーレンですが、今回は悪くない展開でしたね。ペレスはデグラデーションが少なかったとコメントしてますが、タイヤとの相性が良くなったのかな。

一方フォースインディアはノーポイント、6番手スタートだったトロロッソのリカルドも12位フィニッシュと振るわず。チームの資金難により途中離脱の噂まで出ているザウバーヒュルケンベルグは10位でポイントゲット。中段グループの順位が今回はちょっと新鮮ですね。

ウィリアムズはマルドナド師匠がポイント圏内を走行してたりもしてたんですが、ピット作業でホイールガンがうまく噛み合わず大幅なタイムロスするなどして完全に沈黙。金曜日にはKERSのトラブルでボヤ騒ぎなどもあったみたいですが、このチームのアンラッキーぶりもかなりのモノです。おかげさまで、開幕以来のノーポイント記録を絶賛更新中。90年代のブラバムロータスを彷彿とさせる状況になりつつありますが、その当時最強を誇っていたウィリアムズがこうなっちゃうんだから、栄枯盛衰というかなんというか。

ウィリアムズとて過去に苦しい時代をのりこえてきていたりもするチームですが、今の状況は辛そうだなぁ……。

次戦ハンガリーからは、ピレリが2012年と2013年のハイブリッド型となるニュータイヤを投入すると言っているワケですが、このタイヤでレースの流れに変化は生まれるんでしょうか。怖いような面白いような。