大須は萌えているか?

gooブログからこっちに移動しました

飯田線秘境駅号に乗ってきた その1 豊橋~大嵐~小和田

※画像多めです。BGMは山本正之飯田線のバラード』でお願いします。

先週、生まれて初めて飯田線に乗ってきました。愛知県の豊橋と長野県の辰野を結ぶあの飯田線です。今まで乗ったコト無かったんですよねぇ、これ。

しかも何を思ったか、飯田線秘境駅号に乗ってきました。

飯田線秘境駅号とは

秘境駅というのは牛山隆信さんという個人の方が運営されている「秘境駅へ行こう!」というサイトから広まったとされる言葉で、Wikipediaによれば

秘境駅は一般に「鉄道路線と集落までの間に距離がある」「登山などの目的の人が利用するのみ」「昔は集落があったが消滅した」「駅に一切車道が通じていない」などの理由によって、人家のほとんどない地帯に存在する駅のことを指す。

via: 秘境駅 - Wikipedia

……んだそうです。

で、前述の「秘境駅へ行こう!」では秘境駅のランク付けを実施しており、飯田線の駅も6つランクインしているそうで。ただ、飯田線というのはかなり良い感じのローカル線なので、一度駅で降りると次の電車が来るのに数時間なんてコトもあるワケです。秘境駅なんてのは当然周りに何も無いから秘境駅なのであって、そんなところに数時間置き去りにされるのはなかなかハードルが高い。

そこで飯田線に存在する6つの秘境駅にそれぞれ10~20分程度停車し手軽に秘境駅巡りができるという意図で企画され、シーズンごとに臨時運行されているのがこの飯田線秘境駅号。「手軽に行けてしまったのでは秘境の面白みが無いだろう」という説もあるのですが、私みたいに秘境駅に若干の興味はあったもののそのハードルの高さから尻込みしていた人間にはまさにうってつけの列車なのです。JR自身が「秘境駅」って言葉を使ってるのも面白いですが。

この列車、3両編成の全席指定なんですが、たいそう人気がある上にパックツアーで8割方の座席が押さえられてしまうそうで、個人で乗車券を確保するのは至難の業。そんなワケで、大人しくJR東海ツアーズの旅行プランに申し込んで参加しました。

これだと、名古屋から新幹線(こだま)で豊橋まで行き、豊橋から秘境駅号で天竜峡天竜峡でガイド付きの散策して帰りは特急伊那路豊橋まで行き、また新幹線で名古屋まで戻るという内容。弁当付き。

豊橋 ~ 大嵐

秘境駅号で使用される車両は特急伊那路と同じ373系

車両が立派なので、あんまり秘境行く雰囲気じゃないですね。ちなみに車内は完全に満員でした。中高年が圧倒的に多く、私が余裕で若者面できるレベル。

豊橋を10時20分に出発してから2時間くらいは走りっぱなし。ただ、途中景色の良いポイントで減速して車掌さんが説明してくれたりします。そして車内で弁当が配られるので、先に昼食。秘境駅号の弁当なんてのがちゃんと用意されているんだなぁ……。

弁当の中身はこんな感じ。

お茶も付いてるし、いざとなれば車内販売もあるので飲み物にも特に不自由しません。こんなに快適でいいのだろうか。

そして、最初に停車したのは大嵐(おおぞれ)駅。ここは秘境駅としてはランキング入りしてないんですが、ここで17分ほど停車。ダイヤの調整も兼ねてるんですかね。

ただなんだろう、十分に田舎だ。そして駅の時刻表はこんなん↓。お昼とかやばいですね、一度降りたら次が来るの3時間半後。

そしてこの駅舎、東京駅を模して作られたそうなんですが……東……京……?

ここ、ちょうど愛知県と静岡県の県境になっているらしく、駅名標には浜松市と書かれていたんですが、駅を出てすぐのとこには愛知県豊根村の看板がありました。ていうかここ富山(とみやま)だったのか!

富山って以前は富山村というひとつの村で、人口が約300人という離島を除くと日本最小人口の村だった場所なんですよ(現在は豊根村と合併)。昔クルマで富山の集落まで行ったコトあるんですけど、平地がほとんどない山奥に集落があってビックリした記憶があります。まさかこんな形でまた富山に来るコトになろうとは。

そして駅を出てスグのところは天竜川。飯田線ってずーっと天竜川に沿って北上していくんですね。

駅のホームにはポストみたいなのがあって、一瞬有害図書を放り込むアレかと思ったんですが、使用済みきっぷを回収するためのものでした。

小和田駅

そして大嵐を出発して、次に停車したのが最初の秘境駅、小和田(こわだ)駅。秘境駅ランキング全国2位という、いきなりのメインディッシュっぷり。ちなみに秘境駅ランキング1位は、北海道の小幌駅だそうな。つまり、本州ではここがナンバーワンの秘境駅というコトですね。

ここでの停車時間は20分。その間に周辺をぶらぶらします。駅舎はこんな感じ↓。想像していたよりマトモな感じがする。当然乗客が皆一斉に降りて見物するので、秘境駅に人が溢れかえるというそれはそれでシュールな光景が展開されます。

駅舎内に掲示してある「駅周辺案内板」が程よく投げやり。なぜ「天竜川」だけ右横書きなのだろう……。

「この水は止めないで下さい」と注意書きがしてある水道はものの見事に止まってました。

駅を出てすぐの風景はこんな感じ。ホントにこれ、駅を出た直後の風景。

歩道を下ってスグのところに、なぜか大きく「愛」と書かれたベンチが。皇太子妃の雅子さまの旧姓と字が同じだからという理由で訪れる人が結構いたらしいので、その名残なのかな。しかし、こんなところに女の子連れてきたらむしろブチキレられそうな気が……。

さらにもう少し下ったところから駅を見上げてみる。……うん、駅に見えない。

そして標識らしきものがあったので見てみると、最寄りの集落まで1時間かかるらしい。一体どういうことなの。

そして建物があると思ったら廃屋になってました。

駅前の道は歩道のみで、クルマの乗り入れは不可能。歩道を下りきったところには天竜川が。近隣に住民の気配は一切ナシ。なるほどこいつは秘境と言わざるを得ない。

そして天竜川の近くまで下りてきたところで時間が無くなりつつあったので、ホームに戻ります。発車時間までに戻らないと、問答無用で置いていかれるらしいです。……それにしても、この駅ホーム狭い。いや、このあとの駅もみんなそうなんですけど。

ちなみに、かつては反対側にもホームがあったみたいなんですけど、今では線路が取り払われホーム「跡」になってます。

この駅のすぐ近くが愛知・静岡・長野の県境というコトで、こんな標識↓も。三つの県が交わるとき、秘境が生まれるってか。

ホントになんでこんなところに駅があるのか不思議なんですが、昔は近くに集落があったんですかねぇ。そして今でも駅が存在し続けている理由もようわからんですが……。でも、そのマニアックさが逆にこうして人気企画の目玉になっているんだから、世の中わからんもんですね。

長くなったので続きます。