たまたま見かけたこんな記事。
大阪のメインストリート・御堂筋をF1カーが疾走−−。今秋開催される「御堂筋オータムパーティー」を盛り上げるため、大阪府と大阪市がこんな企画を立てている。府市は「奇抜なアイデアが話題を集める」と期待を膨らませる。
「御堂筋をF1が走る。こういうことをガンガンやろう。ぜひ期待してほしい」。橋下徹大阪市長は1日、市内で開かれたイベント会場であいさつし、計画の一端を披露した。
F1のデモランがそこまで奇抜なアイデアとは思いませんが、まぁ日本国内で見れば市街地ど真ん中の公道をF1マシンが走るケースはレアと言えるでしょう。ただ、このアイディア、電通の提案らしいんですが、かの橋下市長が乗り気というコトもあってか、はてなブックマークではやたらと批判的なツッコミが入ってたりして。
はてなブックマーク - 大阪・御堂筋:F1カー走行を 橋下市長が計画披露 - 毎日新聞
かくいう私も少々否定的なコメントをしてたりするんですが、ただこのイベントが実現不可能か、といえばそうでもないし、やる意味が無いかといえばこれまたそうでもないと思ってます。
例えばこのイベント当日はF1アブダビGPが開催されるからデモランなんて無理、みたいな意見もありますが、この手のデモランはレース部隊とは違うスタッフが担当するのが普通ですし、マシンも型落ちのもの・デモラン専用のショーカーになります。ドライバーも現役にこだわらなければ、グランプリウィークと被っても大丈夫でしょう。
F1マシンなんて走らせたら道やマシンがダメになるだろ、みたいな意見もありますが、本番用のレーシングタイヤよりもグリップを落としたデモラン専用のタイヤがあります。それならばアスファルトが剥がれるようなコトは起きませんし、こういう公道デモランをする際にはマシンもそれ用のセットアップをしているはずなので、そうそう壊れるコトは無いかと思います。いつかの可夢偉みたいにクラッシュさせちゃダメですが。
それから直線コースを80~100キロ程度の速度で走るだけなんて意味ないだろ、みたいな意見もありますが、F1を生で見たことない人ならそれなりにインパクトのある体験はできるかと思います。特に今の小排気量ターボになる前のエンジンなら、空ぶかしの排気音だけでも度肝抜かれると思いますよ。
2011年横浜で行われたレッドブルのデモランもかなり盛り上がっていたようですし。
ただですね、個人的に気に入らんかったのが、記事の最後にあったこのコメント。
府の担当者は「F1ファンがネットで拡散してくれれば大阪の魅力を広く発信できる」と話している。
このコメントになんか「お前らF1好きはF1が走れば勝手に宣伝してくれるやろ?ん?」的ないけ好かない空気を感じてしまったのですよ。
私もF1好きですけどね、生でF1のレースそのものをある程度観ている身としては、直線を数年落ちのマシンがゆっくり走るイベントというのはそこまで興味が出ないんですよ。むしろこういうのは、F1をよく知らない、レースをよく知らない人に向けてアピールするべきで。
そういう人の方がデモランを観て大きなインパクトを感じるだろうし、それこそ「ネットで拡散」してくれるんじゃないかと思うんですけどね。ガチのF1ファン釣りたいなら、それ相応のマシンを用意してくれませんと。たいれるP34とか。
それと、F1のデモランを通じて大阪の魅力を発信したいというなら、900mの直線を往復なんてケチくさいコト言わず、大阪の名所をぐるっと回るようなコースにするくらいの勢いが欲しいですね。そうすりゃ、F1マシンと一緒に写り込んだ大阪の名所の写真や動画がインターネットで広まりますよ。モナコGPとかシンガポールGPとか見習ってくださいよ。
ともあれ、F1ファンを釣りたいならもっとしっかりやってくれ、というお話でした。