大須は萌えているか?

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アマチュアスポーツとプロスポーツ

たまたま見かけたこんな記事。

東京五輪パラリンピックのエンブレムを手掛けた佐野さんがサントリービールの景品のデザインがパクリだったと認めたわけですが、 「スタッフがパクったけど、ぱくったのは、スタッフで僕じゃないから!」ってな主張をしています。 んで、「オリンピックのエンブレムは、スタッフは関わってないから、問題ないよ」ってことですね。

佐野さんの生きているビジネスの世界では、こういう説明で乗り切れたのだと思います。

さてさて、スポーツの世界ではビジネスの世界と違ってルールは物凄く厳格に扱います。 高校野球で、校内で暴力事件があると、甲子園への出場を辞退したりしますよね。

via: ビジネスのルールとスポーツのルール : ひろゆき@オープンSNS

オリンピックのエンブレムのパクり騒動が一段落したかと思ったら、今度は別件でパクり疑惑が出てきて、挙げ句疑惑が事実であるコトが明らかになってしまい、それを今度は「スタッフがやらかしました」と釈明したデザイナーの佐野さんのお話。

スタジアムやらエンブレムやら、開催5年前にしてこれだけ問題が噴出しているのも面白いですね、東京オリンピック

さて、上記の記事ではそういう釈明の仕方について、ビジネスや政治の世界ではそれでセーフなのかも知れないけど、スポーツの世界では許されないよね、みたいな話が書かれてます。釈明した端から積極的に燃やすための薪をくべに行ってる感じしますね。

ただ、個人的には別にそれでもいいんじゃね、という気がしてまして。

引用文に例示されている「校内の暴力事件で甲子園の出場辞退」みたいなケースは確かにちょくちょく耳にする話ですし、高校野球とか特に不祥事に対する扱いがとても厳格であるイメージはあります。

なんでそんなに厳格かっていうと、スポーツって勝ち負け以上に、それを通じてフェアな精神を磨き、仲間との連帯・相互理解を深める、みたいなものが重視されるからでしょう。オリンピック憲章にもなんかそんなようなコト書いてあるし。

ましてや、市町村や県といった地域を代表するような選手は他への規範とならねばならず、そういった選手が何らかの不祥事をしでかすとそりゃあ大騒ぎになりますよね、と。

ただ、それはアマチュアスポーツの話。

これがプロスポーツとなると、話は大きく変わってくるワケです。なぜならプロスポーツというのはスポーツであると同時にショーでもあり、それを観客に見せるコトによってチームが成立するワケですから、誰かが不祥事起こしたからといってチーム全体が連帯責任取るワケにもいかんワケです。

それにプロスポーツは多額の金銭が絡む世界でもあり、チームの強さが観客の動員にも影響し、ひいては選手や監督の収入にも直結してくるワケです。なので可能な限り勝ちに行かねばならない。すると、「ルール上ギリギリ合法」「黒とは言い切れないグレー」みたいな部分を突く戦法が出て来たりするコトもあるワケですよ。つまり、プロスポーツはアマチュアとは違い、ビジネスや政治の流儀がまかり通る世界。

確かにオリンピックはあくまでアマチュアスポーツの祭典なんでしょうけども、その誘致・開催に政治が絡み、多数の企業がスポンサーとしてものすごい金額を出資している時点で、そんな牧歌的なイベントでは無いコトは明らか。

今回の佐野氏の一件は、そんなオリンピックの性格を良く表したニュースと言えるんじゃないでしょうか。アマチュアスポーツだって、世界から注目を浴びる存在になってしまうと純粋なスポーツ精神だけでは成立し得なくなってしまう、という身も蓋もない事実をスポーツ少年に教えてあげればいいのデス。