大須は萌えているか?

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信長の美濃攻めにまつわる城巡り(墨俣/岐阜/小牧)

先日、うちのかーちゃんに「どうせアンタ休みの日は惰眠貪ってるだけなんだから岐阜まで連れて行け」と言われたので、3連休の中日に出掛けてきました。目的地は秀吉が築いた「一夜城」として知られる墨俣城。ていうか、こないだ百名城巡りコンプしたばっかなのにまだ城巡るのか、と尋ねたところ、「お城スタンプラリーをやる」とのコト。そうですか。

墨俣一夜城

この日は愛知県の天気予報は一日中曇り、空を見ると確かに曇ってはいるものの、雨は降らないかなとタカをくくっていたのですが……墨俣城のある大垣市に到着する頃にはポツポツ雨が落ちてきていました。しかしここまで来ちゃったモノは仕方無いので、墨俣城近くの駐車場にクルマを駐めてお城の方面を見てみると……。

なんか天守っぽいものがある。墨俣城ってせいぜいが砦みたいなものかと思ったんですが。

この建物は墨俣城の歴史資料館なんですが、「やはり城ならば天守がなきゃ駄目だろう」的なノリで作っちゃったんでしょうか。史料館内の展示はパネルによる解説がメインで、その多くを「武功夜話」に依っているようです。ただ「武功夜話」の史料的価値には疑義も呈されており、秀吉が一夜にして城を築いたという話は後世の創作、というのが有力とか。

しかしまー歴史資料館的には秀吉が築いた城というコトで、館内では秀吉の馬印であったという千成瓢箪にあやかった「出世ひょうたん」なんてモノが売られており、外にたくさん吊されてました。

史料館最上階から北側の眺め。天気が良ければ右手に岐阜城が見えるハズなんですが、なんも見えません。

今度は南側の眺め。パネルの説明によると、写真右手の桜並木のある細い道の辺りが本陣跡とされてました。今はまったく面影ありませんけども。一番左の大きな川は長良川

信長はここを足がかりに稲葉山城岐阜城)を攻め落としたというコトですが、まー確かにこんな肉眼で岐阜城が見える(晴れてれば)ような場所にイチから拠点作ろうとしたら、敵も黙っちゃいないわな……。

岐阜城

墨俣城を見物したあとは、かーちゃんが「ついでだから岐阜城へ」と言うもんだからクルマでそのまま岐阜城へ。そんなに離れてないから良いんだけどね?

岐阜城ってかなり小さい時に一度来た記憶があるんですが、もうすっかりどんな場所だったか忘れてました。この城は岐阜市の真ん中にある金華山の上にあるんですが、麓からロープウェーも出ているので辿り着くのはそこまで大変じゃ無かったりします。ロープウェー降りてから少し歩いて登る必要がありますけど。

ただまぁ、天気が天気なので、山の上にある天守(昭和になって復興されたもの)はご覧の有様でした。写真奥にうっすら写っているものに注目していただきたい……お分かりいただけただろうか。

墨俣を足がかりに稲葉山城と呼ばれていたこの城を攻め落とした信長は、井口(いのくち)と呼ばれていた城下町を「岐阜」と改名し、城も「岐阜城」としたとかなんとか。信長の「天下布武」はこの城から始まっており、信長に縁の深い城であるのは間違い無いですね。

そしてこの岐阜城天守最上階からの眺めが抜群に良い……ハズなんですけど雲がなぁ。

天気の良い日は名古屋駅の高層ビル群もよく見えるみたいなんですが、真っ白です。これ天気の良いときに出直したいなぁ……。

ロープウェー乗り場に戻る際、信長時代に築かれたと言われる石垣も見えました。江戸時代に築かれた城の石垣に比べると荒々しい感じもしますが、それゆえに歴史を感じさせますね。

小牧山城

岐阜城を見物したあとは、かーちゃんが「ついでだから小牧山城へ」と言うもんだから、クルマでそのまま小牧山城へ。なんかさっきも同じ流れだったような……。

小牧は愛知県になりますが、名古屋市の北という愛知県の中でも岐阜寄りの場所になるので、岐阜城からそんなに遠いワケでもありません。小牧山城は美濃攻めを意識した信長が清洲城に変わる拠点として築いたもの(清洲より小牧のが岐阜に近い)ですが、それ以前の小牧には街らしい街は無かったようで、言ってみれば小牧市のルーツを作ったのも信長ってコトになるんでしょうか。

小牧山城稲葉山城を攻め落とすまでの4年間のみ使われたというコトですが、石垣の跡なんかも発掘されているようで、かなりちゃんとした城だったようです。山頂近くに転がっている石は石垣が崩れたものの一部みたいで、あちこちの石に「転落石」と札が付けられてたりして。受験生にしてみたら縁起でも無い場所ですね。

山頂にはこれまた天守っぽい建物があるんですが、これも墨俣同様に史料館です。小牧山自体は標高85mの小さい山なんですが、蒸し暑いもんだから山頂に着く頃には汗だくでした。

なお、小牧山からはわずかに名古屋の高層ビル群が見えました。お分かりいただけるだろうか。

もちろん小牧市内にある名古屋空港もよく見えます。ソーラー・インパルスが緊急着陸したり、MRJが試験飛行したりして話題になってたとこ。

山城って展望台としても優秀よねー。

なお、このあと「ついでだから清洲」と言われ清洲城にも寄ったんですが、駐車場がパンパンだったので見送りとなりました。今だと清洲~小牧なんてクルマでひゅっと行けてしまう距離なので、「こんな近場で拠点移さんでもええがや」なんて思ってしまうんですが、当時はその距離でも美濃攻略に向けての大きな戦略的意味があったんでしょうね。