大須は萌えているか?

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『おんな城主 直虎』の舞台、井伊谷をぶらぶら

先週、ウチのかーちゃんが「井伊谷(いいのや)に連れて行け」と宣うので、ドライブがてら出掛けてきました。

井伊谷とは静岡県浜松市北部にある地名で、徳川家の重臣として知られる井伊氏の発祥の地として知られる場所です。無論、来年放送される大河ドラマおんな城主 直虎』を見据えての行動であるのは言うまでも無く、そのミーハーぶりを見るに「さすが我が親」と思わざるを得ないのであります。

龍潭寺

新東名を辿って浜松いなさICで降り、まず最初に訪れたのは龍潭寺(りょうたんじ)。井伊家の菩提寺だそうです。井伊直親と離れ離れになった直虎が出家したのもここ。

庭園が有名だそうで、かーちゃんは以前にも訪れたコトがあるそうな。そこそこの台数が入る駐車場があるんですが、結構埋まってて驚いた。

拝観料を払って中に入ってみると、これは見事な庭園……

と思いきや、有名な庭園はこの反対側にあるんだそうな。こっちはこっちで良いと思うのですが……。で、こちら↓がその庭園。

「心」の字を模した池に亀を表した岩が置かれているなど、さっきの枯山水の庭とは違った池泉庭園。横から見るとかなり狭いスペースに造られた庭なんですが、こういう小宇宙的な世界観を持つ庭って人気ありますよねぇ。

庭を眺める座敷には人がびっしりだったので立ち見していたんですが、ここを目当てに訪れる人も多いようでなかなかのんびり鑑賞、というワケにはいきませんでした。

で、その龍潭寺の南の道を渡ってちょっと行ったところにあるのが、井伊家の祖とされる井伊共保が生まれたとされる井戸があります。めっちゃ田んぼのど真ん中に。

井伊共保の出生が1010年とされており、以降戦国時代まで井伊家はこの地を治めていたというんだからずいぶん長い歴史を持っているコトになります。どうしても江戸時代のイメージで「井伊と言えば彦根」みたいに思ってしまうんですが、この地での歴史はそれどころじゃないですね。

……あ、そういえば龍潭寺には直虎の墓もあったハズなんですけど、見てないな……。大河ドラマでは主要な舞台のひとつになると思われるので、ドラマが始まったらまた随分混むんでしょうねぇ。

井伊谷宮

龍潭寺のすぐ近くにあるのが井伊谷宮。ここは後醍醐天皇の第四皇子とされる宗良親王を祭神とする神社。直虎よりずっと前の時代の人ですね。

宗良親王南北朝時代に征東将軍として海路で陸奥国府に渡ろうとしたところ座礁し、井伊谷に漂着して井伊家の元に身を寄せた、という流れのようで。

しかしその後程なくして後醍醐天皇崩御し、井伊谷足利尊氏の手勢に攻められたため宗良親王は逃走。その後各地を転々としたあと信濃の大河原というところに落ち着き、以後30年近くそこを拠点とした……って井伊谷とそこまで縁が深いワケでも無さそうな……。

ただ、どうも宗良親王が晩年再び井伊谷にやってきて、この地で薨去したという説があるようで(あくまで一説ですが)。実際宗良親王のものとされる墳墓があり、そこに隣接する形で明治に創建されたのがここ。なので神社自体の歴史は結構新しいし、井伊直虎とは特に関係ありません。

……が、龍潭寺のすぐそばだし、井伊家と宗良親王に縁があったというのは初めて知ったので、訪れて良かったかなと。

妙雲寺

井伊谷宮のすぐ北にある川を渡り、西へ向かったところにあるのが妙雲寺。

直虎が晩年を過ごしたお寺だそうで、彼女の位牌も置かれているみたいなんですが……いつも公開しているワケでは無いのかなんなのか、人の気配が無かったのでチラ見しただけでした。

渭伊神社

妙雲寺のさらにもうちょっと西にあるのが渭伊神社。

創建された年代・不明、昔は龍潭寺の中にあった社が南北朝時代にここに移された……という噂もある的なコトが看板に書かれている、なんとも謎めいた神社。歴史はそこそこある感じなんですが、拝殿と本殿の間がトタン張りになっていたりと、やっぱりなんか謎めいております。

実のところ、ここは神社よりもその裏手にある天白磐座(てんぱくいわくら)遺跡がメインな気もします。てか、なんかこっちに妙に人が集ってました。

神社裏手の小山にある巨石群なんですが、ここはなんだか神秘的な雰囲気。こんなとこにこんな巨石群がある理由もなんだか気になるところですが、大河ドラマの舞台になる場所なのできっとそのうち『ブラタモリ』でタモリがきっと解説してくれるコトでしょう(?)。

おそらくここは、井伊氏がこの地を治めるずっと前からの歴史を持つ場所なんでしょうね。

井伊谷城

んで、渭伊神社の北東に位置しているのが井伊谷城

一応山の上にある城なんですが、標高は110mそこそことそんなに高いワケでもありません。クルマでは登れません(麓に駐車場あり)が、まぁそれくらいなら楽勝……と思いきや、結構キツい坂道で息が切れます。道は整備されてますが、足が悪い人にはちょっと厳しそう。途中2箇所くらい「お休み処」があるくらい。

……しかしこの所々で見かける「出世法師 直虎ちゃん」、虎耳に尻尾、手にはウナギとなかなかにコケティッシュなキャラクターですね……(?)。

そして息を切らしながら頂上着。展望台がありますが、誰も人が居ません。てかみんな龍潭寺井伊谷宮だけ見て帰ってるくさい。

しかし標高が低いとはいえ、周りに高い建物が無いので見晴らしは良いです。

井伊家に匿われた宗良親王はここを御所としていた(御所の丸と呼ばれている)というコトなので、城というか砦としての歴史は長いんでしょう。ただ井伊家もここをずっと守り通せたワケではなく、取られては取り返すを繰り返してた模様。

んで、井伊谷城から見える三岳山にも城を構えていたようで、こちらは有事の際に詰める城として機能していたとか。登るのさらにキツそうなんで、眺めるだけに留めましたが。

井伊谷城から降りて、東にちょっと行ったところに「井殿の塚」と呼ばれる井伊直満井伊直平の3男で直親の父)と直義(直満の弟)を祀った塚があります。

この2人は今川寄りの家老の讒言により今川に対する謀反の疑いをかけられて自害しており、その死を悼んで立てられたという感じでしょうか。この塚周辺は今では住宅地になっているんですが、かつては井伊家の居館があったそうで。

てか、「昔ノ本丸御旧跡」とも書かれているので、政務はここで行われていたってコトですかね。あの山登るの地味に疲れるしな……。この麓の居館まで含めて、井伊谷城の縄張りだったという感じなんでしょうきっと。

……と、ざっと井伊谷を回ってみましたが、比較的狭いエリアに旧跡が集まっているので、クルマはどこか一カ所に置いといて歩いて回るコトも十分可能かと思います。ていうか歩いて回りました。それでも、2時間くらいで回れちゃいましたね。三岳山も登ろうと思うと結構大変そうですけど。

余録

なお、このあとかーちゃんが「ついでに浜松城売店でジグソーパズルを買いたい」と言うので、割と最近行ったばかりの浜松城に向かう……途中で「さわやか」のげんこつハンバーグを食ったのでした。

前回の記事でネタにした交差点は、この道中に遭遇したものです。

夕暮れ時の浜松城も趣があって、これはこれで良かったかと。

あと問題は、直虎の大河ドラマがどれくらい面白いかなんですけどネ?『真田丸』の出来が良いだけに、制作陣には結構プレッシャー掛かってそうですねぇ。井伊谷浜松城でも直虎の幟が立ちまくっていて、地元の期待も大きそう。