大須は萌えているか?

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F1[17] シンガポールGP 予選

もう10周年なんですか。F1シンガポールGP予選。

ベッテル会心の一撃

毎年メルセデスが苦手としている場所であるため、フェラーリベッテル)としては絶対に取っておきたい、というか取らないといけないレース。ただ、フリー走行見ているとレッドブルに押され気味に見え、こりゃフェラーリ駄目かも?という雰囲気も。実際問題、Q1・Q2ともレッドブルのフェルスタッペンがトップタイムを奪い、それにリカルドが続く形。

こりゃレッドブルのポールは確実か……という空気で、フェルスタッペンがここでポールを獲れば、ベッテルの最年少記録を塗り替えるなんて話題も中継で出てたりして。

……んが、Q3一発目のアタックでベッテルが1:39.669(Q2の自身のタイムをコンマ9秒近く上回るタイム)を叩き出し、一瞬で「レッドブル有利」の空気を吹き飛ばしてしまいました。さらにベッテル、2度目のアタックでそれをさらに更新する1:39.491をマークし、盤石のポール獲得。実は1度目のタイムでもポール獲れてたんですが。

しかも最後のアタック、ベッテルはターン19の出口で軽くミスして左フロントをウォールにヒットさせてしまっており、それでもアクセルを戻さずにベストを更新するという鬼気迫る走り。

Onboard pole position lap - Sebastian Vettel Singapore 2017(動画)

ライコネンメルセデスにこそ勝ったものの、レッドブルの後ろ4番手という結果に終わっており、それを考えるとマシン的に一番ここで速いのはレッドブルだろうとは思うんですね。それを覆して、Q3でフェルスタッペンをコンマ3秒以上上回るタイムを叩き出してみせたのは、セバスチャン・ベッテルというドライバーの力でしょう。

ベッテルレッドブルに対してタイムを稼いでいるのはほとんどセクター1であり、ここのセクターベストはライコネンもほぼ同じ。直線が長く、エンジンパワーがモノを言うセクションですしね。で、コーナーが増えていくセクター2、コーナーだらけのセクター3となっていくにつれ、レッドブルが有利な状態になっていると。

セクターベストを比較してみると、ライコネンはセクター2で約0.15秒、セクター3では約0.3秒レッドブルに対して遅れています。対して、ベッテルはセクター2ではわずかながらもレッドブルを上回り、セクター3でもコンマ0.04秒の遅れに留めています。つまり、レッドブル有利なテクニカルセクションでの遅れを最小限度に留めて見せてるんですね。

オマケに、Q3最後のアタックでフェルスタッペンは自己ベスト更新ならず、リカルドもコンマ0.02秒のタイムアップに留まったのに対し、ベッテルはテクニカルセクションで綱渡りのようなアタックをしながら、最後まで全セクター自己ベスト(セクター1・2は全体ベスト)を繋ぐという抜群の集中力を発揮。恐れ入りました。

これ以降のシーズン終盤はメルセデス有利なコースが並ぶので、フェラーリがチャンピオンシップを狙うならばここは絶対に勝たねばならないコース。しかも、下手すると自身の最年少ポール記録まで塗り替えられる恐れがあるという、ベッテルにしてみれば意地でもポールを獲りたい局面。そのプレッシャーの中で、ここまで研ぎ澄まされたアタックができるとは。

もちろん、決勝はまたどうなるかわからんですけどね。そうでなくとも体力的にキツそうなこのコース、コーナリングスピードが向上したマシンでどこまで集中力が保てるのか。さすがに、迂闊にウォールにヒットさせるワケにもいきませんからね。

ハミルトンは「セバスチャンの隣にフェルスタッペンが居るからね、スタートで何が起きるかわからないよ」と暗にフェルスタッペンが何かやらかしてくれるコトを期待しているようですが。

Sebastian has Verstappen next to him, so anything can happen at the start.

via: Lewis Hamilton : What the teams said - qualifying in Singapore

メルセデスにとってはダメージリミテーションなレースとなりそうですが、ハミルトンにしてみれば表彰台には食い込みたいところでしょうね。オーバーテイクはし辛いものの、クラッシュやそれに伴うセーフティカー、あとレッドブルにはメカニカルトラブルも期待できる(?)しね。

レッドブル・ホンダ?

ベッテルの話が長くなりすぎたので、あとはホンダの話でも。

かねてからの噂通り、マクラーレンとホンダは今季一杯で契約を打ち切り、マクラーレンルノーPUの供給を受け、ホンダはトロロッソにPUを供給する形となりましたね。それから、その「見返り」としてサインツルノーに移籍する、と。今季スーパーフォーミュラに参戦しているガスリーがトロロッソに加わるのは規定路線でしょうから、あとクビアトはどうなるの?というのが気になるところですが……。ルーキーであるガスリーと、今季ロクにポイント稼げて無いクビアトだと、ちょっと心配な……。

ただ、ホンダが撤退するというシナリオが回避できたのは喜ばしいコトかと思います。今回は撤退は無い、って以前からキッパリ言ってきたんだからね、とことんまでやってもらわないと。落ちるところまで落ちて尻に火が付いたホンダが、どこまでやってくれるのか期待したいところですね。

さらには、2018年いっぱいでレッドブルルノーも離婚して、レッドブルにホンダPUを積むというプランまで話題に登っているのも興味深いところではあります。なんでも、ルノー側が2019年以降のレッドブルとのPU供給契約の延長に難色を示し始めたとかで。

トロロッソ・ホンダ誕生の余波で、レッドブルとルノーが関係解消か?

ホンダにしてみれば、レッドブルのようなトップチームと組めるとなれば願ったり叶ったりでしょうが、レッドブルルノーと不仲になったのは、レッドブル側がルノーのパフォーマンス不足を事あるごとに批判してきたから、というのも忘れてはいけないところ。場合によっては、ホンダは今のマクラーレン以上のプレッシャーにさらされるコトになりかねません。まぁ、そこはホンダさん頑張って、という話ではあるんですが。

2020年で現コンコルド協定が失効するのに伴う大がかりなレギュレーション変更、それに合わせて参戦を伺っていると噂されるポルシェ(ランボルギーニアストンマーチンも?)。その時にホンダが自らの居場所を確保しようと思うならば、今以上に開発を加速させていくしかないですね。今の時点でもう2021年を見据えた戦いが始まっているF1界、コワイですねぇ、恐ろしいですねぇ。