大須は萌えているか?

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F1[18] アゼルバイジャンGP 予選

決勝で波乱が起きるのは確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実じゃッ!……っていう雰囲気の、F1アゼルバイジャンGP予選です。

アジャストできた3人と報われなかった1人

金曜フリー走行ではメルセデスの2人とベッテルはややクルマの扱いに手こずっているような雰囲気もあったようですが、結果的にはその3人が上位を占める格好に。特にベッテルは金曜FP1が10番手、FP2が11番手タイムという結果ではありましたが、土曜にはFP3でトップタイムを叩き出してそのままポールも獲得と、中国で途切れたかに見える流れを再び取り戻すような力強さ。

今回はフェラーリのフロントロウ独占とはなりませんでしたが、マシンの仕上がり自体はライコネンも問題無し。むしろベッテルを凌ぐタイムを叩き出してもおかしく無かったんですが、Q3最後のラン、最終コーナーでミスを犯してしまい、結果として6番手となってしまったのは痛恨でした。あれはベテランらしからぬミスでしたねえ。なにより、そのミスに一番イラついているのはライコネン本人ですけども。

“A few times disappointed what has happened but this is a different story. What can I do? I can only look in mirror.

“I know the speed is there. But it’s frustrating when you’re fast and you don’t get the result that you want.

“I was taking care of it in the last corners and then having a mistake is silly, [makes it] even more painful.

via: Raikkonen rues ‘painful’ qualifying mistake

スピードがあるのは分かっている。でも、自分のミスでその速さに見合う結果が得られなかった。そりゃイラつきますよね。ただ、このバクーの市街地コースをノーミスで走り切るのは至難の業。ベッテルでさえ、Q3最後のアタックはミスしてアボートしちゃったワケですし。そういう意味で、やっぱりこのライコネンの噛み合わなさは不運だし、報われて欲しくはありますね。実際、Q3最後のアタックで、セクター3のタイムだけライコネンの自己ベストに置き換えると、ポールポジション獲れてたハズですからね。

メルセデスの2人も予選でのマシンの仕上がりには満足したようで、フェラーリに及ばなかったコトは認めながらもハミルトン、ボタスともにまずまず満足げな雰囲気。記者会見で「金曜からマシンにどれくらい変更を加えたの?今日のハンドリングはどれくらい違った?」という質問に対しハミルトン、

Just setup. Yesterday we were sliding around a lot, so setup wing level, ride heights. Pretty much everything on the car. Did a lot of changes.

via: FIA post-qualifying press conference - Azerbaijan

と。とっちらかった状態から、大幅なセッティング変更を加えてドライバーに「Just setup」と言わしめるって、言うのは簡単ですがこれこそがトップチームの凄みだなあ、という感じがします。闇雲に変更を加えたってマシンが良くなるワケもなく、膨大なデータの蓄積と、そこから正解を導ける優秀なエンジニアがあってこその結果でしょうから。

ただまー、メルセデスにしてみれば、F1で最も優秀なパワーユニットと、それに完璧にフィットするシャシーというアドバンテージがあるのも大きいでしょうけども。フォースインディアとウイリアムズが今期最も上位のグリッドを占めているコトからも察せられる通り、メルセデスPUとこのコースは非常に相性が良い。

セクタータイムで見ると、メルセデスフェラーリに対して特に優位に立っているのはやはりセクター3で、旧市街地で狭いセクター2はフェラーリに結構遅れを取っている格好。ストレートは多少犠牲にしつつテクニカルセクションとのバランスを重視しているフェラーリと、直線でドカンと稼ぐメルセデスという格好になるでしょうか。クルマの仕上がりとしては、フェラーリの方が一歩前に居る感じかな?

肝が冷えたトロロッソ

あと予選で印象的だったシーンといえば、やはりガスリーとハートレイが再び同士討ちしそうになったシーンでしょうか。

‘I could see myself in the air…’ – Gasly on his 'scary' near miss with Hartley(動画あり)

ガスリーに3秒程度先行して走っていたハートレイがマシンをウォールにヒットさせてパンクしてしまい、スローダウンしていたところにガスリーが来た……というシーンですが、そもそも左右どちらにも寄らずにフラフラしていたハートレイに責任があるでしょうねコレは。そこはハートレイも認めて謝罪したため、とりあえずヤレヤレといった感じ。

ただ、一歩間違えばマシンが宙を舞う大事故に繋がる恐れがあったシーンですし、中国でも同士討ちをやったばかりというコトを考えると、トロロッソとしては早急に対策を講じる必要があるでしょうね。今回はハートレイの異変が起きてからガスリーが追いつくまでわずか数秒という短時間だったコトもあってなかなか難しい問題ではありますが、まずは予選アタックに入らせるときには前との間隔をもっと空けさせる、とかそういうところですかねえ。

レース戦略とか

決勝は予選以上の強風に晒されるとの予報もあるようで、予選でもこれだけコースオフが目立っていたコトを考えると、決勝ではさらなる混乱が予想されそう。

F1 Topic:強風予報の決勝レースは大荒れの予感

そういう時に、いかに咄嗟にピット戦略を切り替えられるかが大きく勝負を分けそうですね。中国でもそんな感じでしたが。今回はタイヤのデグラデーションが小さいコースというコトで作戦の幅は広いでしょうし、トップ5台は皆スーパーソフトスタートなので、セーフティカー出動のタイミング次第で早めの周回でソフトに履き替えて最後まで走り切る、あるいはなかなかセーフティカーが出てこないようなら引っ張れるところまで引っ張ってウルトラソフトに履き替える、といった感じになるでしょうか。

そんな中で、ライコネンだけは予選でしくじったコトもあってトップ3チームの中で唯一ウルトラソフトスタートとなるワケで、決勝でライコネンがどういう動きをするのか、というのも興味深い点ではあります。ただ、ライコネンはスーパーソフトのニューはもうありませんし、作戦は必然的に限られてしまいそうではありますが……。

さすがに昨年以上の波乱は無いやろ、とは思いつつ、かなりの強風が吹くとなると、またひょっとしてとんでもないコトが……という期待というか不安があるのも事実。どうなりますやら。